部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

状況が読めない日

「やりましたねセンパイ‼︎」
「あ、ああ・・・」
七海から抱きつかれたが、一体何が起きているのか
状況が全く理解出来なかった。
「先輩・・・これは?」
と織田もどうやら状況が読めていないようだ。
「まぁまぁ困難は去ったんだし~
イチャイチャしましょ~!}
と与謝野さんが織田の背中に
抱きつきながら言った。
「こ、こら桜!一応先輩がいるんだから
抑えめに・・・」
織田が言った言葉に僕らは反応した。
「いやいや織田よ、今更だよ、それは・・・」
「確かにですね・・・」
「ほんと今更だよな~」
と僕、七海、森がつぶやくと
「・・・そういえばそうでしたね」
と織田が落ち込んでいた。
・・・いやだってさ、今まで僕らの前で
さんざんイチャついていたじゃんか。
まぁこれ以上言うと僕らにもカウンター
来るから止めておこう。
「なら公認ってことで堂々と
イチャつこうよ~良晴!」
与謝野さんがやや調子の乗り出したので
「「「誰も公認はしてない!」」」
と僕ら3人の言葉がハモった。
特に森の叫びが切実だった。
「は、はい・・・」
とすっかりおびえている与謝野さん。
でも織田からはがれない。
「く、くそ・・・これがカップルの強さか・・!
う、羨ましくなんてないからな!」
「ツンデレ乙~」
とここぞとばかりに与謝野さんが言うと
「復活早っ!?」
「ほらほら~羨ましいんでしょ~」
「てめぇ・・・腹が立つ・・・」
森と与謝野さんがにらみ合うという
奇妙な光景が目の前に広がった。
「・・・何やっているんだが」
「俺の同期がすみません・・・」

とりあえずこの日は各自解散となり
僕と七海は晩御飯の準備をしていた。
とその最中で
「センパイ、電話なってますよ?」
と七海に言われて。自分のスマホを見ると
着信があった。相手は・・・
「樋口さんか・・・」
同期でも仲がいい、そして僕と七海の関係を
知っている主務の樋口さんだった。
「ちょっと電話にでるから
火止めておいて」
と七海に言うと僕は家の外に出た。

「どう元気にしてる~国木田?」
「まぁ今はね
・・・目覚めは歴代最悪だったけどね」
「ハハハ、確かにそうかもね~!」
「で、話ってなにかな?
樋口さんが何も考えなしに電話してくるとは
思えないんだけど」
と本題に入ることにした。
「はいはい。とりあえずは停部は
解除されたみたいだね」
「まぁほんの2時間前にね・・・
樋口さんは何か知っているの?」
「知ってるというか・・・
今回解除させたのって
私のおかげだよ?」
・・・樋口さんのおかげ?
何だろう今日は全然状況が読めない日だ。
「どういうこと?」
「ほら私って主務だからOB・OG先輩の連絡先
色々知っているじゃん?」
「確かに・・・」
主務というのはOB・OG先輩との連絡を
とることもあるので意外と連絡先を知っていて
もしかしたら、主将よりも知っている
可能性もある。
「それで今回の停部騒ぎのことを
先生に伝えたんだ~」
「へぇ~先生にね・・・
ん?先生?先生!?」
「そうだよ先生だよ~」
「マジで!?このこと
先生に言っちゃたの!?」
・・・この部活の先生とはOB・OG先輩にまで
顔が利く人であり、部内では1番の権力者である。
「・・・ちなみに聞くけど
先生に言ったらどうなった?」
「そしたら先輩大激怒!
そりゃ怖かったよ~
・・・なんか私が泣きそうだった」
「それはご愁傷様です・・・」
・・・あの樋口さんを泣かしかけたのだから
余程怖かったのだろう。
「そしたら、先生が夏目に直接電話して・・・
まぁこの後は想像つくよね?」
「うん、それはもう・・・
とりあえず助かった。
ありがとうね、樋口さん」
「いえいえ。これでまた国木田に貸しを
作ったと思えばいいよ~」
「・・・お手柔らかに頼むよ」
「まぁそこまで酷いことはしないから大丈夫
・・・そうそう、あとね」
と樋口さんから驚愕のことを聞かされた。
「先生が国木田に来いってさ」
「はぁ~!?」
どうやら合宿まで僕はなかなか落ち着けないようだ。


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