部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

大会当日〜その2

「今から第23回・・・」
と安定の長いお言葉があり、あの中学校時代の校長の話を聞いているようで
懐かしいという思いと、当日の湿度の高さで倒れそうという
相反する思いが胸にあった。
・・・さて大会の撮影でも始めますか。
僕は一番の撮影ポジションを取り、そこから撮影をすることにした。
ここからだとどの試合会場も撮影することができ、とてもよかった。
準備をしながら試しに夏目のほうを見ると、他大学の知り合いと
話していた。
・・・あいつは自分の部活の後輩の試合を見ないのかね?
と思いながらも、僕自身も七海さんの方を見てみた。
七海さんはあっちに走り、こっちに走り忙しく走っていた。
・・やはり可愛い。
彼女のどんな姿を見ても可愛いと思ってしまう。
「幸せだ・・・」
「国木田どうした?顔がにやけているぞ・・・」
それを見ていた若干同期に引かれてしまった。
「ああ悪い悪い」
「なんか他大学の可愛い子でもいたか?」
「まぁね」
・・他大学じゃなくて同じ大学なのだがな。
「マジで⁉️誰々?」
「後で言うから撮影に集中するよ」
「おうよ」
「先輩、ウォーミングアップ終わりました」
と2年生全員が帰ってきた。
「おかえり。はい、これ」
「水と飴?」
「そうそう、こんな蒸し暑い中で水分と塩分補給は
大切でしょ?だけどこの建物内の自動販売機の水は
売り切れていたから、近くのコンビニに行って
人数分の水と飴を買ってきたんだ」
「おお〜流石国木田。気がきくな〜」
と同期が関心したように言った。
「「「先輩・・・ありがとうございます‼️」」」
と2年生全員が一同に頭を下げた。
「とりあえず君らが満足する結果出してくれれば
僕は嬉しいから、頑張れよ?」
「「「はい‼️」」」

そして試合が始まった。
一回戦の結果は森以外の2年生は割と簡単に勝った。
・・・森はイージーミスをして負けた。
「・・・」
と目に見えて落ち込んでいたので責めるのはやめた。
「まぁとりあえず次は同じミスは無しな?」
「・・・分かりました」 

そして2回戦は与謝野さん以外はなんとか勝った。
まぁ相手は2年生の中でも強いと言われている人
だったのでしょうがない。
逆に勝てたら凄かっただろう。
「はぁ・・・」
ちなみにまだ森は落ち込んでいた。

そして3回戦も無事に全員突破し
ベスト8をかけた試合では織田を含む全員が負けた。
全員上手かった。
だが相手の方が1枚上手だっただけだ。
・・・ただそう簡単に割り切れる事ではないのは
僕でも分かる。
2年生の悔しそうな表情を見ていれば想像できる。
・・・彼らにこの様な表情をさせてしまったのは
僕ら幹部のせいでもある。
とりあえず今は彼らはそっとしておこう。
そして彼らが落ち着いたらフォローをしておこう。
そう誓った僕だった。

・・・だがこの後、また問題が起きるのであった。

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