部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

ばたんきゅ〜

その日は珍しく授業を全部寝てしまうという失態を
おかした。同じ授業に友達がいて助かったが、
「国木田・・・お前大丈夫か?」
と心配されてしまうほどだった。
そんな事をしながら午前中を乗り切った。
午後になると自分でも分かるぐらいフラフラ
し始めた。
その日はもう1つのキャンパスで練習の指揮を執る予定
だったが、こんな体調という事もあり、別の同期に
代わりの指揮を執ってもらう事にした。
そして午後の授業は全部休み、家に帰る事にした。
「先輩大丈夫ですか?」
「ああ、とりあえず今日は帰るよ」
「じゃあ俺途中まで一緒なんで、行きますよ」
「いや、申し訳ないから」
「いつもお世話になっているからこれぐらいは
やらしてくださいよ」
と途中までと言っていたが結局僕の最寄りまで
1年生の司馬君が一緒に帰ってくれてとても助かった。
最寄りの駅に着き、いつもの倍以上の時間を
かけてなんとか家に着いた。
「た、ただいま・・・」
と僕が覚えているのはここまで。何故なら家に着いた
瞬間、玄関で倒れてしまったのだから。

「・・・ん?ベット?」
次に目を覚ましたのは自分のベットの上にだった。
「あれ、なんでベットにいるんだ?」
「国木田先輩⁉︎やっと起きましたか」
「あれ、森?練習は?」
「先輩・・・今何時だと思っているんですか?」
「6時?」
「午後10時ですよ」
「は?そんなまさか」
とスマホの時間を見ると、午後10時になっていた。
「本当だ・・・てかなんで森がいるの?」
「実は先輩が練習休んだって聞いたので、様子を
見に行ったんです。そしたら玄関で寝ている先輩を
発見しました」
「そして君が僕をベットに運んだと・・・」
「俺と織田で先輩を運び、与謝野と平塚が買い出しに
向かっています」
「げ、七海さんか」
・・・めっちゃ怒られるパターンじゃん
「あれ先輩、平塚の事下の名前で呼ぶようになったん
ですね」
「ああ、まぁね」
「毎日飯を一緒に食べて半ば同棲の状態はまさに
ラブコメですね‼︎」
「言われてみれば確かに・・」
・・毎朝一緒に食べて、昼は別だけど夜は大体
一緒に食べる。休日にかぎっては一日中一緒にいることが
ざらにある。これってほぼ同棲?
「とりあえず平塚、かなり心配してましたよ?
もうこの世の終わりぐらいに」
「そ、そんなにかい?」
「ええ、かなり」
・・・彼女に心配かけてしまった。このことが僕を
さらに落ち込ませる。
「先輩、お願いしますから体調に気を配ってください。
俺らも焦ったんですから」
「それはすまんな・・・」
と僕らが話している最中にどうやら買い出し組が
帰ってきたようだった。

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