ユウギ☆クエスト

鹿波

第2話 旅立ち

「では、街まで、お気を付けて。」
その声で僕は目を開けた。
全く状況が把握できない。
目の前にいる女の人に聞いてみる。
「あの…街までとは…?」
「いまから[すたーと街]に薬草を届けてくれるんですよね?」
「……は?」
聞いてないぞ、そんなこと。
「そうですよね…無理矢理ですからね…。」
「あの、どうしてこうなったか、教えてくれますか?」
「分かりました。実は……。」


「大変です!!」
「どうしたんじゃ?」
「すたーと街に薬草を届ける筈の方が怪我を負ってしまって…薬草を届けられないんです。」
「それは困ったのう…今すたーと街は負傷者が多い…薬草が無いと大変じゃのう…。」
「代わりに届けられる人を探してて…村長さん、誰か居ませんかね…?」
「うーむ…そのような奴はいな…」
「どうしたんですか?」
その時村長さんは倒れたあなたをチラッとみて、「こいつに行かせよう」と言ったんです。
私はやめた方がいいと言ったのですが、村長さんは聞かなくて。


それで、何だかんだであなたに届けてもらうことになりました。
「そうなんだ…」
あんのじじぃ〜!
「ごめんなさい…別の人に何とか頼みますから…」
…でも、いいか。
「いえ、やります。」
「…いいんですか?」
「ここにずっといてもしょうがないと思っていましたし、行きますよ。」
「はぁ…!ありがとうございます…!」
この人の最高の笑顔が見られたし、これから頑張ろうかな!
「では、お気を付けて…!」
彼女に見送られ、僕は[始まりの村]を旅立った。

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