創造主は暇だったので冒険者になった。
27.
「「いただきまーす。」」
「ん、美味しいですね。」
ここは虚無属の少年、ヴィドの家。夕飯にシチューを作ってくれた。両親は色々あって、5年前から家にはいないらしい。
「…しかしな。」
クレアが口を開く。
「客のあるときくらい本はしまっておかないか?」
部屋は決して散らかっている訳では無いのだが、隅の方には大量の本が積んである。
「んー、片付けようとは思ったんだけどね?奥の本棚も部屋も溢れてるから、とりあえず食卓だけ綺麗にしたんだよ。」
「いったいこれだけの本どうやって集めたんだ?」
「近くの街の本屋に時々行くんだ。近くを通る商人の馬車に乗せてもらってね。」
「いったい何回行けばこんなに集まるんですか…。」
「ヴィド君、お気に入りはあるの?」
「最近面白かったのは『クラムの日記』かな?」
「…あなたどんだけ暇人なのよ。」
「読んだことあるの?」
「私も人の事言えないぐらい暇人してたから、読んだわ。あの人描写が細かくて綺麗なのよね。『八日目 山に行った。』なんて描写だけでどこの山か分かったくらいだもの。」
「そうそう、でも要らない所も描写が長くなるから、『一二九日目 小説を書き始めた。』で書いた小説は物語が全然進まないんだよ。」
「なあ、今夜一冊貸して…ん?」
妙な音が聞こえた気がして耳を澄ます。
─メキメキメキメキ─
距離としてはだいぶあるが、木々のなぎ倒される音。
「…何か来る…!」
少しの時間、全員が耳を澄ましてシーンとする。
─ズドーンッ─
轟音と共に、窓の外がパッと明るくなった。
「ん、美味しいですね。」
ここは虚無属の少年、ヴィドの家。夕飯にシチューを作ってくれた。両親は色々あって、5年前から家にはいないらしい。
「…しかしな。」
クレアが口を開く。
「客のあるときくらい本はしまっておかないか?」
部屋は決して散らかっている訳では無いのだが、隅の方には大量の本が積んである。
「んー、片付けようとは思ったんだけどね?奥の本棚も部屋も溢れてるから、とりあえず食卓だけ綺麗にしたんだよ。」
「いったいこれだけの本どうやって集めたんだ?」
「近くの街の本屋に時々行くんだ。近くを通る商人の馬車に乗せてもらってね。」
「いったい何回行けばこんなに集まるんですか…。」
「ヴィド君、お気に入りはあるの?」
「最近面白かったのは『クラムの日記』かな?」
「…あなたどんだけ暇人なのよ。」
「読んだことあるの?」
「私も人の事言えないぐらい暇人してたから、読んだわ。あの人描写が細かくて綺麗なのよね。『八日目 山に行った。』なんて描写だけでどこの山か分かったくらいだもの。」
「そうそう、でも要らない所も描写が長くなるから、『一二九日目 小説を書き始めた。』で書いた小説は物語が全然進まないんだよ。」
「なあ、今夜一冊貸して…ん?」
妙な音が聞こえた気がして耳を澄ます。
─メキメキメキメキ─
距離としてはだいぶあるが、木々のなぎ倒される音。
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少しの時間、全員が耳を澄ましてシーンとする。
─ズドーンッ─
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