“5人集”は個々の最強異能力を所持しているチート集団だった。【ほのぼの暮らすけどね、】

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第27話 隠し事少女と怪しげな門番達




「はぁー、またアスラになんか言われるじゃねぇか。」

「ほう、まだまだ連れが居るのか。また挨拶をしないといかんなぁ。」

「あまり仲良くするのは控えとく方がいいと思いますよ。」

「何かと言ってツミキもアスラと仲良いと俺は思うけどな。」

「アスラのごはんはおいしー」
「....。(コクコク)」

「え、成弥さんも一緒なの?」
俺達がアスラの話をしている側でおーちゃんが呟いた。

「なんだよ、お前達と一緒に転移してるんじゃないのか?」

「ええ、そうだけど...。」
おーちゃんはそう言いながら下に目線を向けた。

「...織歌。」
「ひゃ、ひゃい!!!」
今の彼女はとても動揺している。
だからこそ分かりやすい。

「何があったかは後で聞く。だから俺が納得出来るように頭の中で整理しておけ。分かったか?」
「...ええ。」

はぁー、まあおーちゃんの事だ。
差詰め自分のせいで伊風達からアスラを守れなかったのを後悔してるんだろう。そうである事を願おう。

「まあ何にせよ妾達は今はお喋りよりも行動だな!いいか?サクヤ!」
「ああ勿論だ。行くぞ!!!」
「「「「「「おーー!!」」」」」」
グーレに相槌をして意気投合した俺達は、龍のいる方向に走り出した。
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西王都セラドミ第一正門

「あれ、ドラゴンじゃないですか?」
「なに?!何体居る?」
「ひとつ、ふたつ、みっ...!!!」
数えていた門番の兵士がバランスを崩して尻もちをついた。
「あ、ああ、あれ...____。」
(いったい何がどうなっているんだ。)
内心そう思いながら単眼鏡を覗くと
「ああ、数が多いな。」
すると警備員の一人が箱から通信魔法石を取り出して会話を始めた。

一方ドラゴンを数えてうずくまった者は完璧に見えてしまった黒い影に怯えていた。
(な、なんで。今日に限って!)
彼はドラゴンの目が紅色になっている理由を知っている。
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北王都キリセリア第二正門

「あれは...ドラゴンか。」
「あらまあ、珍しいじゃないの。」
筋肉の露出が多い男と魔女のようなとんがり帽子を被った女が今夜の見張りをする担当だった。
「それで?何匹いるの?」
「ざっと15匹か。にしても奇妙だ。」
「どうかしたの?」

「ドラゴンの眼が紅色なんだよ。」
「...。」

すると魔女のような女はだんまりとして箱から通信魔法石を取り出した。
(ふふふっほんと、珍しいじゃない...。)
彼女は男に背を向けて不敵な笑みを見られないように隠してから北の領主に通信をし始めた。

またその動作を見ていた男が何かを察するようにその背中を見つめていた。
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西王都セラドミ 屋根上を移動中

「一応その作戦は俺とニズ、グーレとツミキ、トモリとコールトのグループで行くぞ。おーちゃんは伝えた通りだ。分かったか?」
「ええ、了解したわ。」
「妾この世界でこういった事するの初めてだから楽しみじゃのう。」

そう言えばグーレに関してはずっと寝ていただけで、全然知らないからな。

「グーレは前の世界ではどんな事していたんだ?」
「ん?まあ、なんと言うか何だ、色々してたよ。」
俺だってそこまで鈍くはない。どんなヤツでもグーレが昔に何かあったことぐらい分かるだろう。まあ今はそっとしておこうか。

「へーーそうか。」
「まあ今はそれよりドラゴン討伐が先だ。」

そんな捨て台詞を吐いては嬉しそうに宙を舞うサクヤだった。


次回、ドラゴン達登場と...。






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