異世界転移したら中々異常が多いサイコブラッディーな非日常

家上浮太

ザウスゼルスにて8


大いなる魔女は幼女である。
バブみのための素質は高い。

そんな彼女がナチスをこの世界に呼んだ元凶が、脳味噌剥き出しの少女に会いに行く。

「やぁ、メッドリー」
「こんにちわ、大いなる魔女さん」
クローン培養の技術を使った被験体。
人体実験用と、もう一つ用途がある。
「生け贄用にほしくなっちゃったの?」
「えぇ、他の世界にも売るんでしょ?」
「もちろん、少年兵にするにもうってつけだよ」
「なるほど…………それは笑殺話」
にたりと笑う大いなる魔女、
そこにうんざりとした顔の少年。
白衣を着ながら、血塗れだった。
「また、父さんのアリコンか」
「アリスコンプレックス、そうね、貴方の父さんの母親をさせてもらってます」
「…………結局、父さんの愛が欲しかっただけ、か、素直じゃないんだからあの人…………」
「きっと、母性愛に餓えてたのよ、光のような優しいのじゃない、闇のように無慈悲なモノを」
「甘やかすのではなく毒が欲しかった、か」
彼はため息をついた。
「で、研究はまだ完成してないけど」
「どうなの? まだ理想の父親を創りたくてゴーレムとか、今度はクローンにまで手を出して、最終的に人造人間を創るのかしら」
「そうなるな」
「頑張ってね、不倫相手が務まるほどにはきっちり仕上げてね」
「…………悪趣味だな」

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