fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

タクミ

「フウウウウウウ~ わたしは…子供のころ…ジョン・エヴァレット・ミレーの『オフィーリア』ってありますよね…あの絵…画集で見た時ですね。あの『オフィーリア』が泉のところで沈んでいる『水死体』…あれ…初めて見た時…なんていうか…その…下品なんですが…フフ…勃起…しちゃいましてね…」

「よくよく見ると溺れてしまう前、歌を口ずさんでいる姿を描いている、と解説があってね、そこもピックアップすべきじゃあないか、そもそもラファエル前派の『水の女』は大体そんな感じじゃぁないか、しかし、この『さが』を全うとは思わない、水着姿の女子にすら興奮してしまうほど目に焼き付いている、だがそういう系は殺さなかった、理由?彼女達は溺れそうではなかったから」

「爪の白い部分が許せないから爪を噛む、だなんてよく分からないだろう?しかしどうしても許せないんだ、これは『癖』なんでね」

「それなりに頭の回る奴だったから溺死体を合法的に創りたいと思ったよ、陳腐ながら魔女裁判の時のようなら沈めても問題ないと思った、警察が死んでも何も動かないぐらいの凶悪犯の女性をまずは創る、魔女と言うんだかラフレシアと言うんだか、それは『スリル』を味わえてたかもしれないね、平穏はそこまでいらない、適度なスリルが人生を楽しくする、ちょっとした非日常が人生に喜びを与える、分かるだろ?だが、『平常心』は欲しい、自分は焦りたくない、常に余裕で落ち着いていたいんだ、精神安定剤もしっかり飲んでるよ、それを嫌に思うのがちょっと悪癖だけどね」

「部外者は黙ってくれないか?」

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