fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

天魔人VS蝙蝠


「冷めてるのぉ」
二丁拳銃が唸った。
それでも慟哭は与えられない。
「常に冷静でいろと言われたからな」
「人の言葉を、真に受け過ぎだぞ?」
弾丸を、髑髏杖で弾きながら紡いだ。
「落ち着いた人間が精神安定しているのなら心なんてさっさと捨てた方が良いだろう?人間の下らねぇ感情捨てて、それで平穏が得られるならな」
「たわけ、それで何が楽しいのか?」
「無論、何も、だがクリニック的には安心だよ」
「それで生きているというのか?」
「そんなのは関係ない、言われた通りにしただけだ、周りに流されるのが何が悪い、自分の自己主張など数の暴力の前には無情だぞ?じいさん」
「現代社会に毒されおって」
「アイヒマン実験は人間は誰だって残酷になれると証明した、それでいいんだ、別に悪を誇る道理はない、良心など天使の妄想に過ぎないんだよ」
「悪魔に魂を売り渡したか?」
「そうだとして何か問題でも」
「血族から逸脱し過ぎている」
「天魔の誘いなど精神異常の引き金でしかない」
「……欲望を狂気と断じるのか?」
「そんなのなかった方がよかった」
「ではお前がしているのはなんだ」
「悪魔に体を貸してその経過を楽しむ暇潰しだ、これぐらいさせてくれよ、神様は退屈こそ善意と誇る、犯罪は非日常で少しは楽しめているよ」
「無明だな」
「迷宮の黒山羊だ」
「親の育て方が悪かったわけではない、むしろ理想的がゆえに現実感は喪失しやすくなるだろ?」
「デュラララは希望になり得た、加えてめだかボックスの古賀いたみに精神性は近い、普通過ぎるがゆえの異常の『異常への憧れ』幸いにも抑制ブレーキはない、どこまでも堕落しても底無しだったよ」
「それで現実感は得られたか?」
「今度は思い通りに行き過ぎてな、シミュレーテッドリアリティを発症せざるを得なかったんだ」
「解析機関の気持ちが味わえたか?」
「コンピューターで無い点が鋭いな」
「元々頭だけはよかった、記憶力も」
「だが素行が悪いと頭がよくても無価値らしい、天才はいない、日本でスティーブ・ジョブズを産み出すのは不可能、同調圧力、協調性とかでな」
「天才ではなく鬼才と名乗るのはそれゆえか」
「もちろん、エリートを秀才と呼ぶのだがね」
「模範的生徒なだけで価値がある、か」
「学校は居心地悪かったよ、それは認めるが対人恐怖症とかではなかった、むしろ目障りとか虫酸が走るとかストレスで蕁麻疹になったりしたけど、良い思い出がない、一番多く見る夢は虐めっ子達に過剰に復讐する物だ、目覚めが悪くなる」
「そこから選民思想は目覚めたのか?」
「我が物顔の愚者は選別されるべきだ」
「政治家も当てはまるよな?」
「流石にそこは賢者でないと」
「徹底した理想主義者だなぁ」
「世界を革新させたいんだよ」
「それすら欲望ですらないか」
「馬鹿でも分かる革命の話さ」
「自己矛盾が激しいな、哀れ」
「仕方ないじゃん、外圧ストレスで簡単に人は歪になるんだもの、別に嘆いて弱音吐いても仕方がない」

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