fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

ワラキアの夜


「煩悩だな、それだからこそ弟子に相応しい」
「もちろんさ、小生は只の凡人だからね」
「血族などそもそも存在しない、自分の家庭が素晴らしいと思いたいのか、虚言癖が激しく、もはや病気だ、そんなに世界にかまってもらいたいのか、配役を賜りたかったか?君はとことん愚者だ、君はゲームで言えば徹底したNPCのはずだった、プレイヤーに成ろうとする事がイレギュラー化を起こした、だから、そんな君を弟子にした」
「因果から墜落してたのさ」
「追放ではなく墜落か、堕天使の気分か?」
「かもな、神でさえ実感を欲しがるからな」
「マガツゴシップは神気取りゆえにだ、架空の家系図と量産型人類悪を創造する力なぞ醜悪至極」
「見抜かれているならいい」
「ふむ、君は普通から乖離をしたかったのだな」
「もはや、どんな手でも使ってな、悪魔や吸血鬼と関わり人間性を失い、人間の心を失い、恋人には愛想をつかれた、小生の心が分からない、と」
「自業自得だろ?」
「全てを捨ててでも物語に参加したかった」
「非日常でもいいだろう、君は逸脱もし過ぎた」
「悪魔何匹重ねても結局叶えられなかった」
「たかが都会の上京にそこまで費やしたら逆に抑止力に狙われるぞ、何が目的だ、とな」
「目的?愉悦が欲しい、満足が欲しいだけ」
「魔王と成った君の享楽主義の芽生えは醜い」
「醜いか、精神年齢は幼稚園児以下だろう、遊びたいだけなのさ、悪いのは何?」
「ソーホーの月が悪いのか?」
「三文オペラか、それだろう」

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