fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

七夜黄理


蝙蝠の父は生前、彼と親交があったらしい。
「お前も憑き物は落ちたか?」
「あぁ、人並みでいいんだよ」
「互いに修羅の道を選んだ身だからな」
「あぁ、旦那には死相が見えているぜ」
「あぁ、亡霊達が俺を誘っているのさ」
「旦那と飲む酒もこれで最後だろうな」
「退魔組織は利己的でいつも疑心暗鬼をする、もう、七夜一族が滅びるのも近いな」
「俺はまだ、血族が続いて欲しいと思う」
「妻が出来て、子供ももうすぐなようだ」
「俺に、人並みの幸せが得られるとはな」
「俺達は血に執着し過ぎて狂ってたんだ」
「そうだな、本当に憑き物が落ちた気がする、なぁ、旦那、息子を必ず守れよ、守れなかったら、地獄まで行ってぶん殴るからな」
「お前は天国に行け」
「出来たらいいよな」
「巫女を不幸にした時には、地獄に来い」
「なら、謝る、俺は地獄には行かないよ」
「それでいい」
「だが、息子の天文には不吉が混ざってる」
「………巫女の息子に不吉だと?」
「子を殺したら地獄なのかな?」
「そんな事したら地獄から甦って殴るぞ?」
「分かってる、荷が重い、父として絶対に子供を見捨ててはならない重荷は責任重大だ」
「親と子は似る、道を外さないよう見守れ」
「分かってるよ、じゃぁな、酒旨かったぜ」

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