fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

歪んだ理由


小学生の頃に毎年先生の体罰を必ず受けた、傷口を抉られて、叩かれるのも当たり前だ、中性的な顔ゆえに犯されたりもした、罵倒、駄目な子供、問題児、かまってちゃん呼ばわり、その間違った結論が導き出された結果、新たな虐めが生まれたりした、体毛が濃くて、眉毛が剃れず、繋がりそうになっても、許可など出ない、問題児である理由は三枚目でお調子者だったというが太宰治で言えば道化を演じていてた、それだけであった、しかしながら、友達付き合いはした方が良い、その社会性は子供が身に付けるのには早過ぎた、前提として友達関係があくまで学園生活の副産物でしかないと割りきっていた、だからかまってちゃん呼ばわりされた彼の心は歪んだ、だから、友達を見捨てた、それが意識的であるのは明白で、自分が友を欲する事はしない人間だと勝手に自己解釈した、恋はした事がある、だがしかし、好きな子を間違えて解釈されて破局、ゲームでその好きな子の名前を入力し、バレンタインも彼女だけ貰っていた、のにも関わらず、悪意は悶えた、次には好きな子を捏造されて女子全員に嫌われる、女子全員は、悪意を悶えさせた餓鬼を王子様だと錯覚していた、彼はスクールカーストに属する気は無かった、どこのグループにも所属していない、本来、読書好きで、適当に図書委員になるだけなって、活動はしない悪癖があったが、読書狂は酷かった、現実逃避である、友人関係を煩わしいとまで実感していた、現実が退屈だと強く認識していた、様々なグループを時折見ては、家にも遊びに行くこそあれ、深く関わる事はしない、一歩引いた、趣味は人間観察であった、中学生に上がる頃には、大人は子供を所有物か、あくまで教え子であって愛など必要性に欠けると思っていると感じていた、左利きで、字が汚いのを執拗に弾劾して、テストで百点を取っても字が汚いのを注意された、子供にとっては努力しても左利きと言うだけで、勉強が駄目だと判断された、それが苦痛であった、勉強嫌いになった、学校に行くことが嫌になっても義務教育だから、という理由で行っていた、高校生になったら上京しよう、そうしたら変われる、本の影響でこそあるが、その揺らぎがそのまま直進していれば彼は狂わなかった、気にくわない、というだけで虐めは起こり、それに対して、彼はやはりな、としか感じてなかった、浮遊霊がいるだけで迷惑だろうな、とも、生の実感が無い彼は怖がられていた、もしくはスクールカーストをはっきり付けたかったのだろう、その結果、思いっきり調子に乗った馬鹿が喧嘩で負けた、武器を学校に持ってくるようになったのはそれからだ、不登校になったのは、居場所が無い、と彼等の怯えた眼が悟らせた、修学旅行では行きたくない所へ行った、行きたい場所には虐めっ子達が行ったらしい、現実は弱い者にはとことん優しくない、やがて破滅は訪れる、虐めっ子達を半殺しにした、理性を忘れて暴力を持って沈めた、自分の狂気を認識した瞬間そこにあったのは暗き感情だった、殴るのがとことん楽しかった、相手を恐怖に晒し、刹那、彼は本能に順応出来た、その快感が忘れられない、ビーストの理ならぬ畜生の真理『暴力』を理解した、気持ち良かった、スッキリした、もう一度、それを味わいたかった。


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