fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

人類最凶の蝙蝠・設定集塵


肝が座っている。
度量がある。
恐いもの知らず。

なのに性根が腐り魂が膿んでいる。

悲観主義ながらバッドエンド中毒。
お前の邪見で世界がマジでやばい。

生まれもっての人格破綻者である。

相当数奇で非業の人生を送ってきた極めつけの変わり種、あるいは、ただの狂人もどき。

現代社会にグラン・ギニョールを再現したいと言ったりピカレスクロマンに牽かれたりするが、彼の渇望は旅立ちと自由になりたいという思いだ、夢想家なのに限りなく現実主義者で、書を捨てよ、街に出ようを常にしたがっている、冒険心に満ちた若者であるのだが、彼は愛に無頓着であるので、他者の気持ちが根本的にも根底的にも分からないのである、あの言峰神父でさえ微かながら答えを得ようとした、愉悦も喜悦も享楽も娯楽も彼の前にとってはショーケースの玩具でしかなく、その満足への渇きが、人一倍大きい。

過保護は不自由であり、知らず知らずの毒親に育てられ、とことんまで甘やかされて育った、彼自身は何より人間としての成長を求めていたが、周りによって、甘えによってだらだらと怠惰と惰性を極めて、虚無感に満ちている、ニートのようであるが人見知りでもなければ、本来はアクティブに行動したがる。

何事にも、興味津々。
好奇心で満ちている。

しかし与えられたのは路傍の石と書物の山。

読書狂ビブリオマニアではあるが現実と虚構の区別ははっきりついた上で現実の虚無を読書によって退屈しのぎをしているので読書に狂っても本は愛してない、リアリティーが欲しかった、猟奇趣味もグロテスクも理解できる、デスゲームモノを読んで刺激中毒になった、スリルが何よりも欲しかった一般人、アンチシミュレーテッドリアリティと言うべき何もかも現実が上手くいかなかった完全不運。

悪魔憑きとして、その腐心をベルゼブブ・プリンス二体を臓物に宿らせている、片方は世界を歪めるため、片方は世界を楽しむため。

臓物が疼くのは当たり前。
偽者のベルゼブブ、フランソワ・プレラーティと本物のベルゼブブの彼では格が違った。

「何もかもにデジャブが隠せない、狂ってしまえ、壊れてしまえ、廻れ混沌、我が背徳」

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