fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

蝙蝠陣営

「まだまだ、隠蔽性は高い、伏せ札もまだまだある、手数こそ策士の花よ、なぁ、風魔」
伊藤一刀斎に変化の術で化けていた忍者だ。
第六次聖杯戦争、聖杯大戦に参加するために召喚されたアサシンである風魔小太郎だ。
「この私は戦国の中の影歴史の登場人物だから知名度は無い、ランクはゼロになるがそもそもカルデアのランク差など全く関係ない、平等にどいつもこいつも使える奴しかいないはずだったよな、ランク5をランク2が勝って何が悪い、本部が強くて、何が悪いんだ?」
「何も悪くない」
「だろうなぁ……」
「マスター、そろそろ移る時が来ましたか」
「あぁ、精一杯征服をしてもかまわないよ」
その本当にして真セイバーはコンキスタドールとして有名であるフランシスコ・ピサロ。
マスターは、次にライダーをここに呼んだ。
「出て来い」
すると、火のように赤い別の馬が現れた。その馬に乗っている者には、地上から平和を奪い取って、殺し合いをさせる力が与えられた。またこの者には大きな剣が与えられた。
馬に乗っている者は黙示録の血液言語版だ。
鮮血の貴公子レッドライダー』である。
ランサーはと言えば、マスターにとっては誰より敬愛して憧れを見いだす英霊であった。
ヴラド三世である。
「ふっ、ブラム・ストーカーが敵陣営にいるとはな、これは、好機が巡ってきたという事かな、なるほどマスターよ、いや同士、自分達の忌々しいレッテルを剥がしに行こうか」
「もちろんさ」
ヴァーサーカーは本来神霊であるが、曲がりなりにも聖杯戦争に呼ぶため魔種の原種として召喚した白い身体に青色のラインが入っている、幻想種や精霊とも見間違う美しさ。
日本神話においての大英霊スサノオである。
加えて血族開祖のデミサーヴァントである。
「………………」
格下の人種とは話したくないのか召喚されてからずっと無口の彼である、それよりも、戦場に駆り出されたくてうずうずしていた。
マスターが出陣しろと命令するだけでこの戦争は彼の力量のみで、それだけで終わる話。

そんなサーヴァントでさえ、最悪ではない。

英語のCasterには「配役者(=Castする人)」の意味もあるため、それなりに的を射たクラス名とも言えるだろう、だがこれはあまりにも常軌を逸脱している、悪性情報そのものがサーヴァント化した、ピエロ恐怖症、あるいはなぜかピエロを殺人鬼や狂人に繋げてしまう、そんな配役なるまま、祟りでも厄でもない、言ってみれば汚穢、と言うべき存在だ。

キャスターのジョーカー。

「安心して下さい、この小生はきっときっとお役に立ちます、小生は狂ってなどいません、精神疾患を誇りはしません、小生は人々を笑顔にするのが大好き、人間にとって他人の不幸は蜜の味、だから大量のをですね、パーッと出すんすよ」

アーチャーのクラスだけは共同戦線を晴れなかった、あるいは、敵対関係になってしまっている、マスターとそのサーヴァント、アーチャー・レクイエムが、どう禍を招くのか。

禍も、三年置かれれば用に立つ。

それが聖杯解体後の話であった。

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