fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

山の爺

迅雷の居合い、凍てつく双剣、覚者、冷酷のハサン、試験放棄につき、一時撤退をした。

代わりに、否、それが本来の戦うべき相手。

大きな角の付いた髑髏の仮面と胸部に髑髏をあしらった装飾のある甲冑を身に纏った大男。
「貴様の人間性を誉めよう、だが、人間の法則に対する反目には罰を与えよう、何かにすがらず、生に対しては謙虚である、自立している、だが、余りにも独立した個体を人間とは誰が呼べるのか?生きることは貴様にとっては辛くなかろう、そのために生命を弄ぶ人体実験、殺人癖こそ無いが、不和を呼び殺し合いや争いをする、この『咎の塊』よ、さぁ首を出せ、死ぬべき時を見失った亡者よ!」
「まだまだ死にたくないな、まだまだ生きる事には楽しみがある、そして小生は満足がしてぇんだよ、今、殺される訳には行かないんだよ、兄弟、イスラフィールもしつこくてまらわん、またお前と鉢合わせになるとはな」
「天主は彼女の涙を止めるためにどんな事でもする、地獄を創り享楽しながら、心などとうの昔に枯れて情動など生まれない咎の塊よ、貴様は、本当に生きていて楽しいか?」
「そうだな、あんな地獄を見続けてきても何も感じない、しかし、ならもっと上を目指すだけだ、小生は満足がただただ欲しいんだ」
「そうか、この殺し合いでそれは満たされないか、それともやりすぎで退屈となったか」
「いや、今度は技法を変えてみようと思う」
「何をする気だ?」
「簡単な話さ、現実と虚構の区別がついている、今ならば、逆説的にこれが出来るのだ」
「ま、まさか!」
「これぞ対界!」

「『蝕め我が元凶の幻核グレイテストファントム』」

世界が『無名の霧』に包まれた。
世界がファンタジーに包まれた。
暗闇の幻造世界ダークファンタジアを創る大魔術だ。
それはもはや固有結界ではない。
特有結界と言うべき代物である。
蝶魔術と蛾魔術の両方を極めた者のみが出来る芸当である、芸術性を世界に反映する力。
本来の彼の特有結界は『人形劇』であった。
ブローサンが『恐怖劇』二頭狐が『惨劇』。

それを開発したのは時計塔の鬼才の師匠。
彼が『ダークファンタジー』を劇にする。

それはやはりラヴクラフトが書くべき人。

そんな人の話をする気には今はなれない。
「ちゃんと見ろ、これがこの世全ての地獄」

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