fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

白夜劇団No.9


「もう、起きていいわよ」
『怪盗』が起き上がった。
セミラミスの格好と顔だ。
傷だらけで致死性もある。
同じ顔が二つあったのだ。
「あぁ、不死だからよかったものを、ハーデスレベルが来るとは流石に肝を冷やしたぞ」
「死なないんでしょ?」
「ニアダークと同じような時の呪いだから」
「ならいいじゃない、マスターに感謝しないとね、でも、これからのマスターは貴方よ」
「命の恩人に借りを返す、か、律儀な女だ」
「そうよ、この聖杯戦争、私が勝たせてあげる」
「一回、外に出て素材を集めないとな」
「あぁ、素材ならもう揃ってるからね」
「それは手間が省けた、が面白味にかける、私の宝物庫から素材を君に差し上げようとしたのにオリジナリティーが必要なんだよ?」
「そこにマスターのように、そこに拘るね」 
「誤解があるようだが、我々は嘘とか偽とかは嫌いだ、例外はかったるいから偽者でもいいやっていうリーダーだけだけど、嘘はつかない、誤りを生ませるようだが、我々は欺瞞というのだけは何より避けたいんだよ、誠実な悪辣で純正なる罪悪で、犯罪を遊び尽くす、それが我々の組織のモットーなんだよ」
「滅茶苦茶な組織ね、類は友を呼ぶのかしら、まぁいいわ、宝物庫から持ってきてよ」
「分かりました、あと、虚栄は肯定します」
「思考がぐちゃぐちゃにならない?」
「マスターは虚言癖がありますので」
「貴方達も嘘をつくの?」
「交渉には多少使うべきが逆説的に誠意になるかと、普段はそこまでしませんからねぇ」
「バレなければいいってだけでしょ?」
「嘘はバレなければ嘘じゃないですから」
「ふぅん、なら私なら見透してあげるわ」
「女が天敵なんですよ、男の嘘を必ず暴く」
「だから全員がフェミニストなの?」
「女性上位、女性優位こそ悲劇のヒロインを大切にする心得です、そういう人達こそシナリオを面白くするために色々されなければ」
「死の気配は、女の美しさの香水よね」
「仰る通り」
「うんうん、ここまで私のためにしてくれるなんてマスターに惚れられてるのかしら?」

「fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く