fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

シオン・エルトナム・アトラシア


「貴方、なんてことを考えるのですか!」
紫の制服と長い三つ編みがトレードマーク。アトラス院の院長候補生。
時計塔の鬼才の異常計画。
「これは狂気は多いだろ」
「貴方はそもそもトラウマによる幸福感の喪失、感情鈍麻、物事に対する興味・関心の減退、建設的な未来像の喪失がありますよね」
「事件前後の記憶の想起の回避・忘却する傾向もだよ、小生には別にどうでも良い事だ」
「でも貴方は過去に囚われている、それだけは確かです」
「へばりついてやがるんだよなぁ」
「だから世界に復讐をしようと?」
「自分ではやる気がしない、感情的になるのは、精神がおかしい証拠だよ、アトラシア」
「無感情も精神異常ですよ?」
「ならどうしてこうなった?」
「貴方は普通から乖離しようとした、非日常とやらを味わいたくて、上京さえも考えた」
「だが叶わない妄想になった、非現実の愚物になりさがった、たかが羽蟲潰した程度で停学となり、精神のクリニックに連れてかれ、保健室登校を続ける事になる、成績など下がる一方だ、教室に直に参加したないのだからな、その一方で羽蟲共は青春を謳歌していた、別に虐められた事自体はどうでもいいんだよ、その結果、小生の人生計画はめちゃくちゃだ、母親に過保護され、父親には臆病風を吹かれ、周りに流されるだけやら、人間として成長すら出来ていないと言われる始末になった、運命を先に狂わせたのは羽蟲共だ」
「家出は?」
「金がなかった、両親にはそういう気があるのに気づかれて、その資金を隠されたよ?」
「貴方は狂いたくても狂えなかった人です」
「本に影響されるのは良くなかったなぁ…」
「デュラララの話ですか?」
「そうだよ、あれのせいで小生は滅茶苦茶なんだよ、普通から乖離するのは罪となった」
「そもそも貴方は幼少時代、なんか変なお婆さんに友達が神社で遊んだ後に掃除を酷使させたのに自分だけは逃亡に成功して、加えて大人に友達がそんな目に合っていると伝えなかった、そこから分かるのは元々貴方は他人に感情移入が出来ない可哀想な人間という事です、それがトラウマの結果自覚したというだけでしょう、貴方は死人より死んでいます、死体が生きているフリをしているだけ」
「生の実感を知りたいと思うのは駄目かな」
「抑止力が介入したとしても失態ですね」
「失敗ではなく?」
「フェンリルって知ってますか?」
「脅威の個体値だけで囚われた狼」
「今までの貴方と似ていますよね」
「確かに脅威されてきたが猛威を自分から奮おうと思った事はない、ずっと怯えられていた、誰かにこの空虚を満たして欲しかった」
「満たしてくれるなら誰でもいいのですか」
「もちろん」
「可哀想です、でもその同情で貴方を見逃せはしない、クハンダ・アルゴルモアは絶対に誕生されてはいけません、暇潰しのためだけに改悪されるなんて論外極まりありません」

侮蔑、軽蔑、その両目に彼はうんざりする。
「君は正常過ぎてとことんつまらない女だ」

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