fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

退廃の夜中

「本当はお前は綺麗だというのにそう気を病むでない、雑種が自分の醜さに開き直らなくてどうする、あぁ、もう、我の奴隷になれ」

「ギルガメッシュ様、貴方をおかしたい」

「なら、我はお前を磨いてやる、宝物庫に加えてやれるぐらいにピカピカにしてやるぞ」
『蝙蝠』の心の琴線に響く。
「でも、僕は……………………」
「魔界というモノを創造しやすくなってきている、雑種の創造性は狂おしい、が、我の庭を侵略するなら論外だ、お前がエルキドゥとは真逆の用途である『冥の釘』だとしても、それがどうした、何もかも護ってやるぞ?」
「ギルガメッシュ様」
「お前はギル、と呼んでいいぞ?」
「いいのですか?」
「奴隷の権利だよ」

「ありがとうギル」
血族全部の澱みはね。
血族の穢れの集大成。
天照が大祓したように。
その子はそうして生まれた。

この世にいてはいけないイレギュラー。

彼こそマガツヒの現人神。

禍津日神は人生における不合理さをもたらす原因だといい。この世の中において、人の禍福は必ずしも合理的に人々にもたらされず、誠実に生きている人間が必ずしも幸福を享受し得ないのは、禍津日神の仕業だとした。

「禍津日神の御心のあらびはしも、せむすべなく、いとも悲しきわざにぞありける」

一方、平田篤胤は禍津日神を善神だとし。篤胤によると、禍津日神は須佐之男命の荒魂であるという。全ての人間は、その心に禍津日神の分霊と直毘神(篤胤は天照大神の和魂としている)の分霊を授かっているのだという。人間が悪やケガレに直面したとき、それらに対して怒り、憎しみ、荒々しく反応するのは、自らの心の中に禍津日神の分霊の働きによるものだとした。つまり、悪を悪だと判断する人の心の働きを司る神だというのである。またその怒りは直毘神の分霊の働きにより、やがて鎮められるとした。

だが彼にはもう一つの名前がある。
悪性聖霊とされるイスラム教の魔王である。

『シャイターン』

その魔界は人への裁きで餓えている漆黒天使の住みかであり、彼はその魔界の王なのだ。

自ら現世に出てきた漆黒天使の長であった。

『魔の釘』

シャイターンの男根を持った少女である。
今では乳房は無くなり、男らしくなった。
それはとある『事件』による心の傷、いや、それは親殺しという人間の精神を殺すには凄絶すぎる穢れた行為によって彼女は膿んだ。

ドゥルジ・ナスにすら集られるほど膿ませたその魂は、そもそもシャイターンのモノだ。

その全てを見通し、看破した上でギルガメッシュは言った。
「生きろ、我がお前を人間らしくしてやる」

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