fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

浮上するライダー

心の海そのものから現れた幽霊船と船長。

『煩悩の塊』が噴射した。

その船長はドレッドヘアーのように頭から黒い触手を垂らしてサングラスをかけていた。
彼は『海魔』の一種、魚人である。
暴力的で、ヤクとかしてそうだな。

海岸沿いでその浮上を見届けた男。
元殺人鬼が、今、その起源へと回帰した。
「闘争属性、『呪念の蒼』から『殺意の赤』に移行する、これより、殺戮を始めよう!」

「あぁ?」
その船長『ディビー・ジョーンズ』は唸る。
無理もない。
突然、背後の影から人が現れたからだ。
「マスターの孫か、そんな物騒なモンもって、殺し合いでもしにきたのか」
そういうライダーも海賊曲刀カトラスを両手に持って二刀流にした。
対して、その彼はナイフのみ。
武骨なダマスカス・ナイフだ。
彼は漸く自分らしく生きるのであった。
「イッツ・ショウタイム!」

二刀流をいなしながら彼は叫ぶ。
凶賊の極地シンスキル略奪、あらゆる書物に悪役の狂あり、、その中の三つをここに出す、『ボスの武器』『その本の戦闘技術』そして『そこにいるもう一人の自分』全てを投影する、さぁこの物語性を狂わせよう!」

ナイフを投げた。
そして手にした大型ナイフの中華包丁。
友切り包丁メイトチョッパーだ、さぁ、二刀流なら、キリト君よりかは上だから、もっともっと、本気を出せ、地獄を歓迎しようか、修羅道に従う鬼のさがは格別だ!」

だがそれは悪手だ。

「海賊相手に悪を誇るなよ、それに、本気を出したら、お前相手でも負ける、俺様は、兎相手に本気を出す獅子とは違う、イルカの虐めでもない、シャチが鯨をなぶるのと同じだ、お前は『戦闘』が今まで出来なかっただろうが、その技巧、俺の前では雑魚、あぁ蟷螂の斧、と言うんだよな、お前は弱い、この老人が、気紛れに稽古をつけてあげるぜ!」

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