fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

朝飯の焼き鮭

「シロー、ご飯よー」
のどかな朝が始まる。
「今行くよー母さん」
衛宮家の朝が始まる。
昨日から遠坂凛が居候を始めた。
ガンナーは霊体化をしているよ。
「やぁ、おはよう、士朗! ほら、玄米茶!」
「ありがとう、父さん」
胡散臭い夫婦であった。
片方は糸目の人妻だ。
遠坂凛は女狐だと思っている。
魔力の量が凄まじくガンナーは神性レベルの者だろうと、多分、狐の妖であるのだろう。
と推測していた。
その狐は伝説だ。
片方の夫の方は、髭以外は、きちんとした身なりをして優雅なナイスミドルだったのだ。
「ほら母さんの焼き鮭、いつも美味しいよ、だっ………私のハニー!」
「うふふ、今日のダーリンの夕飯の茶漬けは鮭抜きですよ?」
「酷いね、君は」
「今のはねぇ……」
「マスター、奴は英霊ではない、聞いたことがある、戦国を揺るがす殺生石に封じられし、伝説の九尾、伝説の妖怪仙人の名を!」
「後で教えてね」
「分かった、食事に毒はないか?」
「大丈夫よ、ここでそんなマネはできない」
念話していたところで、
「うふふ、貴女、魔術師でしょう?」
その女狐が遠坂凛に声をかけてきた。
口元のホクロといい、妖美な雰囲気。
「え、え、そうです、が、なにか?」
「うちのシローの事をお願いしますね、シローは、正義の味方になりたい子ですから、でも、そんな彼には支える女の子が必要です」
「それはいいね、我輩もそれを歓迎するよ」

遠坂凛は狼狽した、根っからの根本的な部分から相容れない仮面夫婦だとしても、両親公認の仲だと認められる事に、顔を赤くした。
「え、あ、あ、あ、ありがとうございます」

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