fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

特異点・悪質隔離腐海魔境・池袋

「エログロナンセンス! そのうちダァァクファァタジィィイイ! さぁ固有結果魔界発動、んんんん! 圧倒的ではないか我が軍は!」

かつて池袋と言われた街は、抑止力の壊死の影響で異界と人界とが交差して一晩で変わり果て、これにより異界ならではの超常日常・超常犯罪が飛び交う「地球上で最も剣呑な緊張地帯」となった街が構築される。この街は深い霧と超常現象により外界と隔離されているとはいえ、一歩間違えば人界は不可逆の混沌に飲み込まれてしまう。

「拝啓、奥、世も末です、人外魔境となった江戸、今では東京と呼ぶらしいのですが、私は、抑止力の最後の希望たる四人の騎士の一人に数えられ、そんな私は、今は囚われの身です、南蛮の方の吸血鬼、しかも少年、お付きの女性二人はなんとふたなりだそうで、私も、自分の身が危なくて心配です、助けて」
和服をした美形の男子がそう手紙に記す。
なんで、私が囚われの姫ポジションなんだよ、せめて、あの女騎士なんじゃねぇの、とか心の中で愚痴る。
(まぁ敵の罠に嵌まった自分の愚鈍さが悪い)

「やぁ、皆の人類最凶の蝙蝠さぁんだよぉおおお、昔ねぇ、デュラララって本見てね、なんか目覚めた、こういう普通から乖離ことそのものに憧れ、非日常に焦がれた、必死だったさ、まぁ、あの事件のせいで親元を離れなくなったし、まぁ、泉井蘭みたいな事できて楽しかったし、でも、鬱憤から、ねじまきカギューの彼の少年時代を見て、同じ事をしたし、結局泣き寝入りするしかなかった、だが今はどうだ、あぁ、僕の二十四時間営業の遊園地、パライゾ、エデン、バビロン、トゥーレ、正しくパラダイス、最初から上京すればよかった? 僕はねぇ、哀れまれてたんだ、虐められて、その反撃を徹底にしただけで、僕は精神がおかしいってなったり、弱い者扱いされたり、庇護される身になったり、保健室登校で内申点がすこぶる悪くなったり、上京なんて、あんな可哀想な僕に、させると思うかい、渋谷で麻薬売りに唆されて買うとか、僕は、ブルースクウェアのNo.3になりたかった人間だよ、普通は逆でしょ、僕は愛なんて、飾りなんだ、友達でさえ、ジャイアントクソババアの一件で友達を見捨てたから、そんなに感情移入出来ない、僕は、本当に、現実を、人生をただただ楽しみたかっただけ、あ、僕は他化自在天・天人になっているから、クラスはもちろんアーチャーでよろ!」
 『黄金仮面』をした道化師は『幻影城』でほくそ笑む、臓物と共に微笑んでいる。
「さぁ、カルデア諸君ゲームを始めよう!」

「この聖杯大戦はこっち側の勝利で終わった、マスターは六体を従えていた、あれほど魔力量が多いとは、まぁ魂蔵とか持ってたから、それを置換したんだろうし、彼は、ルーラーじゃなく、アンチルーラーみたいだね」
ランサーが言う。
吸血鬼のような貴族なるままの気品溢れる格好をした少年だ。
『伯爵』
『幻影城』の城主を勤めている。
「これはまさに『地獄風景』だね」

『何が起きているんだ?』
首無し『ライダー』が街をさ迷う。
道には『石榴』となった人達。
『悪霊』さえ、そこにはいた。
「まさか、『妻に失恋した男』とか言うんじゃないだろうな、『宇宙怪人』かなぁ、それは嫌だなぁ、まぁ『幻影城』って浮遊しているからやっぱり『天空の魔人』かなぁ………」

「エクスカリバーマッディングブラッド!」
血で出来た剣を振るう狂った騎士王。
ヴァーサーカーである、包帯で右目を隠して、全身のあらゆる部分を包帯で隠した。
「奴は何処だ、マーリンを殺した外道は!」

「ーーーーーーーーー」
声にならない悲鳴。
露出度の高い幼女。
実は彼女は『鬼』である。
アサシンである娘だ。
はんなりとした口調。
そんな彼女に目隠し。
両手両足を縛っている。
口にはさるぐつわである。
そしてそんな彼女の足がハンマーで折られた、そんな彼女の耳に蝙蝠のようなキィキィとしたノイズが、彼女の耳に響いたのだ。
「さて問題でぇす! 君はこれからどうなるのですか、ヒント、ここには誰も助けに来ません、男気あるヤンキーは現実には存在しません、皆、クズか、喧嘩馬鹿しかいねぇよ、グレる奴は皆一般的には心から不良品なのさ」

「『人でなしの恋』か」
キャスターの『残虐色情者サディスト』『陰獣』『人間椅子』に座る『影男』である、頭に袋を被らせ、今日も『遊び』に励む、どう足掻いても絶望、地獄があった。
一段落すんで執筆活動に励む、未完成となったあの作品をマスターのために続けた、それは現代風のラノベ調のハーレムものにした。

緑髪のオールバック。
道化師の白塗りメイク。

「マスターの起源は『鏡』だからな、希望を見せればそれを返し、絶望を塗れば狂気に走る、何もされなければ無明となる、啓蒙を与えれば、水を得た魚になる、トップの意向次第で何者でもなり、自己定義を捨てて自我すらあやふやだ、まさに『鏡地獄』だなぁ!」

「この中に怪人二十面相がいる、『猟奇の果』にして、『地獄の道化師』『魔術師』にして、『心理試験』をする、これは『恐ろしき錯誤』だ、『白昼夢』『押し絵と旅する男』何より、『殺人迷路』がここにはある」
個性的なハイカラな服をした探偵。
丸メガネが何より特徴的だったよ。

「元気ないねぇ、何か悪いことでもあったのかい?」
カルデアのマスターを案内する『妖怪博士』が、そんな事を言う、アロハ服に日焼けした肌、逆十字架のネックレスをしたおっさん。
「この街は面白い、息子にも見せてやりたいぜ、僕はキャスターで『作家』だからね、浮き足立ってしまうわけさ、ま、これはひどい、ちゃーんと止めないとな、ヴァンパイアハンターである、カルデアのマスターさん」

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