fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

カオス・サイド

「ひさしぶりだね、弟」 
『焼却の銃』と同じ顔。
だが、髪は白であった。
再興した冬木のホテル。
そのシネマの中の世界での有り様は控えめに言っても、混沌であった。
CIA、モサド、MI6、か。
殺し屋達が狂宴を開いたか。
だから、そこの場所の大衆の認識は何かとんでない事が起こっていた、である。
そんなホテルの禍津冬木版は塔だ。
バビロンの塔を思わせる塔っぷり。
その最上階にて、悪の組織がいた。
そこは、まさしく伏魔殿であった。

蝶をモチーフとした近現代風の衣装を纏ったアラフィフ紳士が、カメレオンの持ち手が特徴的なステッキを地面に撃ち鳴らした。
玉座の隣で、その忠臣は目の前に控える幹部達を見据えた。

能面・爺をつけた車椅子の妖老。
「三成に、急がば回れと伝えたくてな、はよ、終わらせろ、わしは、奴めが心配だ!」

黒を基調としたドレスを纏う絶世の美女。
「そうね、あれはもうイレギュラーよ」

卒塔婆顔半分につけた二本の長鉈を持つ鬼。
「あぁ、あぁ! 猛る、兄上が囁いている!」

野生というより野蛮な和風のベルセルク。
「戦場に行けと命令しろ、蹂躙してやる!」

「落ち着け」

玉座に座った男が言う。
「キャスターの自由をまず許す、行ってこい」
 「はっ」
「引き続きアサシンは、ロウサイドの監視を」
「はっ」
「セイバーは、極夜師団を流血に沈めろ」
「はっ」
「バーサーカーは、彼女の元で機を待て」
「はっ」
「アーチャーは俺の転校先の教師となれ」
「はっ」

「以上だ、弟の方は今はそっとしておけ」

「「「「「はっ」」」」」」

「行きましたなぁ、マスター」
ハイカラな服装の老婆がいる。
「お前の胤を混ぜた終焉の王罪レクイエムの調子はどうだ」
「よいぐぁいだよ!  ヒッヒッヒ!」

誰もいない玉座で、その王は臓物と微笑む。
「さて、と、ここでジョーカーを切ろう……」

「おやおやぁ? 私という悪魔を酷使されるのですか?  生憎と私め、平和主義なのですが」

そう言いながら宿り木で出来た槍を持った。

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