fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

夜更けの啓蒙


「わしの子を産め」

色情盛んに。
否、繁殖癖。
酷い性癖だ。
彼の代でおぞましき血族は増えすぎた。
復活した彼は、再開する。
マカナを持ったヤクザを率いるジャガーマンの女が、家の庭側の襖を開けた、それは、ほとんど、昔の任侠映画か座頭市の有り様だ。

そんな中、目の前の少女、桜と女体化したジャガーマンと、自らの孫に向かって言ったのが、冒頭の言葉だ、血の繁栄に囚われた男。

さて、人間動物園メカニカルアニマルが発動されたが、効果は誰だろうと人間になる、である、畜生道は人間道に、魔道も人間道に、死神の異名を取る処刑人もその異名を無効化させられ、弱体化してしまう。
犬小屋は崩壊して首輪は千切れる。

女は、自らの影を肉体に滑り這い上がらせていく、まるで、滝を昇る鯉のように、やがて、黒いドレスに黒い蝙蝠傘の服装になる、傍目から見れば葬式に出るマダムという感じだ、だがその黒い蝙蝠傘は仕込み杖である。

マカナを持ったヤクザ達が攻撃してくる。
「では行くでありんす」
そう言うて居合いする。
爺さんはと言えば本気。

第三次聖杯戦争で壊れた聖杯の欠片はあまりにも多い、彼の父が、自らの息子に渡した。
その聖杯の欠片をボリボリと噛み砕いた。
素の咬合力も滅茶苦茶だった。

「さぁ、願いを叶えろ、アンリマユよ!」

鼻が整った。
美形になる。
色素の薄い髪。
少し長めの髪。
若返りをした。
「これが天魔人の欲の叶え方だ、仏性など、まだまだ諸行無常が、非常過ぎて目覚めん」

「流石だよ、そんな貴様達を喰らいたい!」
黒い獣達が、庭に降り立った。
「進化論を難なくこなし、人理そのものを、血統に血脈に取り込んだ真人フェイターよ」

「そうだ、そんな者達を倒さねばならない」
白い足袋、高級な和服をした少年が、二丁拳銃をした青年と、家の塀の上に立っていた。

「兄を止めないといけないんでね」

『焼却の銃』英霊サーヴァントとなり、抑止力と契約し、霊長の守護者になった彼が、女体化している兄と対面し殺意を煮やした。

「やっぴー、久しぶりに弟に会えてマンモスうれぴー、さぁ、楽しい殺し愛しましょ?」

抜かれた刃の血を舌で舐め回しながら言われた、その殺人鬼に返り咲いたマダムは失禁。

「らめぇ、もう我慢できないよぉ、殺ろ?」

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