fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

黎明の燻り


 第三次聖杯戦争終了後の残響。

マスターは各々の家に帰って、今回の話に楔を刺したり、戒めの釘を設けたりするのだ。

その中で。
冬木の端。

街道の奥。

「静かだな、物思いに耽るにはいい頃だ…」
「何も与えないよ、聖杯は壊れたが、お前は、受肉して、『中身』はこうして『崩落の勾玉』となった、略して『崩玉』であるな」
「あぁ、それが、欲しい」

「そうだな、私も欲しい」

柳の王ブーネ

ソ連軍の白い軍服。

「もう一度言う、それをくれないかい?」
老婆、魔女のようだが襤褸の和服を着ている、何より狡猾そうで反骨の相をしている。

「だが断る」

『二頭狐』は断言した。

「何ィ!」

「不才が一番好きなのは、自分の方が優位だと思っているやつにNO!」と言う事だ!」
「状況を分かっているのか?」

二人はソ連軍に包囲されている。

「ここには、裏切り者が多いな」

「「「「「「「は?」」」」」」

ソ連軍が、互いを攻撃し始めた。
日本軍が紛れている、というより『二頭狐』の私兵は戦国時代よりの傭兵『根来衆』だ。
集団幻覚を即座に引き起こした。
「…もう既に、幻は滅ぼせない」
「幻滅、というのは失望の意味もあるらしいが、お前にならば喝采を送ろうか! 狐ェ!」
「いらない」
「いいのか? 俺は部下の裏切りなど認めない、だからお前の暗示、否、洗脳は効かぬ」

「そうかい」

「死ねィ!」

ファイヤスターター。
発火能力。 
そのソ連兵のリーダーはその超能力を使える、それだけではなくESPならば大半を酷使できる、サイキッカーとしては最高峰だ。

『二頭狐』は青い宝石を投げる。
砕けると湿気が辺りに満ちてしまう。
「さて、これで、もう、使用不可能だ、では、聖杯戦争が終わったから、全力が出せるか、これは魔術師同士でも、敵国同士でもない、これは、影歴史ドゥームだから、誰も知らない闘争だ、夜は明けるが昼は暗いぞ」

「無明か?」

「確か仏教徒だったのだな、ドラゴンゾンビ、お前にしては、その選択は間違えではない、間違いならば部下には賛辞を送るべきだった、そういう所から禍根は芽生えるぞ?」

「かはっ」

アゾット剣。
魔術儀式用の剣。
だが多数の生贄。
ただの、大殺戮。
その果ての謀反。
直死の魔眼さえも持つ彼は、主を裏切った、それは、本能寺の変で、織田信長が、明智光秀に謀反されたのに酷く疑似していたのだ。

「その魂、貰い受ける、我々天魔人に食らわれてしまえ、元々、お前は天魔の如き欲望。深さをもっていた、あぁ、お前もだ、少年、お前には名前をやろう、どうせ欲しかっただろうに、喜べ、少年、君の願いは漸く叶う」


「fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く