fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

第一話カルマ、そして破滅への序章

「―――ふと目が覚めた」

応接間で寝るとは疲れていたようだ。
それも弟子を見送り終えた後にこんな場所で、眠るとは、悪夢に苛まれていた、弟子に裏切られ、アゾット剣で背後から刺される。
「……正夢にならなければよいがはっ」
しかし、その不安はなんと的中する。
人生で二度目となるアゾっとされる。
しかも、倒れた後に執拗に、死体撃ちよりも、死体を作るためだけに、死体になった後も死んだ事が分からないというように、アゾられ続けた、殺人者、素人の殺人者は、殺し過ぎる傾向がある、無駄に刺し、殺し続けるのは、どれくらいで死ぬか分からないか、それか、殺しても、腹の虫が収まらないのか。

過度に殺す。
異常に殺す。

犯人は慢心をした。
「私こそが神だ!」
そこに霊体化を解除させたギルガメッシュがその道化っぷりを称賛し拍手を浴びせた。
「北欧神話には道化の神ロキ、と言うのがいるそうだな、お前がまさにそれだな、神よ」
「道化だと? あぁこの劇場において、私は狂言回しだ、不都合も不合理も希望も絶望も私次第! さぁ英雄王契約をしようじゃないか」
犯人は遠阪時臣の令呪を奪っていた。
無理矢理に強引に、何より聖杯戦争に参加し、この聖杯戦争の物語そのものの要を凌辱し、冒涜し、汚して、穢して、没落させるのが、何よりの彼という嫉妬の塊の目的だ。
ギルガメッシュは王として迎えた、それはあくまで宮廷道化師を迎える気持ちであった。

「良かろう、お前の狂乱さが世界をどう蝕んでいくのか、この調子だと運営は汚染されておるな、ふむ、まぁよい、戯れと行こうか」

遠阪邸はその部屋を除いた住居の有り様は、西洋の城だ、まるで、ルートヴィヒ二世が、狂いながら執念した、あの幻の城のように。

そして、臓物が微笑む、という例え話は、歪を極め、悪魔は脳に潜むのではなく腹黒き、その欲望の賜物に住み着くのだ、腹の虫の蠅の王、天に登り奪いたいと計略する存在だ。

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