異世界の復讐者

2話

龍神祭

秋斗が住む斉口市の中心にある龍巻神社で行われるお祭り。

「ピロリン♪」
「18時斉口公園噴水広場集合ね!」
秋斗のスマホに里香からメッセージが届く。
「了解!」
短文で返事を返す秋斗は集合時間まで部屋で時間を潰していた。

「マスターAI集積データの整理が終わりました他に命令はありますでしょうか?」

「うーん、コーヒーでも淹れてくれ」
「了解しました」
秋斗が自ら作成した執事ロボット秋丸君8号改は自らのAI知能データや世界中のデータをダウンロードし日々性能が上がっているだけあって、料理から洗濯など家事に渡る主婦業務から秋斗の実験データ整理など幅広く能力を発揮していた。

「コーヒーお持ちいたしました」
「うん。旨い」

ネット経由で美味しいコーヒーの作り方をダウンロードし完璧に再現する無駄にハイスペックな秋丸君8号改

「今日は出掛けて来るから家の事頼むな!母さんの手伝いでもしといてくれ。」

「了解しました。警戒モードに変更しまか?。」
(警戒!?あー家の事頼むって言ったからか?まぁいいか試しに使ってみるか)
「じゃよろしく!」
「警戒モード変更します」
(そろそろ向かうとするか)部屋で時間を潰していた秋斗は待ち合わせの時間がちかずいてきた為部屋を出る事にした。

リビングに降りてきた秋斗は妹悠里がいない事を母エリスに尋ねる
「あれ?悠里は?」
「自分の部屋でりーちゃんと遊んでるわよ」
秋斗は悠里から頼まれたりーちゃん事、犬型ロボットを頼まれたその日にすぐ修理して直していた。
「あら秋斗出掛けるの?」
母のエリスが聞いてきた。
「あぁ。里香達と祭に行ってくる。」
「ふ~んデートかぁ~頑張りなさいよ!」
「デ、デートじゃねーし、他に紫藤さんて子もいるし二人きりじゃないからな!」

「あら♪二人も彼女がいるなんて秋斗あなた意外とやるわね!」
「違がっ」
「お!秋斗二股か?羨ましいな!」
と秋斗が否定をする前にリビングにいた父が会話に混ざってきた。
「「あっ」」
そんな父の一言でリビングの温度は真夏の8月だというのに極寒の南極のように冷たい空気が流れた。
「秋次さん」
「はいぃ!」
いつもは父を「あなた」や「パパ」などと呼ぶ母エリス。秋斗がひくくらい甘ったるい両親だが母は父に怒ると名前呼びになる。
「じゃ!いってきます!!」
「ま、まて秋斗!父を見捨て..グフォ」
秋斗は心のなかで(ご無事で父上!)と思いながら待ち合わせの場所へむかった。
時刻は17時45分待ち合わせの15分前に待ち合わせの噴水広場に着いた秋斗は二人を探していると一人の女の子にしつこくナンパをする二人組の男達を発見した。

「なぁ?いいだろ?俺たちと遊びに行こうぜ!」
「カラオケにする?ボーリング?なんなら近くに個室の居酒屋あるし奢るからさぁ」
男達二人に絡まれて困った用な顔で俯いている紫藤がその場にはいた。
「すいません。今から友達と祭に行く約束があるので」
「祭?あぁ龍神祭かぁ!友達って女の子?ならその子も一緒に遊べばいいじゃん」
「男ですけど」
二人の男達の後ろから声をがかかる。
「柊君!」
秋斗にきずいた紫藤は秋斗のそばに逃げるように駆け足で近寄る。
「はーん?こいつとデート?なぁこんな奴より俺達の方が絶対楽しいって!」
「デートじゃありません!」
顔を真っ赤にした紫藤が慌てて答える
(そんなに否定しなくても..)と心に棘がグサリと刺さった秋斗だったが男達二人から紫藤を庇うかの用に紫藤の前にでた。
「紫藤さんはこれから僕と「デート」ですのでそちらは男二人で「デート」をお楽しみ下さい。」
「デート」を強調して男達に言った
「なっ!くっこのガキなめんてんのか?」
「半殺しにしてやる!」
男達二人が秋斗に殴りかかるが秋斗はそんな二人の攻撃を簡単にかわす。子供のころから活発的な?母親や蹴りで人を殺せる幼なじみの攻撃を受けてきた秋斗には素人の一人や二人の攻撃をかわす事など問題なかった
「なに!?」
秋斗に攻撃が全く当たらない男達は焦ったように驚く。
「楽しそうだな私も混ぜてくれ」
すると少し離れた場所から興奮した声で
意気揚々と歩いてくる秋斗いわく霊長類最強の女子高生の姿があった。

「里香ちゃん!」
里香到着後一瞬で屍となった男達を放置し紫藤が里香に声をかける。
「ごめん、ごめん!少し遅れてしまった由衣怪我はない?」
「うん。柊君が庇ってくれたから」
里香の言葉に返事をしながら、先ほど秋斗が言った「デート」の単語が頭から離れず顔の赤い紫藤をみた里香は秋斗に視線を移す。

「どうせならかわすだけじゃなくぶっ倒せばいいのに」
汗一つかかず二人の男達の攻撃をかわした秋斗に里香が少し拗ねたような感じで言う

「俺は人間やめてないからな」

一瞬蹴りが飛んでくと思った秋斗だったが放つ直前に蹴りを止めた里香の姿があった。
普段は制服のスカートの下にはスパッツを履いているし、私服もズボンがほとんどの為問答無用に飛んでくる殺人的な蹴り技だが今日は珍しく赤いスカートを履いていた為祭初っぱなから瀕死ならずにすんだ秋斗だった。

そんな里香を珍しそうにみていた秋斗に
「なにじーとみてるのよ!なんか言いなさいよ」
「いや、いつもと違って綺麗というか..カワイイと言うか..」
「カワィィっ!ばばばっかっ!それより早く祭にいくわよ!」
一瞬で顔がゆでダコになる里香だったがなんとか心を落ち着け祭へと向かう事を促した。

「みてみてあっちに金魚すくいが!あっちにはりんご飴が売ってるよ!!」
初めてきた祭に普段クラスでみたことの無い紫藤のテンションに秋斗はビックリする。
「ちょっと落ち着きなさいはぐれるわよ。」
初めての祭で落ち着かない由衣を里香が落ち着かせる。

屋台などを楽しんだ三人はメインイベントの花火をみる為花火会場近くまでやってきた。
「ポツポツ」
「雨!?一度あそこのコンビニにはいろう!

秋斗の一言に二人は頷くと三人ともコンビニに雨宿りで入った。
天気予報では晴れだったが雨が降りだし雨はだんだん強くなり雷も鳴り出した。すると花火の実行委員会からアナウンスがながれだした。
「龍神花火大会ですが雨、雷のため安全第一を考えて中止になりました。」
「「えー」」といろんな方向から聞こえきた

秋斗達三人も仕方なく帰る事にした。
「父さんに迎えこれるか聞いてみるよ」
秋斗は二人そう言うとポケットからスマホを取りだし自宅へ電話をかける。
「プルループルルー」
自宅にいるはずの家族が何度鳴って誰もでない事に疑問を持つが諦めてコンビニでビニール傘を購入し帰る事にした。
紫藤も里香も秋斗の家の近くまでは帰り道に通る為一度秋斗の家に寄ることになった。
「おかしいなぁスマホに掛けても両方ともでないなぁ」
「うーん、スマホ忘れて出掛けてるとかじゃない?」
秋斗の疑問に里香が答える。
「二人とも忘れるかぁ?..あっ!」
秋斗は秋丸君8号改の遠隔操作機能を思い出した。スマホで秋丸君8号改に連絡をする。

「マイマスター要件はなんでしょう?」
「父さんか母さんは家にいるかい?」
紫藤と里香は秋斗がいったい誰としゃべっているのだろうと疑問に思っていたが尋ねる事なく歩いていた。

「お父様もお母様も御在宅であります」
「いるのか!ならこのままどちらかにを繋げてくれ」
秋斗はなぜ家にいるのに電話取らないのかと思ったが秋丸君8号改の通話機能を利用して両親に繋げる用に命令した。

「その命令は不可能です。」
「不可能!?在宅なのになんで不可能なんだ?」
秋斗は両親の両方とも家にいるのに通話を繋げる事が出来ない理由がわからなかった為不可能の理由を尋ねた                               
「お父様もお母様も生体反応が無い為通話をお繋げする事が出来ません」

秋斗は返ってきた返事に一瞬頭がフリーズした。そんな秋斗の顔をみた里香が秋斗に声をかけた。
「秋斗大丈夫?どうしたの?」
秋斗は里香の言葉に返事を返さず購入したばかりのビニール傘をポロッと落とし走り出した。突然走り出した秋斗を紫藤と里香の二人は追いかけた。
家に着いた秋斗は玄関のドアを勢いよく開けた。秋斗はそのまま膝から崩れ落ちる。
秋斗を追いかけた二人も秋斗の家に着いた。勢いよく開けたドアは開けっ放しになっていた為家着いた二人にも秋斗と同じ光景が広がった。
「キャーー」
二人の女の子の叫び声が同時に辺りに響く

玄関の前には血の海が出来ており秋斗の幼い妹を庇うかのように母親エリスが覆い被さっていた。
叫び声を聞いた隣人が駆けつけ通報した事で救急車、パトカーが駆けつけつけた。

[無理心中]
警察の見解は父秋次が母エリス娘悠里を殺し
首を吊って自殺
凶器の包丁には秋次の指紋が残っていた。
「秋斗が父さんが家族を殺すわけない!」といくら言っても証拠によって事件は解決となり捜査は終わる

事件から約1ヶ月が過ぎた

秋斗は秋斗の住む斉口市から車で30分ほどの田んぼ畑が広がる父秋次の実家にお世話になっていた。
秋次の母の秋斗の婆さんはすでに他界し秋次の父の秋斗にとっては爺さんと二人で住んでいた。
「ダメじゃ!エリスさんの情報は役所も全くわからないそうじゃ」

両親と妹の葬式をあげる為、母エリスの親戚に連絡を取ろうとしたが全く連絡先がわからず、いろいろ調べたが結局母エリスの親戚には連絡がつかなかった為葬式は父秋次の親類のみの身内のみで行った。
秋斗はこのまま爺さんの家で暮らすか両親と妹と一緒に住んでいた自宅で暮らすか決める事になった。どちらにせよ一度自宅に帰る事になった秋斗は1ヶ月ぶりに自宅に帰ってきた。
事件から約1ヶ月秋斗は毎日事件の事を考えていた。少し抜けているが優しいかった父がなぜ母と妹を殺したんだろか?なぜ自分は殺されず生きているのかと..

「秋斗大丈夫か?」
「うん。」
ガチャリと爺さんが秋斗を心配しながら1ヶ月ぶりに柊家のドアをゆっくりと開けた。
玄関に入った秋斗だったがすぐ外の庭に走り出す
「おうぇっ」
「秋斗!?」

警察が血だまりなどは拭いていった為血だまりはないが赤茶色く染みた血痕があの日みて感じた匂いや光景が秋斗を襲う。
「秋斗、車に戻ってなさい。服などは爺さんが持ってきてやるわい」
「大丈夫」
嘔吐した秋斗を心配する爺さんは秋斗に車に戻るように言うが秋斗は大丈夫と言い再度家にはいる。また匂いや光景がよみがえるが必死に耐える。
秋斗はそのまま自分の部屋にむかった。

「お帰りなさいませマイマスター保存記録が1件あります。」

部屋には秋斗が制作した執事ロボット秋丸君8号改がいた。
(そっか自動充電だし起動したままだったな..んっ?保存記録?あっ警戒モードに変更したんだっけ?)
「あー!」秋斗はつい大きな声を出してしまう。
「秋斗!!なんじゃ!大丈夫か?」
リビングで荷物整理をしていた爺さんが声にびっくりして秋斗の部屋までくる
「わっ!これはなんじゃ!?」
「ごめん、ごめん、大丈夫なんでもないよ。これは俺が作成した執事ロボット秋丸君8号改」
執事ロボットをみた爺さんはびっくりして秋斗に尋ねるが秋斗は問題ないと執事ロボットの説明を始める。
「秋次から息子が変な物を作ってると聞いていたがまさかロボットとは..」
爺さんはぶつぶつ「わしの孫は天才じゃ」と呟きながらリビングへ戻っていった。

爺さんが戻ると秋斗は一気に殺気のこもったように豹変していた。

「ふぅ。保存記録表示しろ」
一度息を吐き執事ロボットに命令する
「了解しました。保存記録表示します。」
執事ロボットの胸の辺りにあるディスプレイに動画が流れ出した。

「エリスごめんって許してくれよ!俺はエリス一筋だよ!」
「しょうがないなぁー今回は許してやろう!」
ディスプレイにはあの日秋斗かが出掛けた後の動画が保存されていた。
秋丸君8号改には警戒モード中は常時録画し何か大きな音があるとその音の前後1時間を保存する機能があった。

「ママお腹すいたー」
「はいはい。ご飯にしましょうね」

秋斗は涙を流しながらあの日の動画をみる。

一人足りない三人の食事風景だか家族和気あいあいと会話をしながら夕食を食べていた。

「ママ!アンデッタおかわり」
「パパも!やっぱりママのアンデッタは最高だよ!」

アンデッタとは母エリスの得意料理でエリスの生まれた場所の郷土料理らしい。秋斗の大好物でもあった。

「ふふふ。はいはい今新しいの作りますから待っててね。」
「いや新しいのは作らないでいいですよ?二度と作れませんので!」
「誰れ!?」
先ほどからの幸せな一家の夕食が突然の乱入者により一変する
突然の乱入者に思わずエリスからでた言葉に
乱入者が答える。
「はじめましてエリス・ウォーカー様わたくしマルク・ローガンと申します。マルクとお呼びください。以後お見知りお気にはならないで結構ですここであなたの命を頂きますので!」
「ローガン!」
乱入者は自分をマルク・ローガンと名乗りエリスの命を頂く..殺すと伝えそんなマルク・ローガンの名前の「ローガン」に反応するエリスだったがマルクがエリスに近ずくと秋次が叫びながら突進してきた。
「させるかぁぁぁ」
「パラサイト」
マルクが一言叫ぶ。すると父の体が不自然に止まる。
「魔法!なぜ!?この世界では魔法は使えないはずよ!」
秋斗は母エリスの叫びに困惑していた。
(父さんがなぜ止まる!?母さんはなにを言ってるんだ!?魔法?この世界?)
秋斗が困惑するも動画は進む。

「あなたがエルディアからこの世界に転移して約20年近くたちますか?20年で魔法もいろいろ進歩しましてね。この石は魔素を貯める事が出来るんですなので魔素の無いこの世界でもこの石を使えばこのとうり魔法が使えるのです。さらにウォーカー家独自の転移魔法もいまでは制限はありますが私達ローガンでも使えるのです」

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