転生したのにこれですか?

そーら

終わりで始まり

痛い...
ぼやけて見えるその右手は、どす黒い赤に包まれていた。
「あぁ..刺されたんだっけ...」
声にならない声で、俺は言った。
思い返せば、母と喧嘩になっていたんだっけ...


目が覚めるとそこは、何も無い空間が広がっていた。
「やっぱり死んだか」
幸い特に楽しい事も無かったし、いつかはこうなると覚悟を決めていたから、あまり動揺はしなかった。
いや、今はそれよりここは一体
「これが、アニメで見ていた転生か...?」
と、なれば美少女女神がいるはず
なんて思っていたがそこには、やはり何も無い。
「ピコッ」
安っぽい音と同時に、近未来的な半透明な画面が出てきた。
その画面には、俺の名前市川 十夜の文字と
転生ガイドと書いてあった。
「ついに天界(?)もデジタル化したのか...」
俺はどう反応すればいいか苦笑いをした。
「ピコッ」
さっきの音と共に、選択肢が表示された。

転生先
→異世界
→現実世界

「こんなの決まってるだろ」
俺は、悩むまもなく異世界を押した。

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