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正反対の僕と彼女~2人の関係の行方~

梅谷シウア

#2 5.海水浴~僕らの夏休み1~その3

皆とは別行動している晴人と泉の傍に、軽い恰好をした男たちがやってきて、泉に声を掛ける。
「そこの嬢ちゃん、俺たちと一緒に遊ばない?」
「えっ、私ですか?」
 晴人は気にせず進もうとするが、泉が立ち止まりそう訪ねてしまう。
「そうそう、そこの君だよ。俺らと一緒に遊ばない?」
「そんなのほっといてさ。きっと楽しいよ」
 晴人を指さし、もう1人の軽そうな男もそういう。すると何を思ったのか、泉は晴人を強引に腕を引く。
「そんなのとか言わないでください、私の彼氏に」
 晴人はその言葉を聞いて、目の前にいた軽そうな男たちを3秒、泉を4秒、空中を2秒ほど眺めてからようやくふと意識が戻る。その間まさに9秒間。
「えっ、と。うちの彼女に用ですか? 他に用がないなら知り合い待たせてるんで失礼しますよ」
 晴人は呆然としている軽そうな男たちにそう言い放つと、捕まってる泉の手を掴んでその場から逃げ出す。
 掴んでいた泉の手からは、確かな恐怖が感じ取られた。
「ここまで来ればさすがに追ってはこないかな。大丈夫、泉さん?」
「あっ、うん。ありがと、晴人」
「まあ、うん。これからはああいうのは無視した方がいいよ。泉さん可愛いんだし、その水着も似合ってるし」
「そっか、うん。それならよかった」
 泉は照れたように頬を赤らめ、陣取ってある所へと駆けていく。
 晴人は、俺じゃなかったら勘違いしてたな、と呟いてから後ろを1歩遅れてついていく。
 それから、数時間ほど経って日も傾いてくる頃、晴人たちは後片付けを終えて旅館に向かっていた。
「そういえば、なんで泊まりなの、ゆいねえ?」
「ふっふっふっ、よく聞いてくれたね、はるくん。いやー、聞いてくれなかったらどうしようかと思ったよ」
「ん、どうしたんですか? 泊りの話ですか? 私も気になる」
 晴人との会話に割って入って来た泉も含め、結華は話をする代わりに旅館のロビーから持ってきた紙を見せつける。
「夏祭り? 今日だね、このため?」
「この旅館、浴衣借りられるみたいだし行ってみない?」
「おお、さすが凛ちゃん分かってる~」
 泉と結華はイェーイと言いながら、少し疲れ気味の習志野を連れてロビーに浴衣を借りに行く。
 晴人は前を行く、仁の肩をたたくと、良かったじゃないか、と言い浴衣を受け取ってはしゃぐ3人の方を指さす。
「いやー、今日はいいことづくめ過ぎるな」
「水着に浴衣かぁ。確かに絵にかいたような高校生の夏休みだよね」
 晴人は日中にあったナンパの事を思い出して、苦笑いを浮かべてから部屋で手早く着替える。
「女子を待つのって悪い気はしないよな」
「まあ、そうだね。浴衣とか新鮮だし気になるよな」
 浴衣を借りていない晴人と仁は、早々に着替えが済んでしまいロビーで土産物を物色しながら女性陣の着替えを待っていた。
 かれこれ20分ほど経過したであろうか、ようやく着替えを終えた3人がやって来た。

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