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正反対の僕と彼女~2人の関係の行方~

梅谷シウア

#1 17.球技大会~彼女は球技も得意なようで~その2

1年3組は1日目全勝という快挙を上げた。晴人の活躍もあって、寄せ集めチームも3日目の決勝トーナメントに出るためにはりきっていた。
「今日も1日みんな頑張るよ」
『『『おぉ』』』
 1年3組の面々は円陣を組み、気合を入れた。そこへ、球技大会2日目の開始を知らせる放送が入る。
「晴人も頑張ろうね」
「泉さんか。まあ、頑張るよ」
 晴人は、教室を出ると集合時間までの暇つぶしがてら色々なところを見て回っていた。卓球にバレー、テニスにドッジボール、晴人は体育館から校庭まであちこちで行われているを見ていた。
「あなたほんとに暇そうね」
「習志野さんだって、僕に話しかけてくるくらいには暇だよね」
 校庭の片隅で時間をつぶしていた晴人に、話しかけてきたのは習志野だった。
「私は特にすることもないから適当に歩いてただけよ。あなたこそどうしてこんなところにいるの?」
「僕は試合が始まるまでの暇つぶし」
 晴人と習志野が、話していたところにどこからかサッカーボールが飛んでくる。それも、2人の間ではなく習志野めがけて飛んできていた。
「習志野さん危ない」
「何かしら? って押さないでよ」
 晴人は習志野を押しのけ、飛んでくるボールから庇おうとする。そしてそのボールは見事な放物線を描きながら、まるで吸い込まれるように晴人の頭に当たる。
「ちょっ、あんた大丈夫?」
 晴人は、勢いよく飛んできたボールが当たり、晴人の意識はそこで途切れた。
「すいません。って人、倒れてる」
「こういう時はまず、教師でも呼ぶんじゃないか」
 それから間もなく教師が来て晴人は保健室に連れていかれた。

 *****

「あれ、ここは?ってか頭痛っ。冷たいし」
 晴人が目を覚ましたのは、昼休みの保健室だった。
「ようやく目を覚ましたかい」
「ここって? それに今っていつですか?」
「まず真っ先に聞くことがそれってことは、記憶はあるみたいだね」
「ええ、確か飛んできたボールから習志野さんをかばって」
「特になんともないみたいで安心したよ。とはいえ、何かあったら医者に行くこと。これ証明書よ」
「ありがとうございます」
 晴人はまだ痛む頭を冷やしながら、もう一度眠りにつくことにした。
「ありゃ、ちょうどさっきまで起きてたんだけどね」
「そうなんですか? 午後は試合もないですし、ついてたいんですけど大丈夫ですか?」
「いいんじゃないかな? まあ彼の場合、気にするなとか言いそうだけどね」
「私をかばって、した怪我なのは事実ですから」
 晴人はそれからしばらく寝たが、空腹で目を覚ます。
「あら、随分と早めな起床で。もう怪我の方は大丈夫なの?」
「ん……習志野さんか。わざわざ来てくれたの? ありがとね。怪我の方もそこまで痛くもないし大丈夫だと思うよ」
「そう。それならよかった。私をかばってした怪我だったから心配だったのよ」
「気にしないでもよかったのに」
「そうはいかないわよ。ありがとね」
「えっと、どういたしまして?」
 このやり取りに気恥ずかしくなった習志野は、ご飯買ってくるわと言い、保健室を後にした。
 保健室の担当医は、球技大会の見回りに行ってしまったため晴人は退屈そうに窓の外を眺める。すると
「晴人? 無事だったんだね。よかったー」
「泉さん。ごめん、約束守れなくて。応援行きたかったんだけどね」
「そんなことは今はいいの。倒れたって聞いて、ほんとに心配したんだからね」
「そりゃ、心配をおかけしました」
「とりあえず、記憶もはっきりしてるみたいだしよかったよ」
 廊下からバタバタと走る音が迫ってくる。正体はもちろん結華の足音だ。
「はるくーん」
 保健室に入るや、否や、ジャンプをし見事に晴人抱き着く。
「ちょっ、姉さん」
「はるくんが無事でよかったよ。うぅ、よかった」
「心配させてごめん。もう大丈夫だから」
 晴人はいきなり飛びついてきて、撫でまわしてくる結華を適当にあしらった。

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