正反対の僕と彼女~2人の関係の行方~
#1 15.教育実習生~彼女はしっかり考えていて~その3
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、晴人は屋上を後にする。教室に戻り席に着くと、泉が話しかけてくる。
「どこ行ってたの? 探したんだけど」
「屋上で昼ごはん食べてたよ。なんか用でもあったの?」
「高瀬先生の教育実習も、もうすぐ終わりじゃん」
高瀬先生の教育実習は、来週の火曜日で終了する予定だ。そのことを思い出した晴人は、そういえばそうだねと返す。
「だからさ、メッセージカードとかプレゼント用意してあげたいじゃん」
「メッセージカードを書けってこと?」
まあそういう事と言いながら、泉は晴人に色とりどりの小さな画用紙の中から黄色の画用紙を晴人に渡す。泉が晴人に画用紙を渡すと同時に、教師が入ってきて5限の授業が始まる。晴人は授業中に集中して覚えるタイプの人間なので、授業中は黙々とノートを纏める。メッセージカードに書くことを考えてるようなそぶりも見せない晴人に、泉はちょっかいを出すが晴人の集中力は凄まじく一切気に掛けない。クラスの半数以上が寝ていた5時間目が終わると泉は晴人に文句を言う。
「なんでさっきの授業中に書いてくれないの? 次の授業中に完成させたいのに」
「ごめん、今から書くよ」
晴人は詰まる事無く、さらさらとメッセージカードを書き上げる。
「これでいいかな?」
「適当に書いたりしてないよね?」
泉は書かれたメッセージに目を通すと、うん、問題ないよと言ってカードをアルバムのようなものに挟む。その中には、いつ撮ったのか分からない沢山の写真やアルバム用の飾り、クラス全員分のものと思われるメッセージカードが挟まっていた。
「それ全部、泉さんが考えて用意したの?」
「まあ友達の助けも借りながらだけどね」
晴人は、関心しながら飾りや写真を眺める。
こういう事に気をまわして準備できるのも、みんなから好かれてる理由なんだろうなぁ。
6限の授業は数学だった。眠くなる授業をすることで有名な数学教師の授業は、金曜の6限という事もあって壊滅状態だった。生徒の半数ほどは5限に続き意識を手放し、残る生徒のうち真面目に授業を受けてるのは極一部だった。
授業にならない6限が終わると、晴人は久々に読書同好会に顔を出す。
「あら、珍しく来たのね」
「文化祭の出し物について話しがしたいって、呼びつけられたんですけど」
そうだったわねと言うと、いくつかの案をまとめた紙を晴人に渡す。晴人は渡された紙に軽く目を通す。
「これ、作品レビュー1択じゃないですか。ほかは人数的な問題と予算的な問題で駄目ですよ」
文化祭での出し物についてある程度決めると、晴人は家に戻った。
*****
週が終わると、あっという間に時間は過ぎる。そして高瀬先生の教育実習が終わる火曜日の帰りのHRになる。
「えっと、高瀬先生お疲れさまでした」
担任に交渉して時間を作ってもらっていた泉は、用意していたアルバムと花束を渡す。
「えっ、えっ? 私に?」
状況がいまいち把握できずに、高瀬先生はうろたえる。
「そうですよ。クラスのみんなからですよ」
えっ、と戸惑い、ついには高瀬先生が泣き出す。
「すごい、嬉しいです。みんな、ありがとね」
涙声で返事をしてその場は1回解散になったが、HR後もしばらくは高瀬先生と女子生徒たちは話し込んでいた。晴人もお疲れさまでした、ありがとうございます。とだけ伝えて帰った。
「どこ行ってたの? 探したんだけど」
「屋上で昼ごはん食べてたよ。なんか用でもあったの?」
「高瀬先生の教育実習も、もうすぐ終わりじゃん」
高瀬先生の教育実習は、来週の火曜日で終了する予定だ。そのことを思い出した晴人は、そういえばそうだねと返す。
「だからさ、メッセージカードとかプレゼント用意してあげたいじゃん」
「メッセージカードを書けってこと?」
まあそういう事と言いながら、泉は晴人に色とりどりの小さな画用紙の中から黄色の画用紙を晴人に渡す。泉が晴人に画用紙を渡すと同時に、教師が入ってきて5限の授業が始まる。晴人は授業中に集中して覚えるタイプの人間なので、授業中は黙々とノートを纏める。メッセージカードに書くことを考えてるようなそぶりも見せない晴人に、泉はちょっかいを出すが晴人の集中力は凄まじく一切気に掛けない。クラスの半数以上が寝ていた5時間目が終わると泉は晴人に文句を言う。
「なんでさっきの授業中に書いてくれないの? 次の授業中に完成させたいのに」
「ごめん、今から書くよ」
晴人は詰まる事無く、さらさらとメッセージカードを書き上げる。
「これでいいかな?」
「適当に書いたりしてないよね?」
泉は書かれたメッセージに目を通すと、うん、問題ないよと言ってカードをアルバムのようなものに挟む。その中には、いつ撮ったのか分からない沢山の写真やアルバム用の飾り、クラス全員分のものと思われるメッセージカードが挟まっていた。
「それ全部、泉さんが考えて用意したの?」
「まあ友達の助けも借りながらだけどね」
晴人は、関心しながら飾りや写真を眺める。
こういう事に気をまわして準備できるのも、みんなから好かれてる理由なんだろうなぁ。
6限の授業は数学だった。眠くなる授業をすることで有名な数学教師の授業は、金曜の6限という事もあって壊滅状態だった。生徒の半数ほどは5限に続き意識を手放し、残る生徒のうち真面目に授業を受けてるのは極一部だった。
授業にならない6限が終わると、晴人は久々に読書同好会に顔を出す。
「あら、珍しく来たのね」
「文化祭の出し物について話しがしたいって、呼びつけられたんですけど」
そうだったわねと言うと、いくつかの案をまとめた紙を晴人に渡す。晴人は渡された紙に軽く目を通す。
「これ、作品レビュー1択じゃないですか。ほかは人数的な問題と予算的な問題で駄目ですよ」
文化祭での出し物についてある程度決めると、晴人は家に戻った。
*****
週が終わると、あっという間に時間は過ぎる。そして高瀬先生の教育実習が終わる火曜日の帰りのHRになる。
「えっと、高瀬先生お疲れさまでした」
担任に交渉して時間を作ってもらっていた泉は、用意していたアルバムと花束を渡す。
「えっ、えっ? 私に?」
状況がいまいち把握できずに、高瀬先生はうろたえる。
「そうですよ。クラスのみんなからですよ」
えっ、と戸惑い、ついには高瀬先生が泣き出す。
「すごい、嬉しいです。みんな、ありがとね」
涙声で返事をしてその場は1回解散になったが、HR後もしばらくは高瀬先生と女子生徒たちは話し込んでいた。晴人もお疲れさまでした、ありがとうございます。とだけ伝えて帰った。
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