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正反対の僕と彼女~2人の関係の行方~

梅谷シウア

page1 term 1~となりの君は~1/2

私はもう高校生になるんだ。中学の頃とは違ってうまくできるといいな。
 布団に入るとその少女は、目を閉じ睡魔に身を任せる。

 *****

 私、いずみりんは、今日から高校生だ。少し早めに家を出ると、まだ家の前の通りは車通りも少なく、新鮮な気がする空気を吸い込む。そして、駅までの道をのんびりと桜を眺めながら歩く。
 学校に着いたのは8時前、多くの生徒はもうやってきていた。
「ふぅ、ぎりぎりセーフか。危なかったぁ」
 それから数十分、チャイムが鳴るほんの数分前、隣の席だと思われる彼は、息を切らせて教室に入って来た。
「本当にギリギリだね。登校初日くらい早く来た方が良いと思うなぁ」
 泉は思い切って彼に声を掛けてみる。すると彼は話しかけられたことに驚きながらも返事をする。
「ところでなんで、晴人はこんな時間に来たの? 普通は、初登校の日くらい早く来るんじゃないの?」
 その彼、鎌ヶ谷かまがや晴人はるとは、遅刻しかけた理由を言うことを渋っていた様子だったがようやく話し始める。
「いや、僕も早く来ようと思って少し早めに家を出たんだけどね。通勤ラッシュに時間が重なって駅で降り損ねて、3個程先の駅までいって戻って来る羽目になったからね」
「ふふっ、はははっ、何それ超傑作。しっかりしなよー」
 晴人の話を聞いて笑っている頃にはすっかり緊張も解けていた。その後の自己紹介では緊張もなく、高校生活のスタートをしっかりはじめられた。
 それから、幾週か経って4月も終盤。最初の大きな行事である、1泊2日のキャンプが始まろうとしていた。事故があったりして迂回をしたため到着が遅れるなどあったが、無事開始された。
 私は、野菜を切りながら日の準備をしている晴人に声を掛ける。
「大変そうだけど大丈夫? 私も早めに野菜切って手伝うよ」
「そっか、ありがと」
 私は普段よりも急ぎめで、野菜とお肉を食べやすいように切る。それから、晴人のために冷たい飲み物を自動販売機で買ってくる。そして、ひっそり晴人に近づいてそっと首に買ってきた飲み物をあてる。
「ヒャッ! なっ、なに?」
 恐る恐る振り返る晴人を見て、泉は大成功と言わんばかりの笑みを浮かべた。
「お疲れ様。フフッ、これ呑んで水分補給でもして、もう少し頑張れー」
「ああ、うん。頑張るよ」
 気づいて無いみたいだけど、晴人の顔は炭まみれだ。しっかりやってるからなんだろうけど笑っちゃうな。
「顔に炭がついてますよ、鎌ヶ谷くん。これで拭いてください」
 甘木が晴人にウェットティッシュを渡し、晴人はそれで顔をふく。しかしまだ晴人の口周りには炭がついていて、髭のようにになっている。泉はそっと晴人の写真を撮ると、晴人にその画像を見せてから、強引にウェットティッシュを奪いそれで顔をふいて見せる。
 それから、オリエンテーションやカレー作りなどがあり1日目ももう終わりに差し掛かっていた。私はお風呂に入り終え、熱くなった体を冷やすために自販機にやって来た。
「あれっ、もしかして晴人?」
 物音がしてそちらを振り返ると、眠そうにあくびを押し殺してる晴人がやって来た。
「泉さん、こんなところで奇遇だね」
「ほんと、すごい偶然だね」
 私は少し晴人と話し込んでから、遊びに行くために自分のロッジに戻った。あとで晴人のところにも遊びにいこっかな。なーんてね。

 *****

 翌日はみんな眠そうにしながらハイキングに行った。やっぱり、キャンプとかってみんなと遅くまで話しちゃうよね。それでも山の頂上に着くと、クラスのみんなも、私も元気になった。山頂から見える景色は自然豊かで、癒されるものだった。お昼ご飯が市販のお弁当だったのが少し残念。
 楽しかった時間はあっという間に過ぎ、帰りのバスに乗る時間になった。バスに乗るや否や、多くの子は寝てしまった。私も少し寝よう。
「そろそろ富士山が見えるんだっけか」
 私は晴人の声で目が覚めてしまった。晴人は席から身を乗り出して富士山を見ようとしている。行きとは真逆だ。私はなんだか、やりづらくなって寝たふりを決行する。
 んん?私もしかして寝ちゃったのか。
 泉が目を覚ましたのは、学校にバスが戻ってくる直前、友人に声を掛けられたからだ。体を起こそうとするとようやく何かにもたれていたことが分かる。
 この肩って晴人のだよね……私、晴人によりかかって寝てたの?
 ニヤニヤしている友人の、ニヤニヤの意味が分かると、泉はボンと顔を赤くそて学校に到着するや否や、恥ずかしさから逃げるように帰っていった。
 ど、どっ、どうしよう。晴人に変に思われなかったかな。何やってんだろ私。

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