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正反対の僕と彼女~2人の関係の行方~

梅谷シウア

#1 4.キャンプ~彼女は何でもできて~その1

日は少し流れて4月も終盤、部活動に入る新入生も増えてクラスの立ち位置が完成したなか、高校生活最初の大きなイベント、キャンプが幕を開けた。
「おっはよー、今日からキャンプだね。協力して頑張ろうね」
 泉は真っ先に見つけた同じ班の、晴人と仁に声を掛ける。
「おはよう、今日から2日間よろしくな」
「おはよう、泉さんよろしくね」
 晴人と仁はそれに返事をする。他の班員を見つけたらしく、泉はそちらの方に駆けて行く。
「泉さんは今日も可愛いな」
「あぁ、うん、そうだな」
 仁は話しかけられる度に、晴人にそういうものだから、対応はどんどんと機械的になっていく。もちろん可愛いとは思っているが、それが直感的なものか、刷り込まれたものか。
「清楚系もいいと思うが、ああいうなんて言うんだ、今どきのキラキラ来た感じがいいんじゃんか」
「そうか」
 答える晴人は心ここに在らずといったような感じで適当に返す。
 それから間も無く、バスに乗り込み、キャンプ場に向かう。バスの席順は学校での座席順を少し変えて班ごとになるように座っている。
 僕の座席は良いのか、悪いのか泉さんの隣だ。前には甘木さんと遠藤えんどうさん。後ろは岩見いわみくんと大河くんだ。
 仁は泉の隣が晴人で気に食わないらしく、晴人の座席を後ろから蹴りながら、岩見との会話をしている。昨夜は準備やら、結華の相手やらでほとんど寝れていないうえに、後ろの男子の会話にもは入れそうにもないので晴人は泉とは逆の窓際に体重をかけて眠りについた。
「うぅっ、頭いたっ」
 僕は謎の頭痛で目を覚ました。元々バスとかで寝ると、頭が痛くなりやすいから仕方ないんだけどさ。
「あれ、起こしちゃったかな?」
 目を開けて真っ先に飛び込んで来たのは服、それも泉さんの私服。
「気にしないで、頭が痛くなって起きただけだから。僕の体質か知らないけど、動くものの中で寝ると途中で頭痛くなっちゃうから。ところでなんで窓を見てたの?」
 色々と聞きたいことはあるけれど、とりあえず僕の上に覆いかぶさってまで見るようなものが外にあったんだろうか?
「ごめん、ごめん。富士山がさっき見えたからさ、つい」
「富士山か、帰りは起きて見て見るかな」
「綺麗だったよ。帰りは見れるといいね」
 後ろからの蹴りがまた強くなってきたし、僕は本でも読もうかな。
 晴人が本を読み始めて十数分、バスはキャンプ場に着いた。昼食はバーベキュー、夕飯はカレーとキャンプらしいものを作るらしい。
「さっそくで悪いんだが、昼食の準備に入ってくれ、班ごとにテーブルがあるからそこで調理な」
 着いた時間が、予定よりも30分ほど遅れたため、巻き進行になっているが、それほど大きな問題はなく、時間の余裕が少し無くなったくらいであった。
 カレーだけだと思ってたけど、バーベキューもやるから、実は僕の係って忙しいのか。
「ごめんね、大変な係をやらせちゃって」
「僕がしっかり選ばなかったのも悪いし、そこまで大変ではないよ」
 元々キャンプとかはやった事がほとんどないけど、姉さんと姉さんの友達のキャンプに連れてってもらった時とか男では僕だけだったから頑張ってやったなー。
「私も、早めに野菜とか切っちゃって、火をみるの手伝うよ。暑いだろうしね」
「そっか、ありがとうね」
「なんなんだ、この甘さは」
 仁が突然大声で叫んだ。山の中で、声はこだまして鳥は木から飛び立っていった。
「どうしたの、大河くん?突然叫んだりして」
「いや、なんでもない、驚かせてごめん」
 まぁ、叫びたくなるのも仕方ないなぁ、なんて思いながら甘木と遠藤も野菜や、肉を切っていた。ちなみにご飯は施設側が用意してくれていたので、ご飯を炊いたりで、調理係が忙しくなるのは夕飯の時だ。
「片付け係でも手伝ったくれていいのに」
「いやだよ。俺は他の班を見てくるから」
「他のクラスでも見てくるね」
 2人は手伝いの話を振られると、そそくさと他のところを見に行ってしまった。晴人は手伝いも期待できないと思いながら、火を常に維持しようとしてた。
「ヒャッ。なっ、なに?」
 僕の首筋に冷たいものが当てられて変な声が出てしまう。
「お疲れさま。フフッ、これ飲んで水分補給したら」
「えっ、なんかついてるの?」
「顔に炭がついてますよ、鎌ヶ谷くん。これでとってください」
 甘木に言われた通り、顔をウウェットティッシュで拭くとウウェットティッシュに炭がついていた。
「ほら見て、ヒゲになってたよ」
 泉は携帯でさっき撮ったと思われる晴人の画像を見せてから、口周りについていた残っていた炭をウゥェットティッシュを使って取ってみせる。
 晴人は当然と言うべきか周りの男子からの嫉妬の目線を向けられる。そこには他のところを見てきたはずの2人の姿もあった。
「あの~、ご飯持ってきましたよ」
「肉もそろそろ焼けてきたみたいだな。火を見てる役は置いておいて食べるか」
「そうだね」
 本当に酷いな、他の班の係の人も同じような状況だけども。今度からは係の説明とかしっかり聞いておこう。
「鎌ヶ谷も適当に食べておけよ。無くなって文句言っても知らないからな」
 僕は手渡されたご飯の上に鉄板の上から野菜と肉を適当に乗せて食べながら火を見ることにした。
「うん、美味しいね」
 普段から女子は家事の手伝いとかをしているだけあって、肉も野菜も火が通りやすい薄さで切られていて生焼けでなくとても美味しかった。
 後片付けの時には、先ほどまでなにもしていなかった、仁と岩見が文句を言いながら片付けをした。

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