こんな俺でも異世界でやれること

yamato.K

第8話 時は止まり始めた


ファースの森を走り抜け、ヘイリーべへの一本道を低空飛行し、ヘイリーべの入口の近くにたどり着いた瞬間、異変に気付いた。



とても静かだ。



不思議なことに周りの音も声も全く聞こえない。こんなに静かなのはかえって不気味だが、何かあったとしか思えない。だが、何かがおかしい…

不安が湧き上がる中、俺は意を決してヘイリーべへ踏み入れた。



「んな…!?」


その瞬間、俺は唖然としてしまった。何故なら町の人々は目の前にいるが、全く動かない…まるでマネキンそのものを見ているかのようだ…


楽しそうに話している女性たちや、買い物をしている青年、近くの日向でおそらく昼寝をしているであろう猫も動く気配がない。
これは俺の予想だが、もしかしたら時間そのものが止まっているの可能性がある。だが、俺はGMの力で時間を止めるようなことは一切していないはず…


「…一度家に行ってみるか」


人々が全く動かない状況の中、まずは何故こうなったのか理由を探す必要がある。RPGとかでもよくありげなパターンだが、今はそんな呑気なことを言ってられない。

というわけで、一度我が家へ戻ってアイテムの整理をしようと思いついた。
ヘイリーべの入口から見て家は11時の方向の辺りにあり、周りの家より少し広い感じの家へ住むことにしていた。

ちなみに俺たちが所属するギルドはその反対側の北北東辺りにあり、バザーや飲食店、道具屋などがある。
…あまり利用しないけどな




そして家に着いたのは良いものの、一つとても困った問題があった。それは…




「ふぅんぬぅ…戸が…とても…硬いですぅ…!!」



…玄関の戸が全く動かせないという問題点だ。俺が力を込めて開けようとしているが、時間が止まっているせいなのか分からないが、
多分、時間が止まっている空間だと全て壊したり動かしたりすることが出来ないのかもしれない…ってことは…


これはPUB○みたいにマズイ、回復アイテムが無くて死にかけの状態のようにヤバい…これじゃ中のアイテムが取り出せないじゃん!


「ってか、絶対中にいるセニアさんも止まっているままでしょ?分かるんだよな、これ。じゃなきゃ家の中から音が聞こえるはずだし。」



考えろ…考えろ俺…ロクじゃない頭でも考えろ…何か方法はある…

そういえば現在、ルナとアナンタは一体どこにいるんだ?多分あっちの方もすでに依頼の目標は達成しているはず…



「んん〜…多分だが、ギルドにいるっぽい気がするなぁ…でもあいつらも止まってるだろうし…物は試しって言うからな、行ってみるとするか」


そして止まっている町の人々をチラチラと見ながらギルドへ到着し、早速中へ入っt


「あぁ!ユーマざぁぁん!」


いきなりルナが涙と鼻水を流しながらで走って俺に抱きついてきた。やっぱりルナは寂しがりだったんだな。


「お、おぉう…ルナ、君は時間が止まってなかったんだな。よしよし」

「うあぁぁぁん!よがっだぁ…ユーマざんはぢゃんど動いでだんでずねぇ…グス」

「しかしこれはどうしたものか…」


改めて周りを見渡してみると、やっぱりいろんな人たちの時が止まっている。アナンタもギルドで働く冒険者も、壁にかけてあるロウソクの火も…

「なぁルナ、急にみんな動かなくなったのか?」

「ズズズ…ばい、そうです。アナンタがギルドの人とお話ししてたら急にみんな動かなくなったんです…私、どうしたらいいか分からなくて…怖かったです…」

「そうか、でももう大丈夫だ。君は1人じゃない。俺がいる、絶対に1人にさせない。な?」

「…はい!ユーマさん、大好きです!ギュッ」

「な、ななな、いきなり大好きって…」


それは結構ヤバいですよ、ルナさん。俺今まで告白されたこと自体ないんだからさ、それはいろいろと困るよ(汗


「だってユーマさん、私にいろんなものをくれたんですから、当然ですよ…え?」

「ん?どうかしたk
「選ばれし人間よ…私の元へ…来て下さい…」    え?」


急に脳内に声が響いてきた。それも優しい女性のような声だった。にしても選ばれし人間?それって俺たちのことなのか…?


「ルナ…聞こえたか?」

「はい…ユーマさんも聞こえたんですね」

「あぁ、どうする?声の元へ行くか行かないか」

「それは…行った方がいいと思います。と言うよりも行かなくてはならない気がするんです…」

「偶然だな、俺もそう思ってた。それじゃ行こうか。多分頭の中で聞こえた声の方角からして中央広場の辺りだな」

「はい、行きましょうユーマさん」


そうして俺たちは謎の声の主に会うため、ギルドを出て中央広場へと足を進めた。


道中で見る人々はやはり一切動かない…このヘイリーべ自体の時間だけが止まっているのか、それともまだ見ぬ場所でもこのようなことが起きているのか…


原因を突き止め、ヘイリーべの町の時を再始動させることが今の俺の、いや…俺たちの第一優先目標だ…

こんな馬鹿みたいな俺でも異世界でやれることがあるなら、成し遂げてみせる…!







to be continued…
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どうも、yamatoです。
いきなりノベルバのアップデートがあったので、焦りながらいろいろと確認しつつ、第8話ができました。

亀更新で本当にすみません…

今週中にでも第9話を完成させようとただいま努力しています。

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それではまた…

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