ロリポップ
回想
バイト先は大学の前にあるからか学生のバイトをたくさん雇っている。
彼は大学生ではなくフリーターなのでワイワイ騒がしい大学生組からは少し距離をとっていた。
みんなの輪にはいらずいつもパソコンに向かい真剣な顔をしていた印象だ。
浮いていたというわけではなくバイトリーダーだったので非常に私達にとっては頼れる存在だった。
ミスをしても優しく対処してくれていた。
結衣とこっそりふざけて「おにいちゃん」と呼んでいたくらいだ。
出会った当初、吉野さんは歌手を目指していると話てくれた。
私も学校の軽音部でボーカルとギターをしていたり、ピアノを習っていたりと音楽が好きだったので少し盛り上がった。
いつか一緒に曲を作って欲しいと言われた覚えがある。
閑散期、私が暇そうにしていると、店のあまりもので私だけに料理してくれたこともある。
冷凍庫の霜を削って雪だるまを作ってくれたりもした。
そして今まですっかり忘れていたが
私、先週白いキャップを貰ったような…
私が出勤したとたん
「南ちゃん、キャップあげる。似合うと思うから。」
と生身の白いキャップを差し出された。
吉野さんは坊主頭でいつもキャップをかぶっていたからきっとお下がりだろうと思った。
「いいんですか?これ吉野さんのでしょ?」
「いや、それレディースだから。俺かぶれないから使ってよ。」
ちょうどキャップが欲しかったからありがたくいただくことにした。
まさかわざわざ私に買ったわけじゃないだろうからだれか友達からもらったのかなーとか
勝手に邪推していた。
せっかくなので被ってみせると
「おお!似合うじゃん!かわいいよ!」
かわいい。
お世辞だとはわかりつつも、男性にそんなこと言われたことがない私は内心とても照れていた。
でもすぐに思い直す。褒められたのはキャップだと。きっと私ではない。
あれ?私結構実は仲よかったのか…?
そう思うと色々思い当たる節があるのだ。
彼は大学生ではなくフリーターなのでワイワイ騒がしい大学生組からは少し距離をとっていた。
みんなの輪にはいらずいつもパソコンに向かい真剣な顔をしていた印象だ。
浮いていたというわけではなくバイトリーダーだったので非常に私達にとっては頼れる存在だった。
ミスをしても優しく対処してくれていた。
結衣とこっそりふざけて「おにいちゃん」と呼んでいたくらいだ。
出会った当初、吉野さんは歌手を目指していると話てくれた。
私も学校の軽音部でボーカルとギターをしていたり、ピアノを習っていたりと音楽が好きだったので少し盛り上がった。
いつか一緒に曲を作って欲しいと言われた覚えがある。
閑散期、私が暇そうにしていると、店のあまりもので私だけに料理してくれたこともある。
冷凍庫の霜を削って雪だるまを作ってくれたりもした。
そして今まですっかり忘れていたが
私、先週白いキャップを貰ったような…
私が出勤したとたん
「南ちゃん、キャップあげる。似合うと思うから。」
と生身の白いキャップを差し出された。
吉野さんは坊主頭でいつもキャップをかぶっていたからきっとお下がりだろうと思った。
「いいんですか?これ吉野さんのでしょ?」
「いや、それレディースだから。俺かぶれないから使ってよ。」
ちょうどキャップが欲しかったからありがたくいただくことにした。
まさかわざわざ私に買ったわけじゃないだろうからだれか友達からもらったのかなーとか
勝手に邪推していた。
せっかくなので被ってみせると
「おお!似合うじゃん!かわいいよ!」
かわいい。
お世辞だとはわかりつつも、男性にそんなこと言われたことがない私は内心とても照れていた。
でもすぐに思い直す。褒められたのはキャップだと。きっと私ではない。
あれ?私結構実は仲よかったのか…?
そう思うと色々思い当たる節があるのだ。
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