ネトゲ廃人、異世界攻略はじめました。
07 大地の割れ目
アイリスからHI、並びにこの腕輪、もといメニューとか言ったっけ。それらについてあらかたレクチャーを受け、僕たちはフロントに戻った。
そんな僕がエレベーターから出るや否や、左手のメニューが何やら着信音のような音を立てた。その直後、そこから女の子の声が響く。
「ミーナトちゃん! いい報せだよ! 今すぐアリスちゃんと指令室までカモン!」
「え、報せ……って、もう切れてるし」
メニューから聞こえたのは、僕たちの司令官であるルカの声だった。それに質問を返そうとした僕だったが、その時にはもう通話は切られていた。
「まったく……ちゃんと人の話を聞けっていつも言ってるのに……」
「あはは……でも、とにかく指令室に向かおうか」
ムスッとした顔でルカへの不満を漏らすアイリスに僕はそう語り掛ける。
「そうね」と一言言って、彼女は走り出した。僕もそのあとを追って指令室まで向かう。
歩いた時にはなかなかの距離があるように感じたその道も、走ればあっという間だった。
現実世界の生身の体ではこうもいかないいのだろうが、HIという強化された体を手に入れた今、これだけ走っても息切れ一つしていない。
そのことに少し驚きながらも僕は指令室の扉を開く。
「やっと来た! じゃあ、さっそくだけど今の状況を説明するよ」
その扉の向こうでは、待ってましたと言わんばかりに目を輝かせているルカがいた。
「まぁ、長話をするつもりはないけど、座って」
「はい、失礼します」
一応、目上の方なのだという自覚を持つため、あえてそんな言葉を口に出した。その後、僕とアイリスは席に着く。
この部屋の端には何やら腕のメニューを操作するミケの姿もあった。
「さて、単刀直入に言うね。フロントのスミスが一からくみ上げたレーダー。それに、人工物らしきものが映り込んだ」
「人工物……ですか?」
「うん、そうなの。もしそれが本当に人間が作った何かなら、きっと何かしらに再活用することができる。……今現在、資源が枯渇しているフロントにとってこの報せは僥倖だったんだよ」
テーブルの上に浮き上がるように表示された地図のようなものをルカは拡大して僕らのほうへ向けた。そして、その中の一点を指で指す。
「ここだよ。この谷になったところ。ここの探索をミナトちゃん、アリスちゃん、ミケちゃん、三人に依頼したいの」
「僕は全然いいですけど……」
「あたしもいいわよ。探索任務なんて楽勝じゃない」
「私も構いません」
僕、アイリス、ミケの返事を聞いてから、ルカは話をつづけた。
「ありがと! ミナトちゃんにとっては最初の任務だし、このくらいがちょうどいいでしょ?」
「そうですね。お気遣いありがとうございます。では」
そうして、「いってらっしゃーい!」と大げさに手を振るルカに見送られ、僕の初任務は始まった。
***
「マスター。例の谷に到着する前に一度休息をとりませんか?」
一番後ろを歩いていたミケは、僕たちにそう提案した。
あの後、すぐさまフロントを出発した僕たちはそこから西にひたすら歩いていた。出発してからもう1時間ほど経っており、すでに謎の人工物があるという谷は目と鼻の先だ。
しかし、なぜルカは僕とアイリスを一度呼び戻したのだろうか。別に探索任務だけならミケがいなくても遂行できただろし、あの程度の指示ならメニューを通じてでもできたのではないだろうか。
しかし、今は今だ。僕はミケの休憩の提案に反対の言葉を返す。
「え、でも、もうすぐそこなんだし目的地まで一気に行くほうがいいんじゃない?」
「あたしはミケに賛成よ。その目的地に何か脅威が潜んでいた場合に備えて今は一度休息をとったほうがいいわ」
「なるほど。じゃあ一度休もうか」
と、いうわけで僕たちは近くにあった小さな木の下で休憩をとることにした。
僕たちがひたすら歩いているだだっ広い草原には、このような小さな木がぽつりぽつりと生えていた。人の往来などないので、もちろん道なんてものはない。ただ、脅威となりそうな大きなエネミーの影を避けながら僕たちは目的地まで向かっていた。
エネミーは、朝襲い掛かってきたルースのように凶暴なものばかりではないようで、まるで地球の羊のような白い体毛をまとう生物など、柔和な性格なものもいた。
大きなエネミーから身を隠しながら進むのは神経が磨り減る思いではあったが、垣間見えるシャヘルの大地の広大さ、雄大さをここまでの移動で感じることができ、僕としてはなかなかに良い体験だった。
そこで、一つ僕に疑問が浮かぶ。
「あのさ、今僕たちがいる場所って、シャヘルの中のどのあたりにあたるの?」
シャヘルも一つの惑星だ。なら、地球のように気候が異なる地域もあるだろう。あと、僕たちの遥か頭上には太陽のように光を大地に注ぐ恒星がある。夜の月といい、この太陽といい、環境的には地球と大差ないようだ。
その所を考察しているうちに、この今いる場所がシャヘルのどのあたりなのか、という疑問がわいて生きた。
「残念ながら、シャヘル上の緯度、経度は現在観測できません。しかし、低性能ではありますがレーダーが開発されたことによって周辺の地形は確認できるようになりました」
「えっと、じゃあ僕たちがいるこの草原の外には、どんな地形があるの?」
「……非常に申し上げにくいのですが」
ミケはそこで伏し目がちに言葉を切った。僕とアイリスはそれに無言を返す。
「この、地下にフロントがある草原の周りは……海に囲まれています」
「それって……ここは、島だということ?」
「いいえ。島ではなく、半島です。この、草原の周りはほとんどが海に囲まれています。しかし、一か所だけ、大陸とつながっている場所があるようなのです」
「なるほど、それで半島、か」
頷くミケを横目に見ながらメニューを見ていた僕。その横で遠くを見渡していたアイリスが「あっ」と声を上げた。
「……あれが、例の谷ね」
彼女の目線の先。かなり遠くではあるが、そこには大地の割れ目があった。さっそく歩き出すアイリスに僕たちは続く。そして、しばし歩けばその割れ目がすぐそこに迫った。
「意外と大きいな……」
僕たちの目の前に広がっていたのは、あまりにも非現実的な光景だった。
僕たちが今立っている草原。そこに線でも引くかのように巨大な谷が広がっていたのだ。いや、これは……どちらかというと渓谷と表現したほうが伝わるかもしれない。
今立っているのはその地面の割れ目とでも言うべき渓谷の淵だ。数歩前に出て下を見下ろすと、そこはかなり深いことが分かった。
「しかし、降りるのには苦労しなさそうですね」
「……まぁ、確かに」
渓谷を観察しながら言うミケに僕は同意する。
この渓谷の側面。そこは、岩が何段も重なったような地形をしており、2、3メートルごとに少しの足場がある。この、HIの体をもってすればおそらく飛び降りていくことも難しくないだろう。
「さ、行こう」
「はい」
「えぇ、そうね」
彼女たち二人の確認を得た後、いざというときに備え腰のナイフを引き抜き、その崖を飛び降りた。
まず一段目。想像以上の落差に少しひやりとするが、何とか体勢を整えて着地する。
じーんと足に響いた痛みに少し顔をしかめてしまうが、そこで立ち止まるわけにもいかない。
足と、それとともについた両手を同時に伸ばして二段目へ跳ぶ。
その要領で三段目、四段目と下っていき、僕たちは一番下まで到達した。
そこで、上を見上げて僕たちは唖然とする。
「うわぁ……きれい……」
思わず、今下ってきたばかりのアイリスがそんな声を漏らしたようだ。
今僕たちが下ってきた場所は、渓谷の中でも最も広く、そして端っこの場所のようだった。ここからだんだんと幅は狭まっているようで、上からは光がまるで柱のように降り注いでいた。
きらきらと輝く光の粒子が無骨な岩だけの空間に差し込んでいる光景は呼吸を忘れるほど美しい。
……あのルースと戦った時、とても怖かった。なんて恐ろしい星なのだろうかと思った。だが、この光景を見て思う。
「こんな綺麗な一面もあるんだな……」
「いいえ」
ただの僕の独り言に隣にいたミケが応じた。
「この星は、もともと美しかったのです。なのに……」
……初めて見る、ミケの感情だった。
憤怒とも、悔恨ともとれるその表情。ただ伏し目がちにうつむいているだけなのに、僕は彼女がそのような感情を抱いていることはすぐにわかった。
「……ミケ……?」
『おおっ! やっと着いたんだ!』
様子がおかしい彼女に問いかけようとした僕だったが、それを突然に鳴り出した金切り声とでも言うべき声にさえぎられた。腕のメニューを見やると、そこから小さな女の子の姿がホログラムで表示された。
「ルカ……?」
『えっへん! ルカ様である! ……なんて、ふざけている場合じゃないんだよ』
少しノイズの入ったホログラムの彼女は一瞬踏ん反り返ったものの、すぐに真剣な表情になる。
『ミナトちゃん、アリスちゃん、ミケ、よく聞いて。あなたたちがいるその渓谷の奥。そこに少し開けた場所があるんだけど、そこにどうやら人工物があるらしいの』
「了解です。じゃあさっそく……」
『ちょーっと待った! ……えっとね、はっきり言う。そこから先はこちらからの通信が繋がらないの。だから、みんなのメニューはここに戻ってくるまで無効化される』
……なるほど、マップ無効化エリアってところか。
そんなゲームと現実の分別もつけれない僕の思考を読んだのかはわからないが、ルカが重ねて僕に注意を促す。
『メニューが無効化されるとエネミーの索敵はすべて目視で行うことになるからね? 本当にクリアリングだけはしっかりしてね』
「はい、アドバイスありがとうございます。……では、行ってきます」
そうして、僕たちはその渓谷の奥へ足を踏み入れた。
そんな僕がエレベーターから出るや否や、左手のメニューが何やら着信音のような音を立てた。その直後、そこから女の子の声が響く。
「ミーナトちゃん! いい報せだよ! 今すぐアリスちゃんと指令室までカモン!」
「え、報せ……って、もう切れてるし」
メニューから聞こえたのは、僕たちの司令官であるルカの声だった。それに質問を返そうとした僕だったが、その時にはもう通話は切られていた。
「まったく……ちゃんと人の話を聞けっていつも言ってるのに……」
「あはは……でも、とにかく指令室に向かおうか」
ムスッとした顔でルカへの不満を漏らすアイリスに僕はそう語り掛ける。
「そうね」と一言言って、彼女は走り出した。僕もそのあとを追って指令室まで向かう。
歩いた時にはなかなかの距離があるように感じたその道も、走ればあっという間だった。
現実世界の生身の体ではこうもいかないいのだろうが、HIという強化された体を手に入れた今、これだけ走っても息切れ一つしていない。
そのことに少し驚きながらも僕は指令室の扉を開く。
「やっと来た! じゃあ、さっそくだけど今の状況を説明するよ」
その扉の向こうでは、待ってましたと言わんばかりに目を輝かせているルカがいた。
「まぁ、長話をするつもりはないけど、座って」
「はい、失礼します」
一応、目上の方なのだという自覚を持つため、あえてそんな言葉を口に出した。その後、僕とアイリスは席に着く。
この部屋の端には何やら腕のメニューを操作するミケの姿もあった。
「さて、単刀直入に言うね。フロントのスミスが一からくみ上げたレーダー。それに、人工物らしきものが映り込んだ」
「人工物……ですか?」
「うん、そうなの。もしそれが本当に人間が作った何かなら、きっと何かしらに再活用することができる。……今現在、資源が枯渇しているフロントにとってこの報せは僥倖だったんだよ」
テーブルの上に浮き上がるように表示された地図のようなものをルカは拡大して僕らのほうへ向けた。そして、その中の一点を指で指す。
「ここだよ。この谷になったところ。ここの探索をミナトちゃん、アリスちゃん、ミケちゃん、三人に依頼したいの」
「僕は全然いいですけど……」
「あたしもいいわよ。探索任務なんて楽勝じゃない」
「私も構いません」
僕、アイリス、ミケの返事を聞いてから、ルカは話をつづけた。
「ありがと! ミナトちゃんにとっては最初の任務だし、このくらいがちょうどいいでしょ?」
「そうですね。お気遣いありがとうございます。では」
そうして、「いってらっしゃーい!」と大げさに手を振るルカに見送られ、僕の初任務は始まった。
***
「マスター。例の谷に到着する前に一度休息をとりませんか?」
一番後ろを歩いていたミケは、僕たちにそう提案した。
あの後、すぐさまフロントを出発した僕たちはそこから西にひたすら歩いていた。出発してからもう1時間ほど経っており、すでに謎の人工物があるという谷は目と鼻の先だ。
しかし、なぜルカは僕とアイリスを一度呼び戻したのだろうか。別に探索任務だけならミケがいなくても遂行できただろし、あの程度の指示ならメニューを通じてでもできたのではないだろうか。
しかし、今は今だ。僕はミケの休憩の提案に反対の言葉を返す。
「え、でも、もうすぐそこなんだし目的地まで一気に行くほうがいいんじゃない?」
「あたしはミケに賛成よ。その目的地に何か脅威が潜んでいた場合に備えて今は一度休息をとったほうがいいわ」
「なるほど。じゃあ一度休もうか」
と、いうわけで僕たちは近くにあった小さな木の下で休憩をとることにした。
僕たちがひたすら歩いているだだっ広い草原には、このような小さな木がぽつりぽつりと生えていた。人の往来などないので、もちろん道なんてものはない。ただ、脅威となりそうな大きなエネミーの影を避けながら僕たちは目的地まで向かっていた。
エネミーは、朝襲い掛かってきたルースのように凶暴なものばかりではないようで、まるで地球の羊のような白い体毛をまとう生物など、柔和な性格なものもいた。
大きなエネミーから身を隠しながら進むのは神経が磨り減る思いではあったが、垣間見えるシャヘルの大地の広大さ、雄大さをここまでの移動で感じることができ、僕としてはなかなかに良い体験だった。
そこで、一つ僕に疑問が浮かぶ。
「あのさ、今僕たちがいる場所って、シャヘルの中のどのあたりにあたるの?」
シャヘルも一つの惑星だ。なら、地球のように気候が異なる地域もあるだろう。あと、僕たちの遥か頭上には太陽のように光を大地に注ぐ恒星がある。夜の月といい、この太陽といい、環境的には地球と大差ないようだ。
その所を考察しているうちに、この今いる場所がシャヘルのどのあたりなのか、という疑問がわいて生きた。
「残念ながら、シャヘル上の緯度、経度は現在観測できません。しかし、低性能ではありますがレーダーが開発されたことによって周辺の地形は確認できるようになりました」
「えっと、じゃあ僕たちがいるこの草原の外には、どんな地形があるの?」
「……非常に申し上げにくいのですが」
ミケはそこで伏し目がちに言葉を切った。僕とアイリスはそれに無言を返す。
「この、地下にフロントがある草原の周りは……海に囲まれています」
「それって……ここは、島だということ?」
「いいえ。島ではなく、半島です。この、草原の周りはほとんどが海に囲まれています。しかし、一か所だけ、大陸とつながっている場所があるようなのです」
「なるほど、それで半島、か」
頷くミケを横目に見ながらメニューを見ていた僕。その横で遠くを見渡していたアイリスが「あっ」と声を上げた。
「……あれが、例の谷ね」
彼女の目線の先。かなり遠くではあるが、そこには大地の割れ目があった。さっそく歩き出すアイリスに僕たちは続く。そして、しばし歩けばその割れ目がすぐそこに迫った。
「意外と大きいな……」
僕たちの目の前に広がっていたのは、あまりにも非現実的な光景だった。
僕たちが今立っている草原。そこに線でも引くかのように巨大な谷が広がっていたのだ。いや、これは……どちらかというと渓谷と表現したほうが伝わるかもしれない。
今立っているのはその地面の割れ目とでも言うべき渓谷の淵だ。数歩前に出て下を見下ろすと、そこはかなり深いことが分かった。
「しかし、降りるのには苦労しなさそうですね」
「……まぁ、確かに」
渓谷を観察しながら言うミケに僕は同意する。
この渓谷の側面。そこは、岩が何段も重なったような地形をしており、2、3メートルごとに少しの足場がある。この、HIの体をもってすればおそらく飛び降りていくことも難しくないだろう。
「さ、行こう」
「はい」
「えぇ、そうね」
彼女たち二人の確認を得た後、いざというときに備え腰のナイフを引き抜き、その崖を飛び降りた。
まず一段目。想像以上の落差に少しひやりとするが、何とか体勢を整えて着地する。
じーんと足に響いた痛みに少し顔をしかめてしまうが、そこで立ち止まるわけにもいかない。
足と、それとともについた両手を同時に伸ばして二段目へ跳ぶ。
その要領で三段目、四段目と下っていき、僕たちは一番下まで到達した。
そこで、上を見上げて僕たちは唖然とする。
「うわぁ……きれい……」
思わず、今下ってきたばかりのアイリスがそんな声を漏らしたようだ。
今僕たちが下ってきた場所は、渓谷の中でも最も広く、そして端っこの場所のようだった。ここからだんだんと幅は狭まっているようで、上からは光がまるで柱のように降り注いでいた。
きらきらと輝く光の粒子が無骨な岩だけの空間に差し込んでいる光景は呼吸を忘れるほど美しい。
……あのルースと戦った時、とても怖かった。なんて恐ろしい星なのだろうかと思った。だが、この光景を見て思う。
「こんな綺麗な一面もあるんだな……」
「いいえ」
ただの僕の独り言に隣にいたミケが応じた。
「この星は、もともと美しかったのです。なのに……」
……初めて見る、ミケの感情だった。
憤怒とも、悔恨ともとれるその表情。ただ伏し目がちにうつむいているだけなのに、僕は彼女がそのような感情を抱いていることはすぐにわかった。
「……ミケ……?」
『おおっ! やっと着いたんだ!』
様子がおかしい彼女に問いかけようとした僕だったが、それを突然に鳴り出した金切り声とでも言うべき声にさえぎられた。腕のメニューを見やると、そこから小さな女の子の姿がホログラムで表示された。
「ルカ……?」
『えっへん! ルカ様である! ……なんて、ふざけている場合じゃないんだよ』
少しノイズの入ったホログラムの彼女は一瞬踏ん反り返ったものの、すぐに真剣な表情になる。
『ミナトちゃん、アリスちゃん、ミケ、よく聞いて。あなたたちがいるその渓谷の奥。そこに少し開けた場所があるんだけど、そこにどうやら人工物があるらしいの』
「了解です。じゃあさっそく……」
『ちょーっと待った! ……えっとね、はっきり言う。そこから先はこちらからの通信が繋がらないの。だから、みんなのメニューはここに戻ってくるまで無効化される』
……なるほど、マップ無効化エリアってところか。
そんなゲームと現実の分別もつけれない僕の思考を読んだのかはわからないが、ルカが重ねて僕に注意を促す。
『メニューが無効化されるとエネミーの索敵はすべて目視で行うことになるからね? 本当にクリアリングだけはしっかりしてね』
「はい、アドバイスありがとうございます。……では、行ってきます」
そうして、僕たちはその渓谷の奥へ足を踏み入れた。
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