異世界に転生したので楽しく過ごすようです
第138話 また飛ばされるようです
ーside:主人公ー
イフリートが俺の使い魔となって終わった戦いの後、俺は束の間の休息を取っていた。
「あついな……。少し火山を冷やしてもいいだろうか……」
『お主は我を殺す気なのか?』
「殺す気なんてないさ。結果的にそうなるかもしれないだけで」
『それは我を殺す事と何が違うのだ……』
俺はイフリートの近くで休んでおり、時たまこんな話をしている。イフリートは割と話が分かるやつで、仲魔にしてよかったと思っている。
あ、そうそう、イフリートの敵対してない時の炎って触っても全然熱くないことを知った。その炎は柔らかくてきめ細かい布を触った時の感触がする。
まぁなんだ。とりあえず暇だったのだ。イフリートとの戦いに勝ったから、次のステージに移動すると思いきや何も起きなかったからな。
「はぁ。これで正解だったのだろうか……」
『看板の事か?それなら合っていると思うが?』
「合ってるなら待っとけばいいか。……して、イフリートがなんでそれを知っているのかを知りたいんだが?」
『それは言えん。約束しているからな』
約束という事はこの状況をどうすればいいのか、イフリートの他に知っている奴がいるってことか。でも、それを教えろって言っても無理なんだろうな……。
俺が諦めて少し落胆していると、身体が光に包まれ始めた。
「ようやくか……。さて次ばどんなとこなのやら……」
小さくそう呟いてから俺は転移させられた。
◇◆◇◆◇
ーside:ゼロー
「雪女さん。そこの方とお幸せに」
『あぁ、そうだね。私も幸せになるよ』
『フガっ!』
雪女が仲間になってすぐのこと。わたし達は雪女とおっきい毛むくじゃらの男の人と一緒に話していた。
「雪女達はこれからどうするのー?」
『そうだね……。あんた立派な家に住むとかは、どうだい?』
『フガ』
『じゃあ私達はそれをする。あんた達はどうなんだい』
「わたし達はマスターと会うために頑張るのー!」
「主様と早く会いたいです」
『そのマスターとか、主様とかは分からないけど余程会いたいんだね?』
「うん!」
マスターは私のマスターだもん!早く会いたいにゃ決まってるもん!
「主様と早く合流したい……」
リンは項垂れながら少し疲れたような声でそう言った。
そしてそのすぐ後、また転移前の光に包まれる。
「……今度こそ主様と合流出来ますようにっ!」
「マスターに会いたいのー!」
『あんた達、元気でいるんだよ?』
「「うん!」」
そうして私達は、次のステージに転移した。
◇◆◇◆◇
ーside:ミルー
「もうそろそろくる」
「来るってなにが?」
「転移」
「えっ!そんな事が分かるのっ!?」
「いやただの勘」
『お主も相当だのぉ』
あたし達は、オアシスの水を浄化した後に、村の人に何があったかの経緯を話した。
すると村の人達はデザートスコーピオンをさも神であるかのように敬い始めて、蠍が嬉しそうにふんぞり返っていた。……羨ましい。
「あたしの勘は八割外れる」
「ミルの場合、その二割を当てそうで怖い」
「でしょ」
「でしょって……別に褒めてないよ?」
フェイが何か言っているみたいだけどよく聞こえなかった。大方あたしのことを褒めちぎってるんだろう。
『しかし、お主の言っている事は外れてないやもしれぬぞ』
蠍がそう言うと同時にあたし達の体が光に包まれ始める。
『ほらの』
「ほ、本当にミルの勘があたった!?」
「あたしに不可能はない」
『私はここに残るからのぉ。用が出来たら遠慮なく呼ぶんじゃて』
「ん。こき使う」
『くかかか。それは怖いのぉ。じゃあ私をこき使う為にも達者でいるのじゃぞ?』
あたし達はその言葉に一つ頷いて、次の所へ転移をした。
◇◆◇◆◇
ーside:ジュリー
フレイヤ様に取り付いた黒い靄を浄化しきって、ほぼ元通りになったすぐ後の事。私達は今後の事で話し合っていた。
「フレイヤ様はこのあとから何をなさるおつもりですか?」
『私は邪神に堕ちてしまった時に傷つけた大地を修復しようと思っています。幸い神の時程ではありませんが、神だった時の能力が使えますから』
「じゃあ神に戻るためにここに残るってことなのね?」
『そういう事になります。ですが、用があったらいつでも呼んでください。命の恩人であるあなた方への恩を返しますから』
「フレイヤの力、頼りにしてるわ」
私達は邪神でなかった頃のフレイヤの力を知らない。でも神だったのだから、私達と共に行動している女神とか、それに準ずる強さを持っていたはず。
その力が半人半神になって劣ってしまったとは言え、相当な力になるはず。それも勇者に匹敵するくらい。
『お二人の方は何をなさるのですか?』
「何ってそりゃあ、この転移トラップを抜ける事かしらね?」
「それ以外ですと、仲間達と合流するくらいですね」
『転移トラップですか……。という事はもうすぐ別の所に送られるのですね』
私はフレイヤが何故その事を知っているのかを知りたくなったが、そこでフレイヤの言ったように次の所へ向かう為の光が私達を包んだ。
「フレイヤの言った通りだったわね。……私達はこの先に行くわ」
「フレイヤ様。神に戻れるように祈っています」
『お二人ともありがとうございます。そして、頑張ってください。この先にはまだまだ強敵がいますから』
そんなフレイヤの最後の言葉を聞いて私達は転移した。
イフリートが俺の使い魔となって終わった戦いの後、俺は束の間の休息を取っていた。
「あついな……。少し火山を冷やしてもいいだろうか……」
『お主は我を殺す気なのか?』
「殺す気なんてないさ。結果的にそうなるかもしれないだけで」
『それは我を殺す事と何が違うのだ……』
俺はイフリートの近くで休んでおり、時たまこんな話をしている。イフリートは割と話が分かるやつで、仲魔にしてよかったと思っている。
あ、そうそう、イフリートの敵対してない時の炎って触っても全然熱くないことを知った。その炎は柔らかくてきめ細かい布を触った時の感触がする。
まぁなんだ。とりあえず暇だったのだ。イフリートとの戦いに勝ったから、次のステージに移動すると思いきや何も起きなかったからな。
「はぁ。これで正解だったのだろうか……」
『看板の事か?それなら合っていると思うが?』
「合ってるなら待っとけばいいか。……して、イフリートがなんでそれを知っているのかを知りたいんだが?」
『それは言えん。約束しているからな』
約束という事はこの状況をどうすればいいのか、イフリートの他に知っている奴がいるってことか。でも、それを教えろって言っても無理なんだろうな……。
俺が諦めて少し落胆していると、身体が光に包まれ始めた。
「ようやくか……。さて次ばどんなとこなのやら……」
小さくそう呟いてから俺は転移させられた。
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「雪女さん。そこの方とお幸せに」
『あぁ、そうだね。私も幸せになるよ』
『フガっ!』
雪女が仲間になってすぐのこと。わたし達は雪女とおっきい毛むくじゃらの男の人と一緒に話していた。
「雪女達はこれからどうするのー?」
『そうだね……。あんた立派な家に住むとかは、どうだい?』
『フガ』
『じゃあ私達はそれをする。あんた達はどうなんだい』
「わたし達はマスターと会うために頑張るのー!」
「主様と早く会いたいです」
『そのマスターとか、主様とかは分からないけど余程会いたいんだね?』
「うん!」
マスターは私のマスターだもん!早く会いたいにゃ決まってるもん!
「主様と早く合流したい……」
リンは項垂れながら少し疲れたような声でそう言った。
そしてそのすぐ後、また転移前の光に包まれる。
「……今度こそ主様と合流出来ますようにっ!」
「マスターに会いたいのー!」
『あんた達、元気でいるんだよ?』
「「うん!」」
そうして私達は、次のステージに転移した。
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ーside:ミルー
「もうそろそろくる」
「来るってなにが?」
「転移」
「えっ!そんな事が分かるのっ!?」
「いやただの勘」
『お主も相当だのぉ』
あたし達は、オアシスの水を浄化した後に、村の人に何があったかの経緯を話した。
すると村の人達はデザートスコーピオンをさも神であるかのように敬い始めて、蠍が嬉しそうにふんぞり返っていた。……羨ましい。
「あたしの勘は八割外れる」
「ミルの場合、その二割を当てそうで怖い」
「でしょ」
「でしょって……別に褒めてないよ?」
フェイが何か言っているみたいだけどよく聞こえなかった。大方あたしのことを褒めちぎってるんだろう。
『しかし、お主の言っている事は外れてないやもしれぬぞ』
蠍がそう言うと同時にあたし達の体が光に包まれ始める。
『ほらの』
「ほ、本当にミルの勘があたった!?」
「あたしに不可能はない」
『私はここに残るからのぉ。用が出来たら遠慮なく呼ぶんじゃて』
「ん。こき使う」
『くかかか。それは怖いのぉ。じゃあ私をこき使う為にも達者でいるのじゃぞ?』
あたし達はその言葉に一つ頷いて、次の所へ転移をした。
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ーside:ジュリー
フレイヤ様に取り付いた黒い靄を浄化しきって、ほぼ元通りになったすぐ後の事。私達は今後の事で話し合っていた。
「フレイヤ様はこのあとから何をなさるおつもりですか?」
『私は邪神に堕ちてしまった時に傷つけた大地を修復しようと思っています。幸い神の時程ではありませんが、神だった時の能力が使えますから』
「じゃあ神に戻るためにここに残るってことなのね?」
『そういう事になります。ですが、用があったらいつでも呼んでください。命の恩人であるあなた方への恩を返しますから』
「フレイヤの力、頼りにしてるわ」
私達は邪神でなかった頃のフレイヤの力を知らない。でも神だったのだから、私達と共に行動している女神とか、それに準ずる強さを持っていたはず。
その力が半人半神になって劣ってしまったとは言え、相当な力になるはず。それも勇者に匹敵するくらい。
『お二人の方は何をなさるのですか?』
「何ってそりゃあ、この転移トラップを抜ける事かしらね?」
「それ以外ですと、仲間達と合流するくらいですね」
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私はフレイヤが何故その事を知っているのかを知りたくなったが、そこでフレイヤの言ったように次の所へ向かう為の光が私達を包んだ。
「フレイヤの言った通りだったわね。……私達はこの先に行くわ」
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