異世界に転生したので楽しく過ごすようです
番外編第3話 女子会のようです
彼等が帝都を出た時から遡ること数日。外の明かりが暗くなってきた頃、ある居酒屋で数人の女の子達が女子会なるものを開催していた――
「さあさあ皆グラスを持ってー!」
皆はそれを聞いてグラスを掲げる。
「それでは、今回の女子会にカンパーイ!」
「「「カンパーイ!」」」
そう、この集まりは女子会!女の子だけの秘密の会!当然彼はこの場にはいない!
参加しているのは女神の私を初めとして、ゼロ、レン、リン、ミル、ジュリの五人のパーティメンバー、ダルダナンのギルマスのエルシャ、それとフェイにフェルトの九人!
ちなみに彼はというと、今頃レオンと一緒に遊んでいる頃だろう。
「ねぇねぇ!女子会ってなにー?」
何をするのかをよく分かっていなかったゼロが、可愛く首を傾げた。
「簡単に言うと、ぶっちゃけたお話をするところね!普段言えない事とか愚痴とか言っちゃえばいいの!」
「んー?言えないことー?わたしないなー」
「だったら好きな人とかでいいんじゃない?」
「わたしマスターが好きー!」
な、なんて大胆な……!それに、計算してやってるわけじゃないのに周りを牽制するなんて!なんて恐ろしい子……!
「それはフェルトを抜いた全員か同じでしょうね」
「うんうん」
ジュリとミルはもう既に周知の事実として捉えているのね。知らないのは当の本人だけと……。鈍感も行き過ぎると罪よねぇ。
「私がレオン一筋だなんてっ!そんな嬉しいこと言わないでよ!わ、私はレオンに仕方なく付き合ってあげてるんだからねっ!勘違いしないでよねっ!」
「勘違いも何もないと思うのだが……」
フェルトはリアルツンデレ振りを発揮。いや、これはただのデレだね!
私はこの話からエルシャが告白していたのを思い出した。
「そういえば、あの人に告白したのってエルシャだけでしょ?」
「そ、そうらしいな」
「どんな感じで告白したの?」
「それ私も気になるわね。ぜひとも聞かせて欲しいわ」
「あたしも」
「私にも聞かせてください」
「うぅ……。は、恥ずかしいから言えんっ。あの時の私はどうかしてただけだもん!」
もんって、今のは素なのかな?そういえばエルシャはたまに女の子っぽく振る舞うことがあったような……。服を買いに行った時とかそんな時あったし。
「エルシャの女の子らしくなった状態見てみたいなー……チラッ……」
「い、いやぁぁ!!」
エルシャは逃げる様にお酒に走り、ひたすらに飲み始める。
「むふふっ。可愛いものよ!」
「女神、あなたって相当なドSね」
「そういうジュリだって鬼畜な時あるでしょ?」
「私はただ楽しい方に持っていってるだけよ」
「まぁ確かにねー。あの人って特に楽しそうな事を引き寄せるからねー」
最初に私がそうなるような称号をあげたのが原因なんだけどね!勇者みたいな本気でやばそうなやつを持ってくることもあるけど、大概は楽しいからオッケー!
「わたしはあるじさまに甘やかされたいんれすぅ!」
「私もれすぅ!」
「あらら。リンとフェイはすぐに酔っちゃった見たいね」
「酔ったおかげで本音を聞き出し易いからいいけどね」
私がフェイと一緒に来た時はフェイの無限ループにハマりそうで怖かった事もあったけどね。
「二人はあの人が好き?」
ミルが酔った二人にすかさず質問を投げかけた。
「「すきーっ!……えへへっ」」
「あらやだ。なんて可愛いのかしら」
「あ、あのお姉ちゃんが惚気てる……!」
フェルトが姉のフェイを見て驚愕の表情を浮かべた。
酔うって怖いよねぇ。フェイとかリンみたいに人を変えてしまうんだから!
「あの人のどこが好きなのですか?」
今度はこの二人にレンが質問を投げかけた。
「「えーっと?ぜんぶー?」」
「お姉ちゃんがおかしくなっちゃってるよぉ!」
「フェルト、諦めなさい。恋は盲目というのだし、今はどうしようもないわ」
あぁ、二人揃って首を傾げちゃって……。なんて可愛いの……。負けた気がする。
「そんな事より私は、フェルトがレオンとどこまでいったのかを知りたいわね」
「私も知りたいです。いくところまでいってしまわれた感じなのですか?」
「え、えっとね、それは……ダメっ。言えないっ!」
「その反応で充分わかった。大丈夫」
フェルトは既にいくところまでいってしまってるのね。
「ちなみにどっちが誘った?」
ミルがフェルトの際どいところを攻めていく。
「マ、マッサージしてもらってたらなし崩し的に……って何言わせるのっ!」
マッサージ?マッサージから発展しちゃったの?確かにあの人のマッサージはそれくらい気持ちいいけ……ど……?まさかっ!
「「「マッサージを詳しくっ!」」」
皆も同じことを思ったみたいでそこを突く。
「マ、マッサージ!?なんでっ!?」
「私達の想像通りならあの人が絡んでいることになるわ。……聞くけど、そのマッサージって今までのマッサージよりもものすごく気持ちよかったんじゃないの?それもそういう気分になるくらいの」
「う、うん。そうだけど……なんで知ってるの?」
「「「やっぱりかぁ……」」」
「えっ?なになに?なんなの?」
これはあの人が一枚噛んでるなぁ。それもレオンから頼むとは思えないから、あの人が自主的に。
「フェルト、よく聞きなさい!もし、レオンが他の人にマッサージする事になったら、何がなんでも阻止するのよ!じゃないと簡単に浮気されてしまうわ!」
「な、なんで?」
「今のレオンはあの人と同じ。マッサージをすると何らかのスキルが発動してる」
「スキル?」
「主様はマッサージ……私達の中ではふにふにとなっていますが、それをする時にとても気持ちよくなるスキルを持っているのです。恐らく、レオン様に主様がそのスキルを譲渡したのでしょう」
「な、なるほど!だからあんなに気持ちよかったのね……!」
レオンはあの人の巻き添えを食らったのね。可哀想に……。
「……ちなみになんだけど、そのスキルを持ってると、してる時も気持ちよくなったりすることってある?」
「「「私達はしたことないから分からない」」」
ですよねー!ちなみに私もしたことないですよ!だって女神だし!神聖な女神だし!誰にも怪我されない女神だし!
「そ、そっかぁ!してる時に何回か意識無くなっちゃってて、もしかしてって思っただけだから気にしないでっ!」
「意識が無くなるって……」
「とてもハード」
「そこまでやってしまうのですか……。時代は進んでいますね……」
そ、想像を超えてた!というか全然想像がつかない!
「ねぇねえ!リンとフェイが気分悪くなってきたって言ってるー!あとエルシャが壊れたー!」
「「「えっ!」」」
話に夢中になって全然気にかけてなかった!
「うぅ……。目が……目が回りますぅ」
「世界がぐーるぐる……」
「あはははっ!どうせ私は脳筋の筋肉女だよ!乙女の心なんて持ったのがダメだったんだ!男なんて死んでしまえっ!」
「フェルトとレンはフェイを、ミルと女神はリンをお願いするわ!壊れたエルシャは私とゼロでどうにか落ち着かせるわ!」
「「うん!」」
何という対応の速さ。これがあの人と一緒にいた少女達の実力!
……まぁこんなところで使っても能力の無駄使いだけどね。
その後も女子会は続き、それは日が昇るまで終わることはなかった。
~おまけ~
ー女子会の裏で起こった悲劇ー
女子会が行われている頃、レオンと俺の二人は城で留守番をしていた。
留守番と言っても俺はレオンと同じ部屋で愚痴をこぼしあっていただけの退屈な時間。
そんな時、俺はレオンに聞いてみたいことがあったことを思い出し、その場で聞いた。
「なあ、レオン。お前さフェルトとやっちゃんたんだろ?」
「……あぁ」
「お前……フェラリオン様に殺されるな。どうするんだよ?」
俺はこれを聞きたかった。一体レオンはどうやってこの危機を乗り越えるつもりなのだろうか?
「はぁ……それが問題なんだよなぁ……」
「何が問題だってぇ?」
「だからフェルトとやっちゃっ…た……こ………と………」
俺達が話していた時、いつの間にか背後に帝王様が来ていた。
レオンは言っている最中に帝王様に気付いたが、時すでに遅し。帝王様は怒りで顔が真っ赤だ。
「レオンよ。お前とは話をしなければならないようだな」
指をポキポキ鳴らし、迫力のある顔でそんな事をいう。
「い、いや、今のは冗談って言うかっ!なんて言うかっ!」
「言い訳無用!さあ私に付いてこい!」
レオンは襟首を掴まれて引きずられていく。
「お、おい!助けてくれ!俺達友達だろ!?なっ!?」
「…………合掌」
「お前ぇぇぇ!!」
俺は手を合わせて、レオンを見送った。
そして数分後に、レオンの絶叫が城中に響き渡ったのだった。
「さあさあ皆グラスを持ってー!」
皆はそれを聞いてグラスを掲げる。
「それでは、今回の女子会にカンパーイ!」
「「「カンパーイ!」」」
そう、この集まりは女子会!女の子だけの秘密の会!当然彼はこの場にはいない!
参加しているのは女神の私を初めとして、ゼロ、レン、リン、ミル、ジュリの五人のパーティメンバー、ダルダナンのギルマスのエルシャ、それとフェイにフェルトの九人!
ちなみに彼はというと、今頃レオンと一緒に遊んでいる頃だろう。
「ねぇねぇ!女子会ってなにー?」
何をするのかをよく分かっていなかったゼロが、可愛く首を傾げた。
「簡単に言うと、ぶっちゃけたお話をするところね!普段言えない事とか愚痴とか言っちゃえばいいの!」
「んー?言えないことー?わたしないなー」
「だったら好きな人とかでいいんじゃない?」
「わたしマスターが好きー!」
な、なんて大胆な……!それに、計算してやってるわけじゃないのに周りを牽制するなんて!なんて恐ろしい子……!
「それはフェルトを抜いた全員か同じでしょうね」
「うんうん」
ジュリとミルはもう既に周知の事実として捉えているのね。知らないのは当の本人だけと……。鈍感も行き過ぎると罪よねぇ。
「私がレオン一筋だなんてっ!そんな嬉しいこと言わないでよ!わ、私はレオンに仕方なく付き合ってあげてるんだからねっ!勘違いしないでよねっ!」
「勘違いも何もないと思うのだが……」
フェルトはリアルツンデレ振りを発揮。いや、これはただのデレだね!
私はこの話からエルシャが告白していたのを思い出した。
「そういえば、あの人に告白したのってエルシャだけでしょ?」
「そ、そうらしいな」
「どんな感じで告白したの?」
「それ私も気になるわね。ぜひとも聞かせて欲しいわ」
「あたしも」
「私にも聞かせてください」
「うぅ……。は、恥ずかしいから言えんっ。あの時の私はどうかしてただけだもん!」
もんって、今のは素なのかな?そういえばエルシャはたまに女の子っぽく振る舞うことがあったような……。服を買いに行った時とかそんな時あったし。
「エルシャの女の子らしくなった状態見てみたいなー……チラッ……」
「い、いやぁぁ!!」
エルシャは逃げる様にお酒に走り、ひたすらに飲み始める。
「むふふっ。可愛いものよ!」
「女神、あなたって相当なドSね」
「そういうジュリだって鬼畜な時あるでしょ?」
「私はただ楽しい方に持っていってるだけよ」
「まぁ確かにねー。あの人って特に楽しそうな事を引き寄せるからねー」
最初に私がそうなるような称号をあげたのが原因なんだけどね!勇者みたいな本気でやばそうなやつを持ってくることもあるけど、大概は楽しいからオッケー!
「わたしはあるじさまに甘やかされたいんれすぅ!」
「私もれすぅ!」
「あらら。リンとフェイはすぐに酔っちゃった見たいね」
「酔ったおかげで本音を聞き出し易いからいいけどね」
私がフェイと一緒に来た時はフェイの無限ループにハマりそうで怖かった事もあったけどね。
「二人はあの人が好き?」
ミルが酔った二人にすかさず質問を投げかけた。
「「すきーっ!……えへへっ」」
「あらやだ。なんて可愛いのかしら」
「あ、あのお姉ちゃんが惚気てる……!」
フェルトが姉のフェイを見て驚愕の表情を浮かべた。
酔うって怖いよねぇ。フェイとかリンみたいに人を変えてしまうんだから!
「あの人のどこが好きなのですか?」
今度はこの二人にレンが質問を投げかけた。
「「えーっと?ぜんぶー?」」
「お姉ちゃんがおかしくなっちゃってるよぉ!」
「フェルト、諦めなさい。恋は盲目というのだし、今はどうしようもないわ」
あぁ、二人揃って首を傾げちゃって……。なんて可愛いの……。負けた気がする。
「そんな事より私は、フェルトがレオンとどこまでいったのかを知りたいわね」
「私も知りたいです。いくところまでいってしまわれた感じなのですか?」
「え、えっとね、それは……ダメっ。言えないっ!」
「その反応で充分わかった。大丈夫」
フェルトは既にいくところまでいってしまってるのね。
「ちなみにどっちが誘った?」
ミルがフェルトの際どいところを攻めていく。
「マ、マッサージしてもらってたらなし崩し的に……って何言わせるのっ!」
マッサージ?マッサージから発展しちゃったの?確かにあの人のマッサージはそれくらい気持ちいいけ……ど……?まさかっ!
「「「マッサージを詳しくっ!」」」
皆も同じことを思ったみたいでそこを突く。
「マ、マッサージ!?なんでっ!?」
「私達の想像通りならあの人が絡んでいることになるわ。……聞くけど、そのマッサージって今までのマッサージよりもものすごく気持ちよかったんじゃないの?それもそういう気分になるくらいの」
「う、うん。そうだけど……なんで知ってるの?」
「「「やっぱりかぁ……」」」
「えっ?なになに?なんなの?」
これはあの人が一枚噛んでるなぁ。それもレオンから頼むとは思えないから、あの人が自主的に。
「フェルト、よく聞きなさい!もし、レオンが他の人にマッサージする事になったら、何がなんでも阻止するのよ!じゃないと簡単に浮気されてしまうわ!」
「な、なんで?」
「今のレオンはあの人と同じ。マッサージをすると何らかのスキルが発動してる」
「スキル?」
「主様はマッサージ……私達の中ではふにふにとなっていますが、それをする時にとても気持ちよくなるスキルを持っているのです。恐らく、レオン様に主様がそのスキルを譲渡したのでしょう」
「な、なるほど!だからあんなに気持ちよかったのね……!」
レオンはあの人の巻き添えを食らったのね。可哀想に……。
「……ちなみになんだけど、そのスキルを持ってると、してる時も気持ちよくなったりすることってある?」
「「「私達はしたことないから分からない」」」
ですよねー!ちなみに私もしたことないですよ!だって女神だし!神聖な女神だし!誰にも怪我されない女神だし!
「そ、そっかぁ!してる時に何回か意識無くなっちゃってて、もしかしてって思っただけだから気にしないでっ!」
「意識が無くなるって……」
「とてもハード」
「そこまでやってしまうのですか……。時代は進んでいますね……」
そ、想像を超えてた!というか全然想像がつかない!
「ねぇねえ!リンとフェイが気分悪くなってきたって言ってるー!あとエルシャが壊れたー!」
「「「えっ!」」」
話に夢中になって全然気にかけてなかった!
「うぅ……。目が……目が回りますぅ」
「世界がぐーるぐる……」
「あはははっ!どうせ私は脳筋の筋肉女だよ!乙女の心なんて持ったのがダメだったんだ!男なんて死んでしまえっ!」
「フェルトとレンはフェイを、ミルと女神はリンをお願いするわ!壊れたエルシャは私とゼロでどうにか落ち着かせるわ!」
「「うん!」」
何という対応の速さ。これがあの人と一緒にいた少女達の実力!
……まぁこんなところで使っても能力の無駄使いだけどね。
その後も女子会は続き、それは日が昇るまで終わることはなかった。
~おまけ~
ー女子会の裏で起こった悲劇ー
女子会が行われている頃、レオンと俺の二人は城で留守番をしていた。
留守番と言っても俺はレオンと同じ部屋で愚痴をこぼしあっていただけの退屈な時間。
そんな時、俺はレオンに聞いてみたいことがあったことを思い出し、その場で聞いた。
「なあ、レオン。お前さフェルトとやっちゃんたんだろ?」
「……あぁ」
「お前……フェラリオン様に殺されるな。どうするんだよ?」
俺はこれを聞きたかった。一体レオンはどうやってこの危機を乗り越えるつもりなのだろうか?
「はぁ……それが問題なんだよなぁ……」
「何が問題だってぇ?」
「だからフェルトとやっちゃっ…た……こ………と………」
俺達が話していた時、いつの間にか背後に帝王様が来ていた。
レオンは言っている最中に帝王様に気付いたが、時すでに遅し。帝王様は怒りで顔が真っ赤だ。
「レオンよ。お前とは話をしなければならないようだな」
指をポキポキ鳴らし、迫力のある顔でそんな事をいう。
「い、いや、今のは冗談って言うかっ!なんて言うかっ!」
「言い訳無用!さあ私に付いてこい!」
レオンは襟首を掴まれて引きずられていく。
「お、おい!助けてくれ!俺達友達だろ!?なっ!?」
「…………合掌」
「お前ぇぇぇ!!」
俺は手を合わせて、レオンを見送った。
そして数分後に、レオンの絶叫が城中に響き渡ったのだった。
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