異世界に転生したので楽しく過ごすようです

十六夜 九十九

第17話 パーティを組むようです

 よ、ようやく王都に着いた……。

 ゼロはずっとふにふに言ってて、レンは時々トリップしてて、ミルはどんなことをされるか妄想してて……。

 こいつら俺の仲間なんだぜ?ふにふには危険だった。整体師のスキルを獲得してからは特に。

 どうしてこうなった…。

 だが、悔やんでも仕方がない。ふにふにしてしまったもんはしょうがないからな。

「ゼロとレンは人化解いとけよー。街中で3人の幼……女の子を連れてたらさすがになんか言われる」

「はーい」「分かりました」

「いま、3人の幼女って言おうとしたでしょ?」

「いえ!全く!滅相もごさいません!」

 あまりのことに強く否定してしまった。さすがにバレたか…?

「そう?ならいいけど」

 チョロくてよかったー!

「お客さん。ここまでだ。また来てくれや」

「ありがとうございました。ご縁があったらぜひ」

 俺達は馭者の人に俺を言って、馬車を降りる。

 さて、最初はっと。

『ふにふに?』

『気がはえーよ!まずはミルの冒険者登録からだ』

『あたしの?』

『そうだ。ミルは冒険者になってないだろ?身分証明ができるギルドカードは持ってて損はないし、クエストで金も稼げるし、いいことあるぞ?』

『わかった。冒険者になる』

『よし、じゃあまずは冒険者ギルドを探さないとな』

 今回は目の前に目的地があるとかじゃなかった。なんか新鮮で嬉しい。

 王都の街並みはダルダナンの街に比べて、全体的に建物が大きい。さすがは王都だ。

 ちなみにこの王都。グランザムって言う名前が付いている。だが、王都で分かるのでみんな王都って呼んでいるらしい。

 俺達が街並みを長めながら歩いていると、一際大きな建物が見えた。

 その建物には冒険者ギルドと書いてあった。俺達の目的地だ。

『あの大きな建物がそうだ。あそこでミルの冒険者登録をする』

『わかった』

 冒険者ギルドの中に入ると、中は広く、清潔感が溢れていた。冒険者も沢山いて、賑わっている。ダルダナンと違って、小悪党のような奴は見当たらない。

 さすが王都のギルド。格が違う。

 俺は感動しながら、みんなを連れて受付へ。

「すいません」

「どうされました?」

「ミル…この子の冒険者登録したいんですけど」

「かしこまりました。ギルドカードの説明は?」

「あ、結構です」

「かしこまりました。それではこの水晶に手をかざしてください」

「ほら、ミル」

「ん」

 ミルが手をかざし、出てくるのは青色のギルドカード。

 ミルは水晶から出てくるのを驚いた様子で見ていた。

 ギルドカードが出来たので挨拶をして、後にしようと思ったのだが受付の人に呼び止められた。

「お2人はパーティ組まないのですか?」

「パーティ?」

「おや?パーティを知らないのですね?」

「パーティを組んでる人は見たことありますよ」

 トミー率いる牛若丸とロニ率いる片翼の翼はな。

「では、詳細までは知らないと?」

「まぁそうですね」

「でしたらパーティの説明をしましょうか?」

「あー長くないようならお願いします」

「すぐに終わりますので、説明をさせていただきます」

「あ、はい」

 結局説明されるんですね。

「パーティというのは、2人以上の冒険者が組んで、一緒に冒険をする集まりを言います。パーティを組むと、1人では出来ない戦いができ、バランスが取れた戦闘をすることができます。クエストなどはパーティで受けると、報酬がパーティに渡されます。その時はパーティ内で分配したり、パーティの1人が管理したりすると良いでしょう。ランクアップはパーティ全員に蓄積されるので安心してください。以上がパーティの主な説明になります」

 なるほど。戦闘とかではメリットになるのか。だが、武具を揃えようとすると報酬が足りなくなると。一長一短だな。

「それでどうしますか?」

「まぁ2人で、デメリットもあんまりないだろうし組むか。ミルもそれでいいな?」

「ん」

「ではこちらにパーティメンバーの名前を」

 俺達は出された紙に名前を書いて提出した。後は水晶に手をかざすだけ。水晶まじ便利だよな。

「はい。これでパーティとみなされました。これからも頑張って下さい」

 ミルの冒険者登録もしたし、パーティも組んだし、もうここですることはないだろう。

 俺達は冒険者ギルドを後にした。

『さぁ次は…』

『ふにふに?』

『だから気がはえーよ!』

 ゼロはふにふにの事しか考えてないな。

『次は王城に行って、式典の事を聞くんだよ』

『式典?』

『ああ、ミルはそれも知らないんだったな。俺はドラゴンを倒したから竜殺しの称号を国王にもらうことになってる』

『そうなの?』

『はい、そうです。ただ主様はめんどくさいのですっぽかそうかなとか考えてます』

『ちょ、レン!な、何言ってるんだ!そんな訳ないだろ!』

『でもマスターの考えてること以心伝心だっけ?それで伝わってくるよ?』

『なん…だと…』

 いつの間に以心伝心が発動を…。これでは当日に熱が出て、出れなくなったとか言えなくなった。

『ああ、それで時々めんどくさいなぁって感じのイメージが流れて来てたのね。気にしたら負けだと思ってあんまり気にしてなかった』

 ミルにも伝わってたようだ。ミルもだんだん俺達に慣れてきたようだ。……それがいい方向になのかは疑問だがな。

 俺達は王都でも1番目立つ王城を目指す。

 王城の目の前にくれば王城の凄さが良くわかる。日本で言うと西欧の立派な城って感じ。

 俺は門の前に立っている兵士に、式典のことを尋ねてみることにした。

「あのー?俺、式典に参加するものなんですけど…」

「………確かに情報通り、黒い竜の紋が入った剣を携えているな。ここで待っていろ。指示を仰いでくる」

 兵士は王城に入っていった。

 兵士が出てきたのはそれから少ししてからだ。

「中に案内しろとの事だ。ついてこい」

「パーティメンバーは?」

「ここで待ってもらえ。武器も一緒に預けておけ」

「分かりました」

『それじゃみんな大人しく待っていろよ?分かった?』

『はーい』『はい』『ん』

「ではいくぞ」

「はい」

 そして、俺は王城に入っていった。

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