異世界に転生したので楽しく過ごすようです

十六夜 九十九

第14話 街から出発するようです

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これからもこの作品をよろしくお願いします。



 俺達がドラゴンを倒して1週間がすぎた。

 街には平穏が戻り、商店街はとても賑わっている。

 この1週間俺がしたことと言えば金稼ぎくらい。

 ドラゴン討伐の報酬が貰えるまで金欠だったからしょうがないよね。

 そして今日、その報酬が貰えるのだ。総額600万G。月に30万G使っても20ヵ月は何もしなくていい計算である。

 そうそう、この1週間で色々分かった事がある。まず時間の流れだが、全て地球と同じだった。なんの偶然か分からないが、俺は地球の時間の流れに慣れているのでなんの問題もない。

 次に俺がいる国の事だが、バドム王国と言うらしい。他の国はダムル帝国とサーリ聖国がある。王国は国王が、帝国は帝王が、聖国は聖王が国を統治しているらしい。

 この情報は全てエルシャさんに聞いたものだ。

 エルシャさんはドラゴン討伐以来なにかと優しい。一緒にご飯食べに行ったり、買い物に付き合ったり、なにがしたいのかよく分からん。

 今俺はそのエルシャさんの目の前にいる。報酬を受け取るためだ。

「それじゃ君に約束通り600万Gだ」

「おぉ、ありがとうございま。」

「それとひとつ報告がある」

「なにかあったんですか?」

「君が王都の王城に招待された。君に竜殺しの称号を授ける式典をするためらしい」

「マジですか…。それって辞退できますかね?」

「出来るけどあまりしない方がいいと思うぞ?ましてやSSランクになるためなら確実に行くべきなんだが...君はなる気はないんだったな」

「あははは…」

 エルシャさんにすごく呆れられた。

「でもまぁ王都には行くつもりだったんで、王城に入れるっていう特典が付いてきたって思うことにします」

 エルシャさんは呆れた顔から一転、笑を浮かべながらうんうん頷いている。

「それでいつ式典は始まるんですか?」

「今から1週間後だね。ここから王都まで馬車で5日くらいだから十分に余裕はあるぞ」

 5日か。もしもの事があったら遅れる可能性もある訳だ。というか俺にもしもの事が起きないわけがない。

「俺、今日街を出発します」

「君とはもう少し一緒に居たかったのだがな……」

「俺もエルシャさんといた時は楽しかったですよ」

 王都に行けばエルシャさんとはしばらく会えなくなるだろう。エルシャさんもそれは分かってるみたいだ。

「それじゃ、エルシャさん俺はここで。出発するのは早いに越したことはないですから」

「そうか…」

「エルシャさんお元気で。また会いま「待って!」」

 なんとエルシャさんが俺に抱きついて泣きそうになっているではないですか。

「えっと?エルシャさん?」

「あ、あのね。私あなたにお礼がしたくて、プレゼント買ってあるの。も、もし良かったら受け取ってくれない?」

 おお、久しぶりの素のエルシャさんだ。

「ええ、もちろん。エルシャさんからのプレゼントとか嬉しいかぎりですよ」

 俺がそう言うとエルシャさんは顔を真っ赤にしてプレゼントを渡してくれた。

「な、中身は私が居ないときに見て!メ、メッセージカードも入れてあるから読んでね!」

「わかりました。それじゃエルシャさん。また会いましょう」

「はい」

 俺はここでエルシャさんと別れた。エルシャさんにはまた会えるだろう。そんな気がする。

 エルシャさんと別れた俺は王都行きの馬車を探している。

 まず、馬車がどこにあるのかすら知らない。

『ゼロかレンは馬車がどこにあるか知ってる?』

『何言ってるのマスター?』

『え?だから馬車どこにあるのって…』

『主様。馬車なら目の前に』

『えっ?』

 なんと馬車が目の前に止まっているではないですか。しかも王都行きの馬車が。……創造の効果が偉大すぎて困るわ。

『すごい偶然もあるもんだなー』

 混乱して棒読みになってしまった。

『よし!それじゃこの馬車に乗って王都に行くか!』

『うん!』『はい!』

 俺は馭者の人に王都までのお金を払って乗せてもらった。

「お客さん!そろそろ出発だ!」

 馭者の人がそう言ってすぐに出発になった。俺達の馬車の後ろにもう一つ馬車が付いてきている。

 聞くところによると、後ろの馬車は護衛の馬車らしい。冒険者が護衛のクエストを受けてくれてるらしい。

 おっ、南門が見えてきた。もうそろそろこの街から出るのか。この街は俺がこの世界で初めて着いた街だ。なんか感慨深いものがあるな。

「そろそろ街を出るぞ!もう戻ってこれねぇかもしれねぇからしっかりと目に焼き付けとけよ!」

 この馭者、さらっと怖いことを言ってくれる。しかし馭者の言う通りでもあるな。道中どうなるか分からないし。

 俺は馭者の言う通り忘れないようにしっかりと目に焼き付けた。

 こうして俺達はダルダナンの街を出発した。

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