転生王子は何をする?
第129話 とある休日のドタバタ 4(???編)
数十分後、トリス達の下に来客があったとの報せが届き、トリスは非常に嫌そうな顔を、ホルスは嬉しそうな顔をする。
そしてその5秒後、元気良く扉が開かれ、とある人物が飛び込んでくる。
「おはようございます!」
「お引き取り下さい!」
「酷い!」
元気良く挨拶してきたその人物に対して、即『帰れ』と伝えるトリス。
だがその人物はトリスとのやり取りを楽しんでいるようで、言うほど傷付いていなそうである。
「おはようございます、マルティナ先生。」
そう。今日のトリスの監視役とは、マルティナの事である。
ホルスは、今まででの様子からトリスの天敵をしっかりと見抜いており、今回の策に出たのだ。
「ホルスト君。今日はトリス君の相手役に私を選んでくれてありがとうね。昨日から楽しみで、夜眠れなかったよ!」
「いえいえ。先生に喜んで貰えて、僕としても嬉しいです。」
「あ、相手役?まさかそれは…。」
ホルスとマルティナのやり取りに、トリスは顔を引き攣らせながら呟く。
そんなトリスの呟きに、ホルスはご丁寧に返答をしてくる。
「相手役っていうのはね、トリスが今日1日暇しないように、トリスには先生を恋人役に、デートをしてもらう事になったって事だよ。」
「…教師として、それを了承して良いんかい。」
せめてもの抵抗として、トリスの感覚では『ダメだろ』と思っている意見を言う。
しかしホルスからは思わぬ返事が返ってくる。
「前から思ってたんだけどさ、それの何がいけないの?確かに成績とか絡んでくる関係は良くないと思うけど、別に先生と生徒で恋に落ちても、何ら問題は無いよね?特にトゥール学園は、先生も生徒も婚姻できる年齢なんだから。」
決定的な価値観の違いに、トリスは頭が真っ白になる中何とか反論する。
「…え?そ、それは、あの、学業に支障が…。」
「なら全人類、大人でも仕事に支障が出るから、恋愛はしちゃ駄目なの?それだと、あと100年しない内に、人類滅びるけど?」
しかし破れかぶれの反論だったため、呆気なくホルスに潰されてしまう。飛躍しすぎな気もしないではないが、今のトリスにそんな事を考える余裕は無く、大人しくホルスの言い分を認める。
「い、いえ、そんな事は無いです。…あれ?そう言えば、何で学生と先生の恋愛は駄目なんだ?何かしらの合理的且つ相当な理由はあるのか?そしてその理由となる問題と、恋愛との間に因果関係は存在するのか?」
ホルスに言いくるめられ、最初は戸惑っていたが、そのうち『確かに』と思考の海に没頭してしまう。
「お、お〜い?…ちょっと追い詰め過ぎたかな?」
いきなり様子がおかしくなったトリスに、ホルスは戸惑い、心配する。気が触れてしまったのかと。
しかしそんなトリスに、マルティナは遠慮無しに近付いていく。
「トリス君!今日1日よろしくね!」
『ガバッ』と音がしそうな勢いで、トリスに抱きつくマルティナ。
「いきなり何事!?って先生!?」
唐突な意識外からの衝撃で、一瞬何が起こったか分からなかったトリスは戸惑うが、すぐに体に感じる感触と、顎の下にある頭を見て状況を察して叫ぶ。
「漸く私の事受け入れる気になってくれて、嬉しいよ!ギューッ!」
「な、な、何してんですか!?てか、受け入れるだなんて、一切言っとらんわ〜!!」
朝から屋敷中にトリスの悲鳴が響き渡るという、そんな、騒がしい1日の幕開けであった。
「ひ、酷い目にあった…。」
数分後、どうにか抱擁から開放されたトリスは、這う這うの体で近くにあったソファに倒れ込むようにして座る。
「ははは。トリスでも、あそこまで焦るとは、マルティナ先生は凄いな〜。」
「あ、ありがとう。トリス君とデート出来るかと思ったら、嬉しくて感情が抑えられなかったの。ホルスト君が見ている前なのに、変なとこ見せちゃってごめんね。」
ホルスは呑気に感想を述べている。
マルティナは頬を少し赤くし、照れている。どうやら彼女にも、恥ずかしいという概念があったようだ。←この上なく失礼
「俺は了承した覚えは…いえ、何でも無いです。有難く先生とご一緒させていただきます。」
トリスはここまできて尚、抵抗を試みるが、ホルスからは鋭い視線、マルティナからは涙目で縋るような視線をくらい、根負けしてしまうのだった。
彼がもう少し鬼畜生であれば、マルティナを振り切る事も出来たのであろうが、そうなるとホルスとは決定的に馬が合わなくなってしまう。
結果として、トリスは不本意ながらも、マルティナとデートする事が決定したのだった。
そしてその5秒後、元気良く扉が開かれ、とある人物が飛び込んでくる。
「おはようございます!」
「お引き取り下さい!」
「酷い!」
元気良く挨拶してきたその人物に対して、即『帰れ』と伝えるトリス。
だがその人物はトリスとのやり取りを楽しんでいるようで、言うほど傷付いていなそうである。
「おはようございます、マルティナ先生。」
そう。今日のトリスの監視役とは、マルティナの事である。
ホルスは、今まででの様子からトリスの天敵をしっかりと見抜いており、今回の策に出たのだ。
「ホルスト君。今日はトリス君の相手役に私を選んでくれてありがとうね。昨日から楽しみで、夜眠れなかったよ!」
「いえいえ。先生に喜んで貰えて、僕としても嬉しいです。」
「あ、相手役?まさかそれは…。」
ホルスとマルティナのやり取りに、トリスは顔を引き攣らせながら呟く。
そんなトリスの呟きに、ホルスはご丁寧に返答をしてくる。
「相手役っていうのはね、トリスが今日1日暇しないように、トリスには先生を恋人役に、デートをしてもらう事になったって事だよ。」
「…教師として、それを了承して良いんかい。」
せめてもの抵抗として、トリスの感覚では『ダメだろ』と思っている意見を言う。
しかしホルスからは思わぬ返事が返ってくる。
「前から思ってたんだけどさ、それの何がいけないの?確かに成績とか絡んでくる関係は良くないと思うけど、別に先生と生徒で恋に落ちても、何ら問題は無いよね?特にトゥール学園は、先生も生徒も婚姻できる年齢なんだから。」
決定的な価値観の違いに、トリスは頭が真っ白になる中何とか反論する。
「…え?そ、それは、あの、学業に支障が…。」
「なら全人類、大人でも仕事に支障が出るから、恋愛はしちゃ駄目なの?それだと、あと100年しない内に、人類滅びるけど?」
しかし破れかぶれの反論だったため、呆気なくホルスに潰されてしまう。飛躍しすぎな気もしないではないが、今のトリスにそんな事を考える余裕は無く、大人しくホルスの言い分を認める。
「い、いえ、そんな事は無いです。…あれ?そう言えば、何で学生と先生の恋愛は駄目なんだ?何かしらの合理的且つ相当な理由はあるのか?そしてその理由となる問題と、恋愛との間に因果関係は存在するのか?」
ホルスに言いくるめられ、最初は戸惑っていたが、そのうち『確かに』と思考の海に没頭してしまう。
「お、お〜い?…ちょっと追い詰め過ぎたかな?」
いきなり様子がおかしくなったトリスに、ホルスは戸惑い、心配する。気が触れてしまったのかと。
しかしそんなトリスに、マルティナは遠慮無しに近付いていく。
「トリス君!今日1日よろしくね!」
『ガバッ』と音がしそうな勢いで、トリスに抱きつくマルティナ。
「いきなり何事!?って先生!?」
唐突な意識外からの衝撃で、一瞬何が起こったか分からなかったトリスは戸惑うが、すぐに体に感じる感触と、顎の下にある頭を見て状況を察して叫ぶ。
「漸く私の事受け入れる気になってくれて、嬉しいよ!ギューッ!」
「な、な、何してんですか!?てか、受け入れるだなんて、一切言っとらんわ〜!!」
朝から屋敷中にトリスの悲鳴が響き渡るという、そんな、騒がしい1日の幕開けであった。
「ひ、酷い目にあった…。」
数分後、どうにか抱擁から開放されたトリスは、這う這うの体で近くにあったソファに倒れ込むようにして座る。
「ははは。トリスでも、あそこまで焦るとは、マルティナ先生は凄いな〜。」
「あ、ありがとう。トリス君とデート出来るかと思ったら、嬉しくて感情が抑えられなかったの。ホルスト君が見ている前なのに、変なとこ見せちゃってごめんね。」
ホルスは呑気に感想を述べている。
マルティナは頬を少し赤くし、照れている。どうやら彼女にも、恥ずかしいという概念があったようだ。←この上なく失礼
「俺は了承した覚えは…いえ、何でも無いです。有難く先生とご一緒させていただきます。」
トリスはここまできて尚、抵抗を試みるが、ホルスからは鋭い視線、マルティナからは涙目で縋るような視線をくらい、根負けしてしまうのだった。
彼がもう少し鬼畜生であれば、マルティナを振り切る事も出来たのであろうが、そうなるとホルスとは決定的に馬が合わなくなってしまう。
結果として、トリスは不本意ながらも、マルティナとデートする事が決定したのだった。
コメント
小説書いてみたいけど内容が浮かばない人
…ホルスもトリスもお互い様だな