転生王子は何をする?
第93話 驚愕の事実
「そうですね。一言で言えば、それは「先生〜、そんな事よりも、今日の放課後に競技場をお借りできませんか?」…トリス君。何で先生の話を遮ったのかな?」
マルティナが凄い良い笑顔で口を開くと、それに被せるようにトリスが発言する。
「いや、正直どうでも良いので。それよりも、自分やそちらにいらっしゃる、テクラ・ヴァイスコップさんにとっては、競技場を借りる方が最優先ですし。で、どうですか?」
自分とマルティナの関係を『どうでも良い事』とバッサリ切り捨てるトリス。トリスとしては、こちら方面の話で目立つのは何としてでも避けたいと考えているため、話題の修正には必死なのだ。
「ぶ〜、そんな〜。ま、でもまだまだ時間は沢山あるんだし、これからじっくりと時間をかけて…。コホン!それよりも、何故競技場を借りたいんですか?」
マルティナは文句を垂れていたが、勝手に納得して真面目な先生モードで聞き返してくる。
「あ〜、そうですねぇ。あ、こういう事にしておきましょうか。自分次席入学じゃないですか。」
『は!?』
トリスの爆弾発言に、クラス中の者達は一斉に声を上げてしまう。
だがそんな事は気にせず、トリスとマルティナはどんどん話を続けていく。
「はい、そうですね。」
「それと俺は平民じゃないですか。それで、俺のような平民が、次席入学なんて出来る訳が無い。ということで、皆さんに実力をお見せするということで、テクラさんが俺に協力してくださるという設定で良いですか?」
「う〜ん…。分かりました、許可します。」
マルティナは、少し悩んだ素振りを見せたものの、意外とあっさり許可する。が、そこに切り込む1人の女生徒。
「ちょ、ちょっと待ってください!こ、この男が次席入学!?そ、それは事実なんですか!?」
勿論決闘の当事者であるテクラだ。
信じられない事実を聞かされ、完全に混乱しているようだ。
「ありゃ?信じてません?なら…お、あったあった。はい、入学許可証。」
トリスは、机に掛けてあったアイテムボックスから、氏名や身分、点数等が表記されている入学許可証を取り出してテクラに渡してやる。
「…は!?ま、まさか貴方は、ホルスト様と並び立つ非常識コンビの片割れ!弓で貫けない筈の的や矢自体を貫き、初級魔法を放てばミスリル鉱石で出来た的を貫通させ、挙句には長年仕留められなかった、マルティナ先生の心さえ貫いた、あの貫通のトリス!?」
「ちょっと待てい!!なんだその不名誉な二つ名は!!それを別の言語に変換して、音だけ聞くと物凄く最悪な二つ名になるぞ!?」
トリスは半ば悲鳴に近い声をあげる。自身の気付かないうちに、何とも言えない二つ名が付いていれば、当然悲鳴もあげたくはなるであろう。
「やだ!貫かれただなんて!やっぱり、そういうのはもっと親しくなってからで〜。」
「ヲイ!!その行は2回目だから!ってそんな事よりも、早くホームルームやらないと!必要な説明とかあるんですよね!?」
カオスな雰囲気に耐えきれなくなったトリス。ここはもうマルティナに正常に戻ってもらう他は無いため、必死にマルティナを正気に戻そうと呼びかける。
「あ、そうでした。は〜い、皆さん落ち着いてください。では、今後の日程とか説明しますね。」
一瞬の変わり身で元に戻ったマルティナは、そのまま流れ作業のような速さで行事や授業についての説明をしていくのだった。
ホームルーム後、マルティナは『許可とってくるから、ちょっと待っててね〜』とトリスに言い、教室から出て行く。
それを見送ったトリスは、数秒もしないうちにホルスに耳打ちする。
「あ、ちょっとトイレ行ってくるわ。」
「え、なら僕も…って速っ!?」
ホルスが着いてきそうな雰囲気を醸し出したので、トリスは慌てて教室を後にする。それと同時に、ステータスをMP以外全て完全状態に戻して、マップを見つつマルティナを追う。
-何故だ?何でマルティナさんは、ここまで俺をあの時助けた奴だと確信してアプローチを仕掛けてくる?時と場合によっては、ちょっと手を回さないとヤバいかな?-
そう。トリスはマルティナに対して、危機感を抱いていたのだ。トリスが王族であると知る何者かが、何らかの魔法やスキルで彼女を操っている可能性や、若しくは彼女自身のスキルでトリスの正体に気付く事も考えられる。
普段、プライバシーやら何やらを気にして、人のステータスを覗く事を極力避けていたツケがまわったのだ。
-居た!魔力隠蔽の指輪を着けて、からの気配隠蔽。…鑑定!-
少し躊躇ってから、トリスは鑑定を使って歩いているマルティナのステータスを見る。
名前:マルティナ・アルムガルト
種族:人間族
年齢:22歳
Lv:45
HP:93
MP:432
STR:25
VIT:43
AGI:52
INT:297
LUK:測定不能
スキル: 棒術Lv:3 火魔法Lv:6 風魔法Lv:4 氷魔法Lv:8
             光魔法Lv:9 料理Lv:5 裁縫Lv:4 清掃Lv:5
             房中術Lv:2 天使の囁きLv:-
称号: アルムガルト侯爵家三女 夢見るお嬢様 
         天使 (トリスタン・ラ・トゥールにぞっこん)
「マジか。何だよ、この滅茶苦茶なステータスは…。」
ステータスに目を通したトリスは、呆然と呟いてしまのだった。
マルティナが凄い良い笑顔で口を開くと、それに被せるようにトリスが発言する。
「いや、正直どうでも良いので。それよりも、自分やそちらにいらっしゃる、テクラ・ヴァイスコップさんにとっては、競技場を借りる方が最優先ですし。で、どうですか?」
自分とマルティナの関係を『どうでも良い事』とバッサリ切り捨てるトリス。トリスとしては、こちら方面の話で目立つのは何としてでも避けたいと考えているため、話題の修正には必死なのだ。
「ぶ〜、そんな〜。ま、でもまだまだ時間は沢山あるんだし、これからじっくりと時間をかけて…。コホン!それよりも、何故競技場を借りたいんですか?」
マルティナは文句を垂れていたが、勝手に納得して真面目な先生モードで聞き返してくる。
「あ〜、そうですねぇ。あ、こういう事にしておきましょうか。自分次席入学じゃないですか。」
『は!?』
トリスの爆弾発言に、クラス中の者達は一斉に声を上げてしまう。
だがそんな事は気にせず、トリスとマルティナはどんどん話を続けていく。
「はい、そうですね。」
「それと俺は平民じゃないですか。それで、俺のような平民が、次席入学なんて出来る訳が無い。ということで、皆さんに実力をお見せするということで、テクラさんが俺に協力してくださるという設定で良いですか?」
「う〜ん…。分かりました、許可します。」
マルティナは、少し悩んだ素振りを見せたものの、意外とあっさり許可する。が、そこに切り込む1人の女生徒。
「ちょ、ちょっと待ってください!こ、この男が次席入学!?そ、それは事実なんですか!?」
勿論決闘の当事者であるテクラだ。
信じられない事実を聞かされ、完全に混乱しているようだ。
「ありゃ?信じてません?なら…お、あったあった。はい、入学許可証。」
トリスは、机に掛けてあったアイテムボックスから、氏名や身分、点数等が表記されている入学許可証を取り出してテクラに渡してやる。
「…は!?ま、まさか貴方は、ホルスト様と並び立つ非常識コンビの片割れ!弓で貫けない筈の的や矢自体を貫き、初級魔法を放てばミスリル鉱石で出来た的を貫通させ、挙句には長年仕留められなかった、マルティナ先生の心さえ貫いた、あの貫通のトリス!?」
「ちょっと待てい!!なんだその不名誉な二つ名は!!それを別の言語に変換して、音だけ聞くと物凄く最悪な二つ名になるぞ!?」
トリスは半ば悲鳴に近い声をあげる。自身の気付かないうちに、何とも言えない二つ名が付いていれば、当然悲鳴もあげたくはなるであろう。
「やだ!貫かれただなんて!やっぱり、そういうのはもっと親しくなってからで〜。」
「ヲイ!!その行は2回目だから!ってそんな事よりも、早くホームルームやらないと!必要な説明とかあるんですよね!?」
カオスな雰囲気に耐えきれなくなったトリス。ここはもうマルティナに正常に戻ってもらう他は無いため、必死にマルティナを正気に戻そうと呼びかける。
「あ、そうでした。は〜い、皆さん落ち着いてください。では、今後の日程とか説明しますね。」
一瞬の変わり身で元に戻ったマルティナは、そのまま流れ作業のような速さで行事や授業についての説明をしていくのだった。
ホームルーム後、マルティナは『許可とってくるから、ちょっと待っててね〜』とトリスに言い、教室から出て行く。
それを見送ったトリスは、数秒もしないうちにホルスに耳打ちする。
「あ、ちょっとトイレ行ってくるわ。」
「え、なら僕も…って速っ!?」
ホルスが着いてきそうな雰囲気を醸し出したので、トリスは慌てて教室を後にする。それと同時に、ステータスをMP以外全て完全状態に戻して、マップを見つつマルティナを追う。
-何故だ?何でマルティナさんは、ここまで俺をあの時助けた奴だと確信してアプローチを仕掛けてくる?時と場合によっては、ちょっと手を回さないとヤバいかな?-
そう。トリスはマルティナに対して、危機感を抱いていたのだ。トリスが王族であると知る何者かが、何らかの魔法やスキルで彼女を操っている可能性や、若しくは彼女自身のスキルでトリスの正体に気付く事も考えられる。
普段、プライバシーやら何やらを気にして、人のステータスを覗く事を極力避けていたツケがまわったのだ。
-居た!魔力隠蔽の指輪を着けて、からの気配隠蔽。…鑑定!-
少し躊躇ってから、トリスは鑑定を使って歩いているマルティナのステータスを見る。
名前:マルティナ・アルムガルト
種族:人間族
年齢:22歳
Lv:45
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スキル: 棒術Lv:3 火魔法Lv:6 風魔法Lv:4 氷魔法Lv:8
             光魔法Lv:9 料理Lv:5 裁縫Lv:4 清掃Lv:5
             房中術Lv:2 天使の囁きLv:-
称号: アルムガルト侯爵家三女 夢見るお嬢様 
         天使 (トリスタン・ラ・トゥールにぞっこん)
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