転生王子は何をする?
第88話 学園へと向かいます
マッド達を捕まえてから、早2か月が経過し、トリス達はいよいよ学園への入学が間近となっていた。
あれから助けた人質やマッド達がどうなったのかその後を説明しよう。
まずマッド達だが、騎士団に引渡した後調査がなされたのが、余程用意周到に証拠を消していたのか、所属が全く分からなかった。そのため拷問にかけられたのだが、マッド達は決して情報を吐く事はせず、結局一月後に斬首刑に処された。
一方捕えられていた者は20人居たのだが、そのうち10人はトリス達に道中襲い掛かって来た者達で、その身体は魔物の特徴が見られ、回復の仕方も分からないためその身柄は未だに拘束されたままだ。
リアとリタを含め9人は、まだ実験材料とされていなかったようで、特に被害を被ることもなく、それぞれ普通の生活に戻っていった。
そして最も問題なのが、残りの1人である魔王もどきだ。ホルスにより縛り上げられていたはずなのだが、どうやらトリス達が戻ってくる前に意識を取り戻して脱走したようだ。魔王もどきは他の検体と同じように黒装束であったため、詳しい容姿は不明なのだが、縛り上げた際にホルスが身体付きから女性であるとのことだった。それを知ったリアやリタからホルスが問い詰められるというイベントが発生したが、それは今は置いておく事にする。
また、捕えられていた者の1人が、研究員の何人かが隣国フォルツ王国の地名を言いながら、帰りたいと言っていたと情報提供したため、フォルツ王国が関与していることが当然疑われたのだが、明確な証拠が無い以上問いただせる訳もなく事件の真相は闇へと葬り去られたのだった。
「…というのが、ここ2ヶ月で分かったことだ。」
「ん?何が?」
入学式へと向かう馬車の中、唐突に意味不明な事を呟いたトリスに、不思議そうに聞いてくるホルス。
「え?いや?えっと、独り言だから気にしないでくれ。たまにあるだろ?意味も無いのに呟きたくなること。」
トリス自身何故変な事を口走ったのか分からないため、首を傾げながら言う。
「う〜ん、まぁそうだね。でもこれから入学式だっていうのに、周りから変な目で見られちゃうよ?」
「お、おう、気を付けるよ。それよりも、これからどんな学園生活になるのか楽しみだな!」
「うん!良い人達に巡り会えるといいね!あ、マリーとリアとリタと同じクラスになれればいいんだけど。あとトリスも。」
微妙に意味合いの異なった事を言いながら、これからの学園生活に思いを馳せる。
「俺はついでかい。」
「いやいや、そんな事は無いよ。ただトリスは何故か同じクラスだっていう確信というか、自信があるんだ。」
ホルスの言い様に、トリスは素早くツッコミを入れるが、ホルスから思わぬ返答がくる。
「そ〜なん?何か俺も似たような事感じてるよ。ま、俺達がここで悶々としてても、既にクラスは決定してるんだ。なるようになるさ。」
「そう、だね。まぁ、クラスが違くても、家は一緒なんだから、疎遠になるってわけじゃないよね。」
ホルスは、万が一にでも人生初の心を許せる友人であるトリスが、別のクラスになり、一緒に学園生活を送る時間が減ることを危惧しているようで、自信があると言っていたもののやはり不安そうにしている。
「勿論。ま、喧嘩した時は超気まずそうだけどな。」
「あははは!それもそうだね!うん。」
そんなホルスに、トリスは冗談を交えながら言う。すると心配してもしょうがないと幾分か割り切ったのか、笑いながらトリスの言葉に頷く。
「…お、着いたか?」
レンバッハ家の屋敷から10分程で学園に着いたようで、馬車が止まったのでトリス達は降りる準備をする。とは言っても、荷物は全てアイテムボックスに入っているので、それ1つを肩にかければそれで準備完了であるのだが。
「よし!行こう!」
「おう。」
こうして、2人は学園生活の第1歩を踏み出すのだった。
あれから助けた人質やマッド達がどうなったのかその後を説明しよう。
まずマッド達だが、騎士団に引渡した後調査がなされたのが、余程用意周到に証拠を消していたのか、所属が全く分からなかった。そのため拷問にかけられたのだが、マッド達は決して情報を吐く事はせず、結局一月後に斬首刑に処された。
一方捕えられていた者は20人居たのだが、そのうち10人はトリス達に道中襲い掛かって来た者達で、その身体は魔物の特徴が見られ、回復の仕方も分からないためその身柄は未だに拘束されたままだ。
リアとリタを含め9人は、まだ実験材料とされていなかったようで、特に被害を被ることもなく、それぞれ普通の生活に戻っていった。
そして最も問題なのが、残りの1人である魔王もどきだ。ホルスにより縛り上げられていたはずなのだが、どうやらトリス達が戻ってくる前に意識を取り戻して脱走したようだ。魔王もどきは他の検体と同じように黒装束であったため、詳しい容姿は不明なのだが、縛り上げた際にホルスが身体付きから女性であるとのことだった。それを知ったリアやリタからホルスが問い詰められるというイベントが発生したが、それは今は置いておく事にする。
また、捕えられていた者の1人が、研究員の何人かが隣国フォルツ王国の地名を言いながら、帰りたいと言っていたと情報提供したため、フォルツ王国が関与していることが当然疑われたのだが、明確な証拠が無い以上問いただせる訳もなく事件の真相は闇へと葬り去られたのだった。
「…というのが、ここ2ヶ月で分かったことだ。」
「ん?何が?」
入学式へと向かう馬車の中、唐突に意味不明な事を呟いたトリスに、不思議そうに聞いてくるホルス。
「え?いや?えっと、独り言だから気にしないでくれ。たまにあるだろ?意味も無いのに呟きたくなること。」
トリス自身何故変な事を口走ったのか分からないため、首を傾げながら言う。
「う〜ん、まぁそうだね。でもこれから入学式だっていうのに、周りから変な目で見られちゃうよ?」
「お、おう、気を付けるよ。それよりも、これからどんな学園生活になるのか楽しみだな!」
「うん!良い人達に巡り会えるといいね!あ、マリーとリアとリタと同じクラスになれればいいんだけど。あとトリスも。」
微妙に意味合いの異なった事を言いながら、これからの学園生活に思いを馳せる。
「俺はついでかい。」
「いやいや、そんな事は無いよ。ただトリスは何故か同じクラスだっていう確信というか、自信があるんだ。」
ホルスの言い様に、トリスは素早くツッコミを入れるが、ホルスから思わぬ返答がくる。
「そ〜なん?何か俺も似たような事感じてるよ。ま、俺達がここで悶々としてても、既にクラスは決定してるんだ。なるようになるさ。」
「そう、だね。まぁ、クラスが違くても、家は一緒なんだから、疎遠になるってわけじゃないよね。」
ホルスは、万が一にでも人生初の心を許せる友人であるトリスが、別のクラスになり、一緒に学園生活を送る時間が減ることを危惧しているようで、自信があると言っていたもののやはり不安そうにしている。
「勿論。ま、喧嘩した時は超気まずそうだけどな。」
「あははは!それもそうだね!うん。」
そんなホルスに、トリスは冗談を交えながら言う。すると心配してもしょうがないと幾分か割り切ったのか、笑いながらトリスの言葉に頷く。
「…お、着いたか?」
レンバッハ家の屋敷から10分程で学園に着いたようで、馬車が止まったのでトリス達は降りる準備をする。とは言っても、荷物は全てアイテムボックスに入っているので、それ1つを肩にかければそれで準備完了であるのだが。
「よし!行こう!」
「おう。」
こうして、2人は学園生活の第1歩を踏み出すのだった。
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コメント
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学園キター!