転生王子は何をする?
第78話 入学前 14
「なるほど。君達が捕まってから、俺達に見つかるまでそんなに長い時は経っていないと。」
「はい、そうです。学園に受かってから、暇つぶしで森の探索をリタとしていたんです。そしたら迷ってしまい、気が付いたら洞窟に入っていたんです。そこで黒装束の人達に拘束されて、実験を…。」
そこまで言って、思い出したくない事を思い出してしまったのか、言葉を詰まらせるリア。そんなリアの手をとってホルスが優しく諭すように言う。
「色々情報ありがとう。こうなれば、後は僕達がどうにかするよ。一応追っ手があるかもしれないからリアさんには一緒に来てもらうけど、君には絶対に手を出させないと約束する。信じられないかもしれないけど、こう見えて僕達は結構強いんだ。」
見る者全てを魅了する天使のような笑みで、リアに言うと、当のリアは一瞬で顔を真っ赤にして首縦にガクガクと振っている。
この男、この行動が計算されているように見えるのだが、実は素でやっている。だからこそ天然ジゴロだなんて称号が付いているのだが。
「おうおう。ここまで来て女の子を引っ掛けてるよ。流石はホルスだよ。」
「は?何の話?」
トリスの呆れた様子の声に、心底不思議そうな顔で振り返るホルス。その顔に一発拳を叩き込みたくなったが、リアを怯えさせる訳にはいかないので、グッと堪えてトリスは話題を変える。
「何でもない。それよりも、早く行こうか。早くしないと日が暮れる。」
「うん、そうだね。今の時期は日が暮れるの早いから、さっさと行こうか。」
ホルスはそう言うと、リアの来た方角へと向かう。
「はい、お願いします。む、無理はしないでくださいね。」
余裕そうな2人に比べ、物凄く不安そうな顔をしているリアを見て、トリスは冗談めかして言う。
「大丈夫大丈夫!ホルス1人に対して一個師団相手でもまだ足りないくらいだから!ホルス仕留めたいなら、それこそ神でも相手しないと無理じゃないかな?」
この世界では、一個師団は約7000人程だ。Sランク冒険者なら一国を相手に出来ると言われているのでSランク以下だが、一個旅団を相手に出来ると言われているAランク冒険者よりも強いという認識になる。事実ホルスなら一国相手取っても、上手く立ち回れば壊滅くらいは出来るので、嘘ではない。
だが、冗談めかして言っているためかリアは本気だと思わなかったようだ。
「ふふふ。元気づけて下さって、ありがとうございます。いざとなれば、私を置いて行ってでも逃げてください。」
「俺は1人ならそうするけど、あそこに居るホルスに後で何されるか分からないから、リアさんだけは守らせていただきますよ。ほんとマジで地獄が生温いレベルで甚振られると思う…。」
言葉通りさっさと先行して行くホルスを追って、トリス達は慌ててあとに続いているので、必然的にトリスがリアの話し相手になっているのだが、何故か心にも無いことを言うトリス。
どうやらどうしてもホルスの株を上げたいようだ。自分ではなく、トリスに恋心が向くようにコントロールしているのだ。外見だけは良いため、自分が万が一にでも好かれるのは避けたいからだ。好かれればトリスの計画が大きく破綻してしまう。だから態と自分を貶める言動をしたのだ。
「そ、そんな事無いとは思いますが、黒装束の方達はとても強いので、気を付けてください。」
どちらに対して『そんな事無い』なのかは分からないが、兎も角ホルスとリアとの出会いは上手く誘導出来たので良しとして、意識を進む先に向けるトリスだった。
「はい、そうです。学園に受かってから、暇つぶしで森の探索をリタとしていたんです。そしたら迷ってしまい、気が付いたら洞窟に入っていたんです。そこで黒装束の人達に拘束されて、実験を…。」
そこまで言って、思い出したくない事を思い出してしまったのか、言葉を詰まらせるリア。そんなリアの手をとってホルスが優しく諭すように言う。
「色々情報ありがとう。こうなれば、後は僕達がどうにかするよ。一応追っ手があるかもしれないからリアさんには一緒に来てもらうけど、君には絶対に手を出させないと約束する。信じられないかもしれないけど、こう見えて僕達は結構強いんだ。」
見る者全てを魅了する天使のような笑みで、リアに言うと、当のリアは一瞬で顔を真っ赤にして首縦にガクガクと振っている。
この男、この行動が計算されているように見えるのだが、実は素でやっている。だからこそ天然ジゴロだなんて称号が付いているのだが。
「おうおう。ここまで来て女の子を引っ掛けてるよ。流石はホルスだよ。」
「は?何の話?」
トリスの呆れた様子の声に、心底不思議そうな顔で振り返るホルス。その顔に一発拳を叩き込みたくなったが、リアを怯えさせる訳にはいかないので、グッと堪えてトリスは話題を変える。
「何でもない。それよりも、早く行こうか。早くしないと日が暮れる。」
「うん、そうだね。今の時期は日が暮れるの早いから、さっさと行こうか。」
ホルスはそう言うと、リアの来た方角へと向かう。
「はい、お願いします。む、無理はしないでくださいね。」
余裕そうな2人に比べ、物凄く不安そうな顔をしているリアを見て、トリスは冗談めかして言う。
「大丈夫大丈夫!ホルス1人に対して一個師団相手でもまだ足りないくらいだから!ホルス仕留めたいなら、それこそ神でも相手しないと無理じゃないかな?」
この世界では、一個師団は約7000人程だ。Sランク冒険者なら一国を相手に出来ると言われているのでSランク以下だが、一個旅団を相手に出来ると言われているAランク冒険者よりも強いという認識になる。事実ホルスなら一国相手取っても、上手く立ち回れば壊滅くらいは出来るので、嘘ではない。
だが、冗談めかして言っているためかリアは本気だと思わなかったようだ。
「ふふふ。元気づけて下さって、ありがとうございます。いざとなれば、私を置いて行ってでも逃げてください。」
「俺は1人ならそうするけど、あそこに居るホルスに後で何されるか分からないから、リアさんだけは守らせていただきますよ。ほんとマジで地獄が生温いレベルで甚振られると思う…。」
言葉通りさっさと先行して行くホルスを追って、トリス達は慌ててあとに続いているので、必然的にトリスがリアの話し相手になっているのだが、何故か心にも無いことを言うトリス。
どうやらどうしてもホルスの株を上げたいようだ。自分ではなく、トリスに恋心が向くようにコントロールしているのだ。外見だけは良いため、自分が万が一にでも好かれるのは避けたいからだ。好かれればトリスの計画が大きく破綻してしまう。だから態と自分を貶める言動をしたのだ。
「そ、そんな事無いとは思いますが、黒装束の方達はとても強いので、気を付けてください。」
どちらに対して『そんな事無い』なのかは分からないが、兎も角ホルスとリアとの出会いは上手く誘導出来たので良しとして、意識を進む先に向けるトリスだった。
コメント
血迷ったトモ
イッキ読みですか!ありがとうございます!
実は今、その正体がバレるための伏線(伏線というのには少し烏滸がましい感じですが)を書いてます。
是非、どういう展開に持っていくのかを考えて見てください。
決事
トリスかトリスタンだとバレる日はいつ来るのでしょうか((
正体隠してるタイプの主人公が好きなので、凄い楽しかったです。
この2日で一気読みしてしまいました。
次回の更新、待ってます(o^^o)