転生王子は何をする?
第56話 お世話になります
「ど、どうも、トリスです。よろしくお願いします。」
トリスは深々と、若干震えながら丁寧なお辞儀をする。
「え?トリス?何してんの?」
そんなトリスを驚愕した表情で見つめるホルス。
「い、いやだって、一般庶民の俺としてはこんな光景を目の当たりにしたら動揺するってば!何これ!?…あ、これって言っちゃったけど、この人数のメイドさんは見た事ないわ!」
そう。トリスとホルスが、メイドのメラニーに先導されて屋敷に入ると、赤い絨毯の敷かれた玄関の両隣にズラーっとメイドさんが並んでお辞儀をしていたのだ。
その光景に思わず素でビビったトリスは、つい最初のセリフを口走ってしまったのだ。
「う〜ん、確かに多いけど屋敷の広さを考えると少し足らないくらいなんだよね〜。」
「そ、そりゃそうだけど。」
「あ、皆。ここにいるトリスは僕の友人で、今はここにお客様として招いたんだ。平民で君達より身分は低いけれど、そんな事で差別するような真似をすれば、僕は決して許さないので気を付けてください。」
『はっ!了解であります!』
ホルスがトリスを紹介すると、メイド達が一斉にトリスの顔を凝視し、『気を付けてください』の部分で声を合わせて再びお辞儀をした。
もはや軍隊を彷彿させる動きである。
「よ、よろしくお願いします〜。」
顔を引きつらせながらも、明るく挨拶しようとして失敗するトリス。
「あはは。何そんなに緊張してるの?まぁ、その内慣れるだろうから、心配しないでも大丈夫だよ。」
『慣れねぇよ!』というツッコミをグッと堪えて、トリスは別の事を口にする。
「その内?高々1週間やそこらじゃあ慣れないと思うけど?」
「え?1週間?学園に入学しても、ずっと居るんじゃないの?」
「はい?」
トリスとホルスは顔を見合わせる。どうやら2人の間で考えている事が違ったようだ。
実は王立トゥール学園は、成績上位者は無料で1人1部屋、その他はお金を払えば2人1部屋で寮生活を営む者が多い。毎年200名ほど採用するのだが、その内半数は寮生活であるといっても過言ではないほどだ。
トリスもこの寮に住む予定であった。
「お金、節約したくない?」
「し、したいです…。」
「毎日可愛いメイドさんが作る温かいご飯が食べたくない?」
ホルスはニヤリと悪い顔をしながら言う。
「た、食べたいです。」
「そして何より、毎日馬車登校したくない?」
「したいです!お世話になります!」
トリスがあっさりと陥落した瞬間である。
とはいえ、確かにホルスの言うことは魅力的ではあったが、トリスにも考えがありホルスの屋敷に世話になる事を決めたのだ。
その考えとは、『1人で寮生活って、主人公設定じゃね?』というものである。また、自身が近くに居ることにより、下手に女子がホルスに手を出しにくくなるとも考えた。鈍感であるのにガードが硬いという、一種の最強さんが誕生してしまった。
この選択のせいで、様々な女子から『腐腐腐腐腐腐…。』といった笑いが止まらないような関係を想像されてしまうという弊害が発生してしまうのだが、この上ない最良の選択であるのは間違いなかった。
「まぁ、そういう訳でこれからもよろしく頼むよ。」
「あぁ、よろしく。」
2人でガッチリと笑顔で握手をする。
その様子を見ていたメイドの内数人が、顔を少し紅潮させてニヤけていた事に、気付いたのものはいなかった。
トリスは深々と、若干震えながら丁寧なお辞儀をする。
「え?トリス?何してんの?」
そんなトリスを驚愕した表情で見つめるホルス。
「い、いやだって、一般庶民の俺としてはこんな光景を目の当たりにしたら動揺するってば!何これ!?…あ、これって言っちゃったけど、この人数のメイドさんは見た事ないわ!」
そう。トリスとホルスが、メイドのメラニーに先導されて屋敷に入ると、赤い絨毯の敷かれた玄関の両隣にズラーっとメイドさんが並んでお辞儀をしていたのだ。
その光景に思わず素でビビったトリスは、つい最初のセリフを口走ってしまったのだ。
「う〜ん、確かに多いけど屋敷の広さを考えると少し足らないくらいなんだよね〜。」
「そ、そりゃそうだけど。」
「あ、皆。ここにいるトリスは僕の友人で、今はここにお客様として招いたんだ。平民で君達より身分は低いけれど、そんな事で差別するような真似をすれば、僕は決して許さないので気を付けてください。」
『はっ!了解であります!』
ホルスがトリスを紹介すると、メイド達が一斉にトリスの顔を凝視し、『気を付けてください』の部分で声を合わせて再びお辞儀をした。
もはや軍隊を彷彿させる動きである。
「よ、よろしくお願いします〜。」
顔を引きつらせながらも、明るく挨拶しようとして失敗するトリス。
「あはは。何そんなに緊張してるの?まぁ、その内慣れるだろうから、心配しないでも大丈夫だよ。」
『慣れねぇよ!』というツッコミをグッと堪えて、トリスは別の事を口にする。
「その内?高々1週間やそこらじゃあ慣れないと思うけど?」
「え?1週間?学園に入学しても、ずっと居るんじゃないの?」
「はい?」
トリスとホルスは顔を見合わせる。どうやら2人の間で考えている事が違ったようだ。
実は王立トゥール学園は、成績上位者は無料で1人1部屋、その他はお金を払えば2人1部屋で寮生活を営む者が多い。毎年200名ほど採用するのだが、その内半数は寮生活であるといっても過言ではないほどだ。
トリスもこの寮に住む予定であった。
「お金、節約したくない?」
「し、したいです…。」
「毎日可愛いメイドさんが作る温かいご飯が食べたくない?」
ホルスはニヤリと悪い顔をしながら言う。
「た、食べたいです。」
「そして何より、毎日馬車登校したくない?」
「したいです!お世話になります!」
トリスがあっさりと陥落した瞬間である。
とはいえ、確かにホルスの言うことは魅力的ではあったが、トリスにも考えがありホルスの屋敷に世話になる事を決めたのだ。
その考えとは、『1人で寮生活って、主人公設定じゃね?』というものである。また、自身が近くに居ることにより、下手に女子がホルスに手を出しにくくなるとも考えた。鈍感であるのにガードが硬いという、一種の最強さんが誕生してしまった。
この選択のせいで、様々な女子から『腐腐腐腐腐腐…。』といった笑いが止まらないような関係を想像されてしまうという弊害が発生してしまうのだが、この上ない最良の選択であるのは間違いなかった。
「まぁ、そういう訳でこれからもよろしく頼むよ。」
「あぁ、よろしく。」
2人でガッチリと笑顔で握手をする。
その様子を見ていたメイドの内数人が、顔を少し紅潮させてニヤけていた事に、気付いたのものはいなかった。
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コメント
ノベルバユーザー299139
(ΦωΦ)腐腐腐…
小説書いてみたいけど内容が浮かばない人
『腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐…。』はワロタ