転生王子は何をする?
第26話 住み良い環境づくり
トリスは、仲良くおねんねしている4人の男達を縄で繋げて縛り、その先端を持って路地裏から姿を現す。
『な、何があったんだ?』
『おい見ろよ!あれは確か白狼の爪の連中じゃないか?』
『何!あのいつも迷惑な連中か!』
狙い通りに注目を浴びたトリスは、そのまま冒険者ギルドへと向かう。そして中に入ると酒を飲んでいた冒険者達と受付嬢に、ギョッとした様子で見られる。そんな中トリスは一番話し掛けやすいニーナの居る窓口まで向かう。
「どうも。さっき出て行ったばかりで戻ってきて悪いんですけど、コイツらの処分に困ってるんでどうにか出来ませんかね?」
ニーナは暫く呆然としていたが、10秒後には正気を取り戻して吃りながらもトリスに聞いてくる。
「え、あ、はい!そちらの転がってる方々はDランクパーティの白狼の爪ですよね?な、何がどうなったんですか?」
「あ〜、さっき俺が出した金貨に目を付けて、集団で襲い掛かって来たんですよ。跡を付けてきたんで、何してるんだ?って声掛けたら武器を抜いて斬りかかってきたので、適当に返り討ちにしちゃいました。まぁ高々Dランクなので、大したことは無かったんですけどね。」
何でもないように言うトリスのペースに思わずニーナは流されかける。
「へ〜、そうなんですか。大変でしたね〜ってそうじゃなくて!」
「?何がそうじゃないんですか?」
「高々Dランクって君は言ったけど、Dランクのパーティ相手に1人で、しかもこんな短時間で返り討ちって普通有り得ないから!」
通常、EからCにかけては、1つ下のランクの冒険者2人で1つ上のランクの冒険者と互角という戦力差になっている。そのため、トリスは実質的にはCランク2人を赤子の手をひねるように簡単に圧倒してしまったのだ。しかも登録したてのEランク冒険者がだ。
当然ギルド内は大騒ぎになる。
「そ、そんな馬鹿な!」
「あいつさっき登録したばかりだよな!?」
「あぁ、確かにさっき登録したばかりだ!それにあいつら戦闘力だけはCランクにも匹敵するっていう白狼の爪だよな?」
そんな喧騒には我関せずとばかりに、トリスはニーナに再度問う。
「で、どうしたらいいんですかね?」
「え〜っと、では事実関係を洗った後に、然るべき罰を彼らに処しましょう。その一部から慰謝料としてトリス様に支払われることとなります。あ、こちらで彼らの身柄は拘束させて頂きます。」
「ええ、それでお願いします。では、また明日お会いしましょう。」
「は、はい。」
踵を返し、いそいそとギルドから出て行くローブを被った男に、一同は呆然と見送ることしか出来ないのだった。
「ふぅ。これで幾らか冒険者生活が送りやすくなったかな?」
屋根の上で、トリスは溜息をつきながら呟く。
何故態々先程のような目立つ事をしたのかというと、低レベルな輩に狙われるのを、一々対処するのは面倒なため、『人を舐めてると、痛い目見るぞ』という威嚇の意味を込めて行ったのだ。
今日はもえ面倒事はお腹いっぱいのため、トリスは屋根の上を気配を消しつつ宿屋に急ぐ。
「お、あれかな?」
トリスは視界に入った看板を見逃さず、宿屋『平和の礎』の入口に立つ。
この宿屋には今後長くお世話になることとなる。そんな話はさておき、こうしてトリスは無事宿屋へと辿り着くのだった。
『な、何があったんだ?』
『おい見ろよ!あれは確か白狼の爪の連中じゃないか?』
『何!あのいつも迷惑な連中か!』
狙い通りに注目を浴びたトリスは、そのまま冒険者ギルドへと向かう。そして中に入ると酒を飲んでいた冒険者達と受付嬢に、ギョッとした様子で見られる。そんな中トリスは一番話し掛けやすいニーナの居る窓口まで向かう。
「どうも。さっき出て行ったばかりで戻ってきて悪いんですけど、コイツらの処分に困ってるんでどうにか出来ませんかね?」
ニーナは暫く呆然としていたが、10秒後には正気を取り戻して吃りながらもトリスに聞いてくる。
「え、あ、はい!そちらの転がってる方々はDランクパーティの白狼の爪ですよね?な、何がどうなったんですか?」
「あ〜、さっき俺が出した金貨に目を付けて、集団で襲い掛かって来たんですよ。跡を付けてきたんで、何してるんだ?って声掛けたら武器を抜いて斬りかかってきたので、適当に返り討ちにしちゃいました。まぁ高々Dランクなので、大したことは無かったんですけどね。」
何でもないように言うトリスのペースに思わずニーナは流されかける。
「へ〜、そうなんですか。大変でしたね〜ってそうじゃなくて!」
「?何がそうじゃないんですか?」
「高々Dランクって君は言ったけど、Dランクのパーティ相手に1人で、しかもこんな短時間で返り討ちって普通有り得ないから!」
通常、EからCにかけては、1つ下のランクの冒険者2人で1つ上のランクの冒険者と互角という戦力差になっている。そのため、トリスは実質的にはCランク2人を赤子の手をひねるように簡単に圧倒してしまったのだ。しかも登録したてのEランク冒険者がだ。
当然ギルド内は大騒ぎになる。
「そ、そんな馬鹿な!」
「あいつさっき登録したばかりだよな!?」
「あぁ、確かにさっき登録したばかりだ!それにあいつら戦闘力だけはCランクにも匹敵するっていう白狼の爪だよな?」
そんな喧騒には我関せずとばかりに、トリスはニーナに再度問う。
「で、どうしたらいいんですかね?」
「え〜っと、では事実関係を洗った後に、然るべき罰を彼らに処しましょう。その一部から慰謝料としてトリス様に支払われることとなります。あ、こちらで彼らの身柄は拘束させて頂きます。」
「ええ、それでお願いします。では、また明日お会いしましょう。」
「は、はい。」
踵を返し、いそいそとギルドから出て行くローブを被った男に、一同は呆然と見送ることしか出来ないのだった。
「ふぅ。これで幾らか冒険者生活が送りやすくなったかな?」
屋根の上で、トリスは溜息をつきながら呟く。
何故態々先程のような目立つ事をしたのかというと、低レベルな輩に狙われるのを、一々対処するのは面倒なため、『人を舐めてると、痛い目見るぞ』という威嚇の意味を込めて行ったのだ。
今日はもえ面倒事はお腹いっぱいのため、トリスは屋根の上を気配を消しつつ宿屋に急ぐ。
「お、あれかな?」
トリスは視界に入った看板を見逃さず、宿屋『平和の礎』の入口に立つ。
この宿屋には今後長くお世話になることとなる。そんな話はさておき、こうしてトリスは無事宿屋へと辿り着くのだった。
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コメント
血迷ったトモ
用法的には問題無い見たいです。高く見積もって大したことないみたいな意味合いらしいですよ。
アマスさん
高々ではなく、たかだかでわは?