転生王子は何をする?
第7話 洗いざらい吐かされました
「言わなきゃダメっすかね?」
トリスは往生際悪く、アリアーヌにそう聞く。勿論アリアーヌは
「言わなきゃダメだな。王のところに話を持っていってもいいんだかな?」
とさらに脅しをかけてきた。
その言葉に、トリスは膝から崩れ落ち手をつき、綺麗に『orz』と、落ち込んだ人のお手本の様になってしまった。
「マジか〜。結構あっさり露見しちまったな〜。」
その様子を見て、アリアーヌは顔に笑みを浮かべながら追い打ちをかける。このエルフ、ドSである。
「早く吐いた方が楽にられるぞ〜?あと5秒以内に腹を括って話すなら、誰にも言わないと神に誓おうじゃないか。」
「Yes,sir!!喜んで腹を括らせていただきます!!」
トリスは被害の縮小を図るため、その案に速攻乗っかるのであった。もちろん正座で。
トリスは、何とか混乱していた思考回路をなだめ、落ち着かせた後、アリアーヌに説明を始める。
「さて、どこから話しましょうか?…質問をどうぞ。」
なだめた云々の部分は間違いであったようだ。まだトリスは混乱していたため、思考を放棄したらしい。
しかしアリアーヌとしても自身のペースで情報の引き出しが出来るのはありがたいことであるので、質問を開始する。
「ふむ。ならば最初は、どうやって鑑定眼を誤魔化したかについて教えてくれ。」
「…創造神の加護の恩恵の1つでやりました。因みに市民証もそれで誤魔化してます。」
最初はどうやって誤魔化そうかとトリスは考えたが、うまい案とアリアーヌの『誤魔化されないぞ』という強い視線を感じ、諦めて素直にぶっちゃけることにした。
するとアリアーヌは口をポカーンと開けて、表情がそのまま固まる。トリスは『美人は間抜けな顔をしても美人なんだな〜』と呑気に考える。この男、腹を括ると大分肝が据わるようである。
「…は?創造神の、加護、だと?創造する神と書いて創造神か?」
たっぷり10秒は固まったあと、ゆっくりと言葉を紡ぎながらトリスにそう問う。
「それ以外に創造神という単語は聞いたこと無いですね。…はぁ。思考を完全に停止しちゃったか。そんな様子じゃ碌に質問もできなそうなんで、俺が軽く纏めて境遇とか話しますね。」
「…あ、あぁ。よろしく、頼む…。」
トリスは、呆然としているアリアーヌに溜息つきながらも、これまでの事を話していく。
異世界で一度死んだ事。気がついたら神に拾われていて、面白いという理由で異世界に記憶を持ったまま転生出来たという事。その際に色々とチートスキルを貰った事。この世界でトリスとして意識が戻ったのは半年ほど前である事。ステータスがバレると間違いなく騒ぎになるから隠した事。と、全てを話した。
トリスの説明が終わり、暫くは固まっていたアリアーヌだが、すぐにニンマリと笑顔を浮かべる。
-何その笑顔!怖いっ!怖いよ!-
トリスはその笑顔に、青ざめた顔で苦笑いしか返すことが出来ない。
「よし、決めた。」
アリアーヌは唐突にそう言う。
-何を決めたんですかね!?俺の処遇ですか!?若しかして、あまりに馬鹿げた話すぎて、気違いだと思われたのか!?-
トリスは震えながらもアリアーヌに問う。流石に腹を括ったとはいえ、この瞬間はトリスにとって恐怖以外のなにものでもないのである。
「な、何を決めたんですか?」
「トリス、弟子になれ。そして異世界とやらの知識も私に提供してくれると尚良い。無論、断っても神に誓って誰にも言わん。」
トリスはその言葉に暫し固まる。
「…え?信じるんですか?こんな馬鹿げた話を?」
「まぁ、確かに馬鹿げた話だったさ。けれどな、光属性の上級魔法『審判』を使っていたんだが、全く嘘をついていなかったからな。それとこれでも私はエルフだ。だてに長くは生きていない。人を見る目はあるはずだ。」
トリスは安堵の笑みを浮かべ、正座の状態から立ち上がろうとするが、足に全く力が入らず立ち上がれない。
「す、すみません。足に力が入んないので手を貸して貰えますか?」
「はぁ、しょうがない奴だな。ほれ。」
アリアーヌは快く手を貸してくれる。しかし現在トリスはピンチを乗り切ったことで気が緩み、力加減が上手く出来ない状態に陥っている。そしてアリアーヌは女性であり、またエルフであるためSTRはかなり低めである。そして300もあるトリスが力加減を間違えて思いっきり引っ張ると…?
「よっと!…って、え?アリアーヌさん!?」
「きゃあっ!!」
と、見事アリアーヌがバランスを崩し、トリスに覆い被さるように倒れ込んで来るのだった。
トリスは往生際悪く、アリアーヌにそう聞く。勿論アリアーヌは
「言わなきゃダメだな。王のところに話を持っていってもいいんだかな?」
とさらに脅しをかけてきた。
その言葉に、トリスは膝から崩れ落ち手をつき、綺麗に『orz』と、落ち込んだ人のお手本の様になってしまった。
「マジか〜。結構あっさり露見しちまったな〜。」
その様子を見て、アリアーヌは顔に笑みを浮かべながら追い打ちをかける。このエルフ、ドSである。
「早く吐いた方が楽にられるぞ〜?あと5秒以内に腹を括って話すなら、誰にも言わないと神に誓おうじゃないか。」
「Yes,sir!!喜んで腹を括らせていただきます!!」
トリスは被害の縮小を図るため、その案に速攻乗っかるのであった。もちろん正座で。
トリスは、何とか混乱していた思考回路をなだめ、落ち着かせた後、アリアーヌに説明を始める。
「さて、どこから話しましょうか?…質問をどうぞ。」
なだめた云々の部分は間違いであったようだ。まだトリスは混乱していたため、思考を放棄したらしい。
しかしアリアーヌとしても自身のペースで情報の引き出しが出来るのはありがたいことであるので、質問を開始する。
「ふむ。ならば最初は、どうやって鑑定眼を誤魔化したかについて教えてくれ。」
「…創造神の加護の恩恵の1つでやりました。因みに市民証もそれで誤魔化してます。」
最初はどうやって誤魔化そうかとトリスは考えたが、うまい案とアリアーヌの『誤魔化されないぞ』という強い視線を感じ、諦めて素直にぶっちゃけることにした。
するとアリアーヌは口をポカーンと開けて、表情がそのまま固まる。トリスは『美人は間抜けな顔をしても美人なんだな〜』と呑気に考える。この男、腹を括ると大分肝が据わるようである。
「…は?創造神の、加護、だと?創造する神と書いて創造神か?」
たっぷり10秒は固まったあと、ゆっくりと言葉を紡ぎながらトリスにそう問う。
「それ以外に創造神という単語は聞いたこと無いですね。…はぁ。思考を完全に停止しちゃったか。そんな様子じゃ碌に質問もできなそうなんで、俺が軽く纏めて境遇とか話しますね。」
「…あ、あぁ。よろしく、頼む…。」
トリスは、呆然としているアリアーヌに溜息つきながらも、これまでの事を話していく。
異世界で一度死んだ事。気がついたら神に拾われていて、面白いという理由で異世界に記憶を持ったまま転生出来たという事。その際に色々とチートスキルを貰った事。この世界でトリスとして意識が戻ったのは半年ほど前である事。ステータスがバレると間違いなく騒ぎになるから隠した事。と、全てを話した。
トリスの説明が終わり、暫くは固まっていたアリアーヌだが、すぐにニンマリと笑顔を浮かべる。
-何その笑顔!怖いっ!怖いよ!-
トリスはその笑顔に、青ざめた顔で苦笑いしか返すことが出来ない。
「よし、決めた。」
アリアーヌは唐突にそう言う。
-何を決めたんですかね!?俺の処遇ですか!?若しかして、あまりに馬鹿げた話すぎて、気違いだと思われたのか!?-
トリスは震えながらもアリアーヌに問う。流石に腹を括ったとはいえ、この瞬間はトリスにとって恐怖以外のなにものでもないのである。
「な、何を決めたんですか?」
「トリス、弟子になれ。そして異世界とやらの知識も私に提供してくれると尚良い。無論、断っても神に誓って誰にも言わん。」
トリスはその言葉に暫し固まる。
「…え?信じるんですか?こんな馬鹿げた話を?」
「まぁ、確かに馬鹿げた話だったさ。けれどな、光属性の上級魔法『審判』を使っていたんだが、全く嘘をついていなかったからな。それとこれでも私はエルフだ。だてに長くは生きていない。人を見る目はあるはずだ。」
トリスは安堵の笑みを浮かべ、正座の状態から立ち上がろうとするが、足に全く力が入らず立ち上がれない。
「す、すみません。足に力が入んないので手を貸して貰えますか?」
「はぁ、しょうがない奴だな。ほれ。」
アリアーヌは快く手を貸してくれる。しかし現在トリスはピンチを乗り切ったことで気が緩み、力加減が上手く出来ない状態に陥っている。そしてアリアーヌは女性であり、またエルフであるためSTRはかなり低めである。そして300もあるトリスが力加減を間違えて思いっきり引っ張ると…?
「よっと!…って、え?アリアーヌさん!?」
「きゃあっ!!」
と、見事アリアーヌがバランスを崩し、トリスに覆い被さるように倒れ込んで来るのだった。
コメント
血迷ったトモ
…何処ですかね?楽のらの字すら見つからないです(笑)。すみません。どの辺か、詳しく教えて頂けないでしょうか。
ノベルバユーザー179677
楽にられるぞになってます