転生王子は何をする?

血迷ったトモ

第2話 ステータスの確認(スキル)

お茶の時間が終わった後、トリスは一人で自身の部屋に居た。まだ五歳である彼は母であるフランセットからの教育は受けていないため、特にする事がないのだ。しかし文字は教わっているので、この時間はメイドに持ってきてもらった本を読むことにしている。

「今日は本を読む前に改めてステータス確認しないとな〜。確か教会だと鑑定眼を持った人がステータスの読み上げをするんだっけか?」

この世界では、人材発掘の名のもとに、誰であろうと各教会で無料でステータスの鑑定ができる。また、教会での鑑定の後は、一々鑑定しに行くのではなく、市民証を発行しそこに持ち主に反応してステータスの表示がなされるようになる。市民証は、何でも古代の遺跡から発掘された魔術道具を使用して発行するらしい。詳しい構造等は判明していないらしく量産は出来ていないが、少し大きな街に行けばあるという程度には数があるらしく、余程の山奥に住んでいなければ誰でも発行できる。
因みに鑑定眼は魔眼の一種であり、勿論トリスも持っている。しかし前世ではステータスなどは無かったため、つい見るのを忘れてしまっていたのだ。

「前に読んだ本に魔眼の使い方が書いてあるやつがあったな…。確か対象を視界に映しながら目に魔力が集中するように意識をしてキーワードを口に出す、だったっけか?」

トリスは以前に魔法入門書を読んで、少々練習をしたため、既に魔力の扱い方は分かっている。その時は風魔法の中でも初心者向けの突風を引き起こす魔法『ウィンド』を使用したのだが、あまりの威力にそこがオフィスであったのなら大惨事になっていただろう。トリスの部屋は物が少なく飛び散るような物も無かったため、酷い音がした程度であった。

「さてと。そろそろ必要な魔力は集まったかな?…よし、『鑑定』!」

自身の手を見つめながらそう叫ぶ。すると頭の中に文字と数字が羅列されていく。


名前:トリスタン・ラ・トゥール
種族:人間族
年齢: 4歳
Lv: 1
HP: 300
MP: 300
STR: 300
VIT: 300
DEX: 300
AGI: 300
INT: 300
LUK: 300
スキル: 武神 魔神 鍛冶神 芸術神 魔眼を統べる者 全耐性 限界突破 超成長 超回復
称号: 神を笑わせた者 限界無き者 生物最強 創造神の加護
転生者 トゥール王国第三王子


「…え?何か余計な称号が増えてない?というかこれ他人に見せちゃあかんやつや!!」

トリスは頭を抱えて叫ぶ。

「転生前にあんなにスキルを取るんじゃなかった…。改めて見ると明らかにおかしいよな!?」

トリスは頭に浮かんでいる文字列のうち、スキルを注視する。すると詳しい説明が頭に浮かんでくる。


武神:あらゆる武術や戦闘技術を修めし者が、更に武の極地にに至った時に修得できるスキル。

魔神:あらゆる魔法や錬金術などを極めし者が、真理へと至った時に修得できるスキル。

鍛冶神:上記スキルの鍛冶バージョン。

芸術神:上記スキルの芸術バージョン。

魔眼を統べる者:数多くある魔眼を全て使用可能。歴史上ただ一人のみしか修得出来ていない。

全耐性:物理無効・魔法無効、毒耐性や精神攻撃耐性などの上位スキル。基本何も効かない。

限界突破:際限なくステータスが伸びる。

超成長:必要経験値減少、収得経験値増加、ステータス成長率増加等のスキルが最高値で効力を発揮する。

超回復:体力、魔力の回復時間がとても早くなる。最も時間がかかっても5秒ほどで全回復。部位欠損も10秒ほどで修復可能。疲労も回復しやすくなる。


「…うん、全てが馬鹿げてるな。というか史上初になっちまったよ!」

色々とぶっ飛び過ぎているスキルに頭を抱えるしかないトリス。これでは確実に異端視されるか崇められて一生自由が無くなる可能性が出てくる。

「ちょっと怖いけど称号も見ない訳にはいかないよな〜。はぁ…。」

トリスは盛大に溜息をつきながら、称号へと目を移すのだった。

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