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半魔族の少女は料理と共に

秋雨そのは

43話 ハルデルト王国

予告通りいけなかった……
誤字修正しました


 私は、馬車に揺られハルデルト王国、カレルタ街の門についた。

「ほんとは、魔物がウヨウヨいるはずなんだがな……」

 馬車の人はついてすぐブツブツ言い始めた。
 ケルトさんは、「しょうが無いですよ、訳を教えるわけには行きませんし」といって、知っているのに私にも教えてくれなかった。

 衛兵が立っている所まで馬車の人と歩いていった。
 衛兵の前に立つと。

「身分証またはステータスを提示せよ」

 私は、マルズダマ国で貰った貴族の証明証を見せた。
 すると彼は驚愕な表情を浮かべていた。口調や姿勢を正し。

「こ、これは! す、すみません。お通りください」

「私には敬語いらないですよ、姿勢も楽でいいです」

「で、ですが……」

「彼女は、敬語が苦手なんです。気軽に接してください」

 衛兵は少し悩む様に、顎に手を当てて唸っていた。
 結論が出たのか、彼は「……分かりました、それでは通れ。何か問題が起きた時は我らが力になる」と最初の口調に戻って、話しかけた。

「お仕事、頑張ってください。これおすそ分けです」

「あ、は……いや、ありがとう」

 私は国を出発する前に作っておいた、クッキーを渡した。衛兵は遠慮したけど、私が笑顔で「貰って、また会った時に感想を教えてください」と言ったら、少し赤くなって「ありがとう」と答えてた。

「嬢ちゃん、天然なのか分からないけど、罪作りだね~」

「僕も心配ですよ、マリアさんは人が良すぎるんです。会う人全てこんな感じですよ」

 マジか、と馬車の人は言った。私はその会話を聞いてたけど、衛兵と少しお喋りしていた。
 ケルトさんが「そろそろ行きましょう」と言ったので、私は衛兵と馬車の人に手を振って中に入っていった。

 私が衛兵と離れて中に入っていく時に2人が喋っていた。

「……あの嬢ちゃん達なにもんなんだ?」

「……マルズダマ国、トアネット・カール家だ。新しく出来た貴族だが……マルズダマ国全員の貴族に絶大な信頼を受けた唯一の貴族だ」

「……あのマルズダマ国の貴族! だから出発する時に国王が見送りに来てたのか!」

「……何? マルズダマ国王が、見送りに! もしこの国で何かあったら……」

 2人は顔見合わせ「「……俺らの国……滅ぶんじゃね?」」と呟いていた。


 話声が何言ってるか聞こえなかったけど、私は気にせず街並に集中することにした。相変わらず、ある物が新鮮でワクワクが止まらなかった。
 ケルトさんは笑顔で私の横で眺めていた。持ってきた硬貨は黒貨10枚程、後は細かい硬貨くらいだからあまり無駄遣い出来ないね。

「確か、住むのは寮? があるらしいけど、どうなのかな?」

「そうですね、実家通いの方と。寮と呼ばれる所に住んでる人がいるそうです」

「私は寮の方になるらしいけど、物何もないんだよね……」

 ケルトさんは「少しは準備した方がいいですよ……」と言っていた。だって、遠出だと物を多く持たないほうが……前世の知識が。
 誤魔化すように街並を見ると、人しか居ないのがわかる。そういえば、異種族を受け入れてるのがマルズダマ国くらいだったね。

 私達は学園に向けて歩きだす。学園は、この街を出て少し先にあるらしく。馬車の人から聞いててよかったと思った。
 歩いている矢先、街の人が噂をしていた。

「おい、聞いたか?」

「あぁ聞いた、特売日の話だろ?」

「ちげぇよ! 誰が特売日で噂するか! 今日はお忍びで王子が街に繰り出してるって話だよ!」

「なんだそんな話かよ……って王子が来てるのか!」

 王子が来てるんだって、どんな人かは気になるけど。私は入ってきた門の反対側にある別の門に向かう。
 ケルトさんもさほど興味はないようで「その内周りの人にでも聞こう」程度の反応だった。
 私達の衣装は、普通の人が着るようなラフな格好にしているため。注目されないし、絡まれることは少ないと思う。
 荷物はケルトさんが持つと効かなかったため、ケルトさんが持ってる。

「街、広いね。門がまだ見えないよ」

「そうですね、僕達が居た街もそこそこでしたけど。ここの街は広いですね」

 私達は何事も無く進んでいると、ある店の所で騒ぎ声が聞こえた。
 それと同時に、裕福そうな服を着た男性が店から走り去っていった。それを追うように店の店主だろうか怒鳴る。

「泥棒だ! 誰かそいつを捕まえてくれ!」

「物騒ですね、私達も巻き込まれなければいいですけど」

 そんな言葉と裏腹に先程の男性が私に向かって、走ってくる。
 男性は「どけっ!」と私にタックルしようとするが。

「女性にどけとは、少し失礼じゃないですか?」

 ケルトさんが男性に向かって言い放ち、タックルから私を庇って。体を横に少しずらし、男性の足を引っ掛ける。
 男性は避けられると思ってなかったのか、足を引っ掛け無残に倒れ込む。

「くっ! 僕は王子だぞ! なんでこんな事になるんだ!」

 え? 王子なの? 私は疑問に思った、想像してたよりも……いや、万引きしてる時点で。
 こういうのって、賊とかじゃないの?
 そう思っていると店主が私達の方に向かってくる。

「すまない、お嬢さんも危ない思いをさせてしまった」

「私は大丈夫ですけど……、王子って本当なんですか?」

「そんな訳無いだろ、こいつは双子の片方、メオドール・セル・ハンドレッドだ」

 どうやら、王子とこの子は双子みたい。万引きしそうな、姿じゃないけど……。

「僕はテオドール・セル・ハンドレッドだ! あの馬鹿な弟と一緒にするな!」

 ただ、そう訴えても万引きして捕まってる姿じゃ、説得力がない。
 私は話を聞くために、この子の代わりにお金を払った。黒1枚とかどんなの盗んだのよ。

「良かったんですか?」

「学園へ行く時間まで時間あるし、いいじゃない」

 そう、割りと時間があるのだ。私が学園の手続きは、あちらの授業が全て終わってからという。
 その時間までかなりある、早めに着いたのは。好奇心旺盛の私だから色々みたいんじゃないかとの配慮とか。後は問題があった時に送れないようにだとか。

「そうですね、貴女なら気になって飛び出していきそうですし」

「私ケルトさんの中でどういう評価なの?」

 私とケルトさんは店主に連れられた少年を待っていた。
 しばらくして、店から少年が出てきた。歳は同じくらいかな? あの時は見てなかったけど、そうだと思う。
 
「すまない、お金を払わせてしまって。」

「いいですよ、代わりと言っては何ですけど。お話きかせてもらっていいですか?」

 そう言って私は、突然出会った少年に話を聞くために、喫茶店の中に入るのだった。
 久しぶりに女神の声が聞こえた。

――私が知らない内に、国の外でてるじゃない! いってくださいよ!――

「女神最近喋って来なかったからいないのかと思ってたわ」

「そうですね、僕も忘れてました」

「?」

 2人が何を言い出したのかわからないのか、少年は首を傾げていた。


次は、学園と双子の王子

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