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半魔族の少女は料理と共に

秋雨そのは

39話 獣は何のために?

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 僕は今日も鍛錬に力を入れている。
 その時、1人の男がやってきた。

「お頭、久しぶりだな」

「その言い方はよしてくれと言っただろう」

 お頭? そういえば、親父の仕事仲間とか言った。ハナさんと同じかな?
 でも何故お頭?

「お前は聞きたいこともあると思うが、こっちの要件が済んでからだ」

「あ、あぁ」

「ここに来たってことは、何か問題があったってことか?」

 そう言って、真剣な表情で男を見つめる。
 作戦の実行上問題が発生したのか?

「それがな、俺らは知らないが黒い獣が盗賊団のアジトをウロウロしているらしいんだ」

「何!」

 僕は、驚いた。もしそれが本当なら、自分が知ってる中で勝てる勝算が見つからないからだ。
 もし、手懐ける事が出来るとしたらマリアさんか……なんでもできそうな女神くらいだろう。
 そんな事を思っていると男がこちらを見て、首を捻っていた。

「お頭の息子さんは、会ったことあるのか?」

「はい……、屈強の冒険者を3人相手に手も足も出ない状態で、ゴミの様に消し飛ばしました」

「ナタルもしかしたら、面倒な事になるぞ」

 この男の名はナタルと言うらしい。
 ただ面倒な事になるとはなんでだろう?
 そんなことを他所に、親父は話を進めていく。

「あのお嬢ちゃん、半魔族なのは知っているな?」

「あ、あぁ俺らは気にしちゃいないが……」

「まさか……!」

 僕はハッとなって思いついてしまった。
 もし、あの黒い獣が加担する理由があるとすれば今の主……マリアさんだ。
 女神が、黒い獣に入れ知恵し……この街で処刑が行われると知れば。

「黒い獣が……街を滅ぼしにやってくる」

「なんだと?」

「マリアさんが捕まって、それを悪い女神が知り死刑を促し……黒い獣に教えたらどうなる?」

「処刑される前に、助け出す……ということか」

 だけど、盗賊と一緒にいるというのはどういうことだ?
 そんな事を思っていると親父が切り出した。

「黒い獣の襲撃させれば、国王の暗殺も簡単になる。そうすれば悪い女神がしたことの隠蔽、そして半魔族の少女に全て押し付ける事ができる」

「どんだけだよ、悪い女神とやら!」

 だけど、これからどうすればいいんだ?
 盗賊のアジトに居ちゃ盗賊を引っ捕らえる事もできない。
 僕以外の2人は頷き……、向き合って意を決した様に言った。

「わかった、俺が黒い獣を引きつけよう」

「お頭……、あんたは止めてもどうせやるんだろう?」

「わかってるじゃないか」

 2人は俺に顔を向け、親父は俺を懐かしい目で見ていた。ナタルという男は親父に似てるなという呆れてる顔で見ていた。

「お前は、あのお嬢ちゃんの救出だ……俺は手伝う事が出来なくなっちまった」

「何言ってるんだ、まだ4日もあるじゃないか」

「それは無理だ……、3日間そいつを足止めする準備をしなければならないからな」

 わけが分からない、3日間準備をしなければならない?
 そんな大掛かりな事が必要になるのか?

 僕は知らなかった……、あの黒い獣がどれだけ狂暴で、世界の何処に行っても高ランク冒険者が10人がかりで戦っても勝てない相手だと言うことを。
 そして、親父がそれを1人で引きつけて、帰ってこられるかどうかという事を……。

「すぐに、ハナの元に行ってアジトを一通り見てから準備に移る」

「ケルト……、強くなれ……そしてお前の守りたいものを守るんだ」

 何故かその親父の言葉がお別れの言葉に聞こえた気がする……。
 そんな寂しそうな顔で言った、親父は一瞬でいつもの顔に戻った。

「よし、行くぞ! 3日間俺の出せる技をお前に叩き込んでやる!」

「あぁ! 受けて立つ!」


 3日後……、遂にこの時が来た。

 僕は親父とナタルという男3人で、ナタルのアジトの外に居た。
 親父は、僕の事見て懐かしむような顔で。

「似てきたな……、セシリアに」

「母さんに?」

「あぁ、俺みたいな野蛮じゃなく。どんな人にも優しく悪事を働いてしまった俺にも愛情を注いでくれたセシリアにだ」

 僕は嬉しいとも感じた、何故なら親父がお母さんの話題を聞いたのは。僕が聞いて以来だから、親父自らら出すことは無かった。

 そんな事を思っていると、街が大いに盛り上がった声が上がった……。
 そろそろ時間になる。

「それじゃ、ケルト……俺は行ってくる、お前はちゃんとお前のお姫様を助け出すんだ」

「言われるまでもない」

 盗賊団のアジトはナタルの仕掛けにより、しばらくの間出ることが出来ない。らしい。
 原理は魔法と物理の応用だと言うが、僕には分からない。

 動けない間に親父が引きつける、その時にナタルが仕組んだ仕掛けで黒い獣の動きを止める。
 何時まで持つか分からないが、僕が助け出すまでの時間は大丈夫だと信じたい。

 悪い女神は魔法に関しての干渉があるかもしれないが……。

――あ、ケルトさん~頼んでいた。アレやっときましたよ~――

 いつもの気の抜けるような声で、女神さんが話しかけてきた。
 女神には女神をぶつけるという考えに至った。

「それじゃお願いしますね」

 干渉する瞬間に女神は出てくるということで、時間稼ぎなどをお願いしたのだ。

 僕は広場に移動する。
 大切な人を守るために……。


次は、遂にクライマックス? 視点戻ります

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