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半魔族の少女は料理と共に

秋雨そのは

32話 王女の決意

評価してる方、ブクマの方感謝です


 私は、牢でのんびり過ごしていた。
 牢の中は快適とも言えないけどね。

 色々なことするにも、壁がないため、基本的にオープンだ。
 脱走図られたら困るからだと思う。

 長方形のような形の牢で、横長に鉄格子が並んでいて扉の部分には、鍵がついた鉄格子の扉があった。
 一般的な牢屋ね、という暢気な感想を抱いていた。

――驚くぐらい何もないですね――

『エンカさんへの対応だけで、苦労してるんじゃない?』

――後、マリアさん少しわくわくしてません?――

 バレた? 前世だと捕まると厄介なことしかないから、経験した事ないししたくもなかったから。
 ちょっと牢暮らしってどんなのかなぁ~って思ってたり。

『食って寝るだけの生活になりそう、最近働いてばかりだったから』

――貧民街の暮らしもなんだかんだで、対応してましたよね。肝がすわってるのか、怖いもの知らずなのかわかりませんけど――

 怖い物は怖いわよ?
 まぁ多分、怖いより好奇心が先にきますけど。

 そんなやり取りをしてると、エンカが人目を盗んで入ってきた。

「マリアさん! 大丈夫ですか!」

「大丈夫、エンカさんはどうですか?」

「なんでそんなに暢気に、構えてるんですか!」

「まぁまぁ落ち着いて」

 ごもっともな意見を言うけど、エンカをなだめてながら。話をする。
 私自身ここから、どうこうできないのだ。
 助けを待つ姫? な感じかな。

「4日後に死刑が貴族と国王の決断で決まったんですよ! 私が掛け合ってるんですけど誰も話を聞いてくれなくて」

「そうだったのね、抵抗しても結果は変わらなそうだもの」

 エンカには、私が死ぬ事を認めてるように見えるだろう。
 でも、私は今死ぬ気なんて微塵もない。

「私じゃ出来ないことを、今度は貴女がやるのよ」

「どういうことですか?」

「私はこのままじゃ、死刑は免れない。でも貴女は結果を変えなければいけないの」

 そう、街の人はみんな変わり始めた、そのきっかけを私が作っただけの事。貧民街の人たちも、変化するタイミングがわからなかったから。
 そしてエンカも変わらないといけない。今のままでは、貴族という圧力で未来潰れてしまうから。

「この先、貴女は王女という役で貴族の前で、踊っているだけではダメなの」

「役って……」

「貴女は貴女の意思で生きなきゃいけない、王女なんて肩書が無くても生きていけるように」

 今度は貴女の番、そうすれば私は、どんな結果になろうと受け入れるわ!
 エンカは、俯き自分のしていた事を思い出しているのだろう。
 ここの貴族の暮らしというのはわからない、でも。
 どんな生活かは予想は建てられる。

 3日間、発展していくのを陰ながらエンカに見せていた。
 彼らがどんな風に変わり、どんな事して生きているのかを。

「私は……、私は……」

「人は変われるもの、強くなくてもいいの。弱いからこそ努力して結果が出るの」

 エンカは拳を握りしめ、震えていた。
 彼女がどう思ったか分からない……けど、私の言葉で何かが変わってくれたら嬉しいな。

 ふと、エンカが顔を上げた。
 そこには、何時もの好奇心の様な表情ではなく。
 変わろうという意思が篭った表情だった。



次は、視点変わります

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